人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

十津川対岸歩道(仮)攻略戦 序

仰々しいタイトルを付けているが内容は全然仰々しくない。いたって内容はシンプルである。

それは2014年8月紀伊半島縦断ツアーの最中のことである。十津川村を北上して風谷ダムを過ぎてしばらく走った頃、ふと対岸を見ると

f:id:msx4:20170417235056j:plain

こんな光景が見えた。思いっきりピンボケのひどい写真だが、写真を撮りたいと思うほどには気を惹かれるものがあったと思う。別に飛騨にある割石の高崖みたいにすごい道ではない。コンクリでガチガチに固められた法面に金属の手すりがついた歩道らしき道。道自体は古いものかもしれないが少なくとも見えている部分は近代に改修を受けている。これで手すりが無ければすごい物件になったかもしれないが・・・。この時は時間的な余裕もなく、スルーするしかなかった。そして3カ月後の11月、リベンジの時はやってきた。

 

           十津川対岸歩道(仮)攻略戦 壱につづく

 

稲又森林鉄道12(完)

 

前回で一応本線の探索は終了したが、まだ未踏破の部分がある。それは本線の片洞門から大崩落までの区間と、支線の分岐点から切り通しまでの区間である。はっきり言って蛇足とも言えるが最後までお付き合い願いたい。

まずは本線のほうだが、大崩落の右側あたりで登れそうな場所に取り付き、後はひたすら登る。

    f:id:msx4:20170329160419j:plain

軌道跡に到達し、右、つまり下流方向に進むが結果的に前回の到達点にはたどり着けなかった。

   f:id:msx4:20170329161012j:plain

これは無理。谷間の向こう側に浅い切り通しの路盤が確認できるが、迂回は絶対無理。というか現役時代にどのように木橋を組んだかすごく気になった。残りはそんなに無いはずなのでこちら側はここまでとした。そして、

f:id:msx4:20170329162637j:plain f:id:msx4:20170329162757j:plain

反対側の大崩落の端まで来たが驚いたことにわずかに踏み跡が確認できた。記事にはしてなかったが前回反対側の端まで探索済みで、自分は無理して渡る必要性が無かったため本線はこれで終了とした。

一方で支線のほうはもう少し難易度が高かった。まず本線との分岐は稲又谷の一つ隣の沢を渡る橋付近で分岐していたと思われる。沢の右岸に沿って軌道にしては広目の道が通っているが、これは本流沿いの燃料庫らしき小屋(堰堤の工事用?)で途切れていた。正解はこの道に削られて分かりにくいが、下の写真の中央を真っ直ぐ進むルートである。

     f:id:msx4:20170329170853j:plain

この後沢沿いはしばらく穏やかだが、本流に出てしばらくすると難所にさしかかる。下の写真はそこを越えて振り返ったもの。

    f:id:msx4:20170329171552j:plain

そして見どころの断崖絶壁!すごいところを通っていると改めて思いました。

    f:id:msx4:20170329171909j:plain

    f:id:msx4:20170329172304j:plain 

このあと植林地の中に年代物の廃車体を見つけたりして、一話の切り通しに到達することが出来た。本線と支線の最終地点が今ひとつ確信を持てなかったが、とりあえずこれにて稲又森林鉄道はコンプリート!

      f:id:msx4:20170329174540j:plain

 

f:id:msx4:20170329174747j:plain

               

 

                 稲又森林鉄道 完

稲又森林鉄道11

落葉や土に埋もれて一部しか見えていないが、これまでの探索の中では最もレールが露出していた。下の写真では左側と右上とで複線のレールが確認できる。

f:id:msx4:20170318234648j:plain

転車台跡のようにも見える途切れたレールと円形状のくぼみ。それっぽく見えるけどわかりませんでした。

    f:id:msx4:20170318235250j:plain

 f:id:msx4:20170318235810j:plain  

                    f:id:msx4:20170319001112j:plain

   f:id:msx4:20170319002507j:plain

そして平場の奥に緩やかな登り坂の軌道跡が続いていたが、少し登ったところの広場でレールを1本見つけたのを最後にその先の痕跡を見つけることが出来なかった。

f:id:msx4:20170319002926j:plain

長々と続けてきたが本線の探索はこれで終了である。あとはやり残した部分についてもう少しお付き合い頂きたい。

                稲又森林鉄道12へ

 

 

稲又森林鉄道10(改)

