漆黒の闇が目の前に口を開けている。ある予感がしながらも、ライトを慌ただしく取り出して光を灯す。
閉塞だ。やはり抜けてはいなかったか、残念。しかしこんなに綺麗に残っているとは思いもしなかった。台形型の坑道が自分的にはストライクである。と、坑門に近づいたところで足元に気が付いた。
公僕はきちんと仕事をしているようだ。が、廃的になんとなく微妙にテンションダウン。
坑内に侵入した。どうやら水没しているがそこまで深くはなさそうだ。
陸地の部分はある程度の固さがあり最悪の状態ではなかった。慎重に水没ゾーンに足を踏み入れる。
あかん。水は大丈夫だが下の泥がやばい。抵抗感が半端でなく2歩目であきらめた。フル装備じゃなきゃ無理だ。
ギリギリで撮影した最奥部の写真。やはりもう少し前進しないと状態がはっきりしない。
残念ながらこれで撤退した。決して巨大カマドウマにびびったからではない。それよりも北側の確認だ。だがしかし探索の最後に衝撃の展開が待ち受けているとはこの時点では知る由もなかった。
後編に続く