人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

宮森林鉄道 断片3(岐阜県)

灌木や草をかき分けながら進む。 築堤が延びている。 これぐらい開けていると気持ちよく歩ける。 ここらは元々あった岩の間にうまく軌道を通したのか。まさか動かした? 地味に見過ごしがちな足元の石垣。しっかり路盤を支えている。 一跨ぎできるほどの小さ…

宮森林鉄道 断片2(岐阜県)

地質、地形的にこういう落石は少なかったと思う。 切通しを抜ける。すると、 橋梁跡だ。木の橋桁が残っている。 まだしっかりしている。(渡ってはいません) 古く見えるが軌道時代のものなのか? それとも歩行者用に架けなおしたものの残骸か。 岩の上に橋…

宮森林鉄道 断片1(岐阜県)

ネタが欲しい今日この頃。 宮森林鉄道は岐阜県高山市に存在していた森林鉄道。すごい山奥というわけではないが、違う意味で踏破が難しい森林鉄道である。2016年以降何度か訪問している。 高山駅の一つ南にある飛騨一ノ宮駅。ここが宮森林鉄道の起点であ…

下仁田森林鉄道 本谷製品事業所跡

前回歩いた軌道跡の更に上流へと進むと本谷製品事業所の跡がある。現状は知らないが遺物が数多く残り、下仁田林鉄探索のクライマックスと言えそうな場所だ。10年前の2013年に探索したが、その当時は残っていたささやかな遺構も紹介したい。 石垣はあれ…

荒谷木馬道 3(徳島県那賀町)

対岸にも石垣が組まれた植林地が見える。 遡行を始めてから一番広い平地が広がっている。枝打ちしてある杉の林は日が差しており明るい。 山側は石垣で段差が、というか立派な壁が出来ており、その上にももちろん杉が植えられている。 植林地を抜けると、また…

荒谷木馬道 2(徳島県那賀町)

切通しの先も切り立った崖沿いの道が続いている。 木々に遮られて谷底は見えない。が、かなりの深さがあることは分かる。 それでも15分程歩くと川が近くなってきた。所々に大岩が作り出す小さな滝が目を楽しませてくれるが、これでは川に切った木を流すの…

荒谷木馬道 1 (徳島県那賀町)

湖面にほど近い斜面を歩いて荒谷の出合いを目指す。 写真を撮ってなかったので記憶があやふやだが、確か出合い付近で斜面をよじ登って撮ったのが上の写真。木馬道だ。 発見した木馬道を上流へと歩き始める。 木馬道は綺麗で崩落もない。 崖を削り石垣を組ん…

荒谷その0 出合橋 (徳島県那賀町)

ここは徳島県、那賀町の長安口貯水池。バリケードで封じられた橋の暗闇の先に更に闇が見える。 であいはし。 十分雰囲気が出たので(笑)感度を上げてもう一枚。この出合橋は対岸でダイレクトにトンネルに突入しており、小さく見える看板には トンネル内交互通…

長野の古隧道2つ 其の3 石まんぼう

早朝から動いていたおかげで日はまだ高い。とはいえ最後の目的地まで少し距離があるので速やかに移動する。 途中、裾花川沿いで甘美な誘惑に心を動かされつつも目的地を目指す。 目標の近くまで来ると看板があった。黄線の花川原峠が目的地になる。 林道を登…

長野の古隧道2つ 其の2 戸隠荒倉山隧道

糸魚川市を南下し長野市までやって来た。目的地はあまたの伝説が伝わる戸隠。荒倉山中にあるという江戸期の古隧道だ。 しかし山道を進むと所々雪が残っていた。以前鳥取の雪道に突撃して動けなくなり延々と車下の雪かきをした経験があるので無理はしたくなか…

長野の古隧道2つ 其の1 寄り道ならぬ・・・

2020年3月の早朝、北陸道を東に走らせていた。目的地は長野。目標は2つの古隧道だった。 糸魚川ICで降りて国道148号を糸魚川沿いに南下する。と長い間思い込んでいたが糸魚川市を流れる大きな川は姫川と言い、糸魚川という川はない。(市のHPに…

割石の裏高崖5

レポートの前にお詫びさせて頂きます。 以前公開した ”越中東街道 割石橋付近” というレポートですが、間違っていたため訂正させて頂きます。越中東街道が通っていたのは高原川の東岸で、割石を通っていたのは越中”中”街道だそうです。これに伴いタイトルや…

割石の裏高崖 4

引っ越しもひと段落した3月の下旬、雪も姿を消した割石に性懲りもなく訪問した。前回使用した巡視路は使う気が失せてしまったが、最初に発見した北側からのルートを雪が溶けた今行けるだろうかと思い立ったのだ。 最初に道を見つけた場所に立つ。まだここは…

割石の裏高崖3

よく見ると足元には黒いプラ製の階段ブロックが埋め込まれており、上を通る電線からこの道が保守用の巡視路であると見当がついた。しかしブロックは半ば埋もれ、道自体も細く土砂や枯れ葉が積もる急坂は、一歩一歩慎重に足場を確かめながら降りていかなけれ…