橋台の付近は崖のため谷を渡ることが出来なかったが、少し戻った地点で谷へ降りることが出来た。そして対岸の斜面上に埋もれた1本のレールがこの上にも軌道があることを指示していた、と、この時はそう思ったのだが・・・

f:id:msx4:20170221220544j:plain f:id:msx4:20170221220640j:plain

 

      f:id:msx4:20170221220759j:plain

               崖の上に待っていたものは

       f:id:msx4:20170221221140j:plain

        これまた前情報に無かった予想外の代物だった。

 f:id:msx4:20170221221857j:plain

 前述したが、インクラインの麓に事務所があったのは知っていたがこちらの事務所(宿舎?)は知らなかった。だいぶ壊れているがそれでも原型をとどめている。

  f:id:msx4:20170306105448j:plainf:id:msx4:20170306110949j:plain    

             f:id:msx4:20170306110926j:plain

f:id:msx4:20170306111646j:plain    f:id:msx4:20170306111714j:plain

f:id:msx4:20170306112202j:plain  f:id:msx4:20170306112319j:plain

遺構も遺物も盛り沢山である。この場所は大きな平場になっており、事務所を作ったのもうなずける。また、切った木を一時保管する中継土馬としても使っていただろうと思われる。更に・・・

f:id:msx4:20170306120218j:plain

部分的とは言えこれまでと違ってちゃんと2本のレールが露出している!どちらかというとこっちのほうが嬉しかった(笑)そしてこの探索もおわりに近づいていた。

 

                  稲又森林鉄道11へ

 

稲又森林鉄道9

隧道だ!時前の情報には無かったのでこれは嬉しいサプライズ!

f:id:msx4:20170218221222j:plain

しかも足元に犬釘付きの枕木も発見!

f:id:msx4:20170218221346j:plain

f:id:msx4:20170218221517j:plain

旧線無しの素掘り隧道である。

      f:id:msx4:20170218221654j:plain

朽ちた枕木とのコラボが素晴らしい・・・

f:id:msx4:20170218221921j:plain

で2分も歩かないうちにこれである。後方へ前進!河原から迂回!

f:id:msx4:20170218222226j:plain

その後は謎の鉄製桟橋(?)ー他には見なかったーを見たり、河原へ降りるまでいかない難所を何か所か越えたりして大きな支流の1つに入っていく。

f:id:msx4:20170218223401j:plain f:id:msx4:20170218223621j:plain

       f:id:msx4:20170218223717j:plain

そして目の前に立派な橋台と深い谷が姿を現す。

f:id:msx4:20170218230322j:plain

     f:id:msx4:20170218230346j:plain

 

                 稲又森林鉄道10へ

 

稲又森林鉄道8

前回までの攻略で、軌道跡をそのままたどることが不可能と判断し、ならば川沿いに進んで奥地を目指すことにした。

 

f:id:msx4:20170127220031j:plain

横手に超デンジャラスなトイレ(?)を見ながら前進する。すると

f:id:msx4:20170127220429j:plain

f:id:msx4:20170127220953j:plain

巨大な砂防堰堤(監視カメラ付き)がゆく手を阻む。それよりも地味に驚いたのが小学生がプレートの題字を書いていたことだ。私はあまり見たことがないんだが。それはともかくこれで道は断たれたかというと道の横にこんなものが。

f:id:msx4:20170127222247j:plain

上流に向かって左の山腹に神社があり、その参道が山の上へ伸びている。みるみるうちに高度をあげて50mの堰堤をも眼下の景色としてしまい、そして神社の脇をぬけ

堰堤の上流へと降りていく。

f:id:msx4:20170127223654j:plain  f:id:msx4:20170127225116j:plain

 

f:id:msx4:20170127230409j:plain

下からは見上げるような堰堤だったが上流は土砂で埋まっていた。すさまじい量である。ともかく難関は突破したので今度は軌道跡へと登らなければならない。軌道のある斜面を眺めてみると前回の到達点の先で巨大な地滑りが起こっている。出来れば続きからと行きたいところだが突破が難しそうだったので更に先の地点の尾根から登攀を開始する。

f:id:msx4:20170127232836j:plain f:id:msx4:20170127233021j:plain

f:id:msx4:20170127234233j:plain

f:id:msx4:20170127234557j:plain

そしてようやく軌道跡に到達する。後ろも気になるがまずは前進。

 

f:id:msx4:20170127234700j:plain

 

このまま何もなければよいのだが・・・おや?

 

f:id:msx4:20170222122901j:plain

 

 

 

                稲又森林鉄道9へ続く

 

 

 

 

 

閑話その1 日本3大美堰堤

 

本編の終わりが見えないのでここらで一休み。皆さんは日本3大美堰堤というのをご存知だろうか?ひとつは大分県の白水堰堤。昔、焼酎のCMで有名になったことがある。

 

f:id:msx4:20161210001719j:plain

左右非対称の優美な姿をもつ堰堤である。

f:id:msx4:20161210002153j:plain f:id:msx4:20161210002234j:plain

 

もう一つは愛知県の長篠堰堤余水吐。ここは堰堤自体ではなく、川沿いの水路から流れ落ちる水流と自然の岩盤の組み合わせが荒々しい美しさを生み出している。

 

f:id:msx4:20161210004840j:plain

f:id:msx4:20161210005157j:plain

 

最後は秋田の藤倉ダム。ここは横が林鉄跡だったり、ダムの上に架かる貴重なトラス橋などいろいろと見どころがあります。が・・・

f:id:msx4:20161210012422j:plain

          なんで水が流れてないのかなあ!

まあある意味貴重な写真ではあるけれど・・・解せぬ。流木がゴロゴロしていたので大雨後の点検か整備か。理由は不明である。

 

f:id:msx4:20161210013201j:plain

 

以上、3大美堰堤でした。