第3インクラインへの渡河地点から上流を見渡すが軌道の跡を見いだすことが出来なかった。分からない。第2インクラインへ続く道はどこにあるのか。しかし、いざとなれば最終手段が残されている。それは
川沿いに遡ったのち直接上部軌道を目指す!そうすればインクラインの場所もおのずと判明するはずである。
しばらく進むと両岸に岩が張り出しまるで門のような場所があった。 この時点で軌道が川沿いにある可能性は少なくなった。木製の桟橋による作業軌道だったというならともかく痕跡がゼロである。ならばこの巨岩の上を通っているはずだが、そこへ通じる道が分からない。
そして二つの流れの合流地点に到達する。真ん中には中音水川源流地点の碑が建てられている。左を行くと途中まで進んだ第3インクラの上部軌道の奥地に通じるはずだ。そして進むべき道はもちろん右である。
谷の右側を見上げるが、パッと見軌道の平場は確認できない。本当にこの上に軌道跡があるのか?などと思っていたら
ヘイヘイこの先ですよ旦那と言わんばかりにレールが落ちていた。軌道の存在がこれで確定した。そして前方に見える光景が地図に書かれていた名を思い出させた。
”滝の谷”と。
音水の4つのインクライン 06へ続く