河原の砂利の中から石垣の小道が姿を現していた。軌道跡だ。
曲がり角を岩の切り通しで抜けていく。
その先に路盤はない。桟道を通していたのだろう。
その先の植林地帯には石垣が残っていた。
川沿いに軌道跡は続く。ここの乱積みの石垣が何故か印象に残っている。
しばらく進むと川が小さな滝になって広場のような河原に流れ込んでいた。路盤はこの広場の手前で消失してしまったが、よく見ると滝の左上に続きが見えたので斜面をよじ登る。
いきなり視界が広がった。巨大な堰堤とコンクリートの法面、そして右上には分岐で分かれた道路が合流した。
これは帰りに道路上から撮ったもの。矢印のところで軌道跡が途切れていた。
高巻きして河原に出ると堰堤の上流の対岸に石垣を発見した。橋で川を渡っていたようだ。
程なくして軌道跡は上の道路から河原に降りる道に呑まれて消失した。しょうがないので、ここからは道路を使って上流部を目指すことにする。
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