まさかの2本目である。何か変だと思いはじめた。何故なら今いるこの場所は蛇行した支流の栗平川によって半島状になっており、国道の高原隧道の坑門から真横に1kmちょい進むとぐるりと回って反対側の出口にぶつかり、2kmも進むと小さいほうの高原隧道、つまり上流に向かう軌道の本線にぶつかってしまうような狭い土地なのである。そんなところに隧道を2本も造るのは採算的にどうかと思った。
それとこの隧道内部である。床が全面コンクリートで固められ、ボルトのついたコンクリートの土台が等間隔に並んでいる。しかも中心から少し横にずれている。この時までは林鉄の軌道だと確信していたのでこれを見た時は何か特殊な作りの軌道なのかと真剣に悩んでしまった。そしてしばらく進むとソレが現れた。
木?木のレール!?まさか木製レール?鉄のレールの普及以前にごく一部で使われたというあれか!?といった感じでこの時はだいぶ混乱していた。何せ現物どころか資料さえほとんど見たことがない代物であり、パッと見レールにしか見えなかったから
というのもある。でもだんだん落ち着いてきてよく見てみると
木製レールなら上に鉄板を張り付けているはずだがそれらしきものが見えない。しかも固定に使われているボルトが上にとび出ている。他にも天井に電気が通っているのに年代的な違和感など疑問点がいろいろと出てきて・・・ええいとりあえず横に置いといて前進してみよう。
天井はコンクリ巻き、素掘り、コンクリ巻き、素掘り、コンクリ巻きの順で床は一部土砂が堆積していたけれど多分全面コンクリートで施工されている。そして出口は
ん?
え?
なんじゃこりゃ?
十津川村の林鉄廃隧道(?)06へ続く