割石の裏高崖2

書き忘れていたのですが前回は2023年1月下旬の探索。ツイッターで雪積もっとる時普通は行かないとツッコミを頂きましたが(笑)、2月の中旬に再びこの割石に立つことに。というのも急遽転勤が決まり、何時でも行けると思っていた近場の物件に今のうちに…

割石の裏高崖 1

大変お待たせしました。更新を再開しますが、おいも谷は再訪してからレポの続きを書きたいので一時中断します。では、とある古道のレポートを。 ここは岐阜県飛騨市神岡町の割石。写真には割石集落の南側にある絶壁と割石橋が写っているが、以前記事にした越…

更新をしばらく休みます。

転勤が急きょ決まったため、しばらく更新をお休みします。 3月に再開予定です。

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 8

枯れ葉に隠れているが、ちゃんと2本そろったレールが残っている。ここが軌道跡であるまごうことなき証拠だ。完全に諦めていただけに本来なら絶叫して喜ぶところだが 朝、通ってきた真横にあったのに見逃すという大チョンボ。しかも5話に掲載した朝の写真に…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 7

右岸の斜面を登りながら左手の山の方へ進んでいく。地形図を見ていて気になった谷が目標だ。 ごつい大岩が鎮座している。下流ではもっと大きい岩がごろごろしていたのに、これひとつしかないとすごく目立つ。 その大岩の向こうに浅い谷間が広がっている。 何…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 6

上流に向かって右側の左岸を進むが何の痕跡も見当たらない。渡河して右岸に移ってみる。 右岸をしばらく歩いていてふと上を見上げると草に埋もれた石垣の一部が見えた。左右を見渡してみると 下流方向にも 上流方向にも平場が伸びている。ようやくこれは当た…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 5

対岸に平場が見える。よく見ると石垣も見える。 今いる右岸にも見上げると平場がある。登ってみたが道のような平場が。これは軌道跡か?あるいは木馬道か?それともただの作業道? しかし目に飛び込んできたものがあった。ワイヤー、つまり張られたままの索…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 4

第二次探索から1カ月後の2022年11月、3度目の挑戦が始まる。すでに晩秋となり谷の入口も色づいているのが見える。 しばらく雨が降らなかったせいかやや水量が少なく、多少は楽に渡河することが出来た。 探索という本番を前に時間と体力を節約できれ…

2022年を振り返って

今年度の記録。 和歌山県古座川町の(廃)水路橋。この近辺はまだまだ発掘のし甲斐がある。 島根県雲南市の木馬道隧道。遠かったがようやく行くことが出来た。 岐阜県高山市の尾上郷森林鉄道貯木場。ダム湖に沈んでいるからこそ保存状態が良い。 下呂の本谷森…

月の詰め合わせ

天候によりちょっと気力と体力が削られたのでおいも谷の続きはお休みさせて頂きます。代わりに小ネタを。 静岡県浜松市には月という地名がある。月地区には名前の由来の石碑が建っているが諸説あるらしい。 月橋。月地区に架かる橋。ツキ・ブリッジとなって…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 3

前回は踏み跡を辿っていったが、今回はレールを探しながらなるべく川辺を歩くことにした。本日2本目。 もちろん軌道跡も探していくのだが、経験からすると、流されて川に落ちているレール=川沿いの路盤や倒壊した橋脚から落ちたり外れたりした可能性が高い…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 2 

横にそびえる絶壁。見上げた限りでは軌道跡は見当たらない。 道なき道を前進する。 対岸も白い絶壁がそそり立つ。こちらも軌道跡らしきものは確認できない。 川も小さな滝を造りながらどんどん高度を上げている。 歩いている道はたまにささやかな石垣が組ま…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 1

2022年9月の早朝、苧生茂谷を国道より望む。第一回目のアタックだが、今回はどちらかというと偵察の意味合いが強い。まずは渡河にどれぐらいかかるのか。谷の実際の様子。そしてできればレールなどの遺物の確認。 最終的な目標は軌道の路盤を確認するこ…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 0

岐阜県飛騨市神岡町から南東へ国道471号線を高原川沿いに進むと、金木戸森林鉄道を始めとするいくつかの軌道跡が存在するが、国道の対岸の谷に民間の軌道があったと、とあるtwitterの書き込みで知った。ネットでは軌道で検索してもヒットしなかっ…

気田森林鉄道8 門桁地区対岸区間 後編

沢に出たが河原にいろいろ転がっている。 四角いコンクリートの橋桁と橋脚の一部?らしきもの。それとレールも見える。 木橋よりは頑丈でも橋脚や橋台が壊されてしまってはどうしようもない。 余談だが、反対側の路盤に登るとなぜかそこだけ今も整備されてい…

気田森林鉄道7 門桁地区対岸区間 前編

気田森林鉄道 1 https://blog.hatena.ne.jp/msx4/msx4.hatenablog.com/edit?entry=10257846132625394285 ただ今静岡県浜松市春野町の春野歴史民俗資料館で来年の2月25日まで特別企画展 「春野の近代化遺産 気多森林鉄道」をやっております。というわけで…