人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

尾上郷森林鉄道 第四話 (第一次探索完)


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最初の谷まで戻ってきました。ちなみに親柱をチェックすると”こくろだにばし”の名が。支線があった大黒谷と対になっているようで覚え易い名づけ方だ。しかし ”小” 黒谷といっても、そう簡単に降りられる高さではない。真下へそのまま降りられれば楽なのだがちょっと難しそうだったので谷の奥へ入っていく踏み分け道に足を踏み入れる。f:id:msx4:20190728125609j:plain

 そして適当なところで下降開始。下の方が崖状になってないか見極めながら河原に降り立つ。やはり現行の林道までかなりの高さだ。

 

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おわかりいただけただろうか。下流側を見ると遺構が確認できるが、それをつなぐ路盤は跡形もない。

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 高さからして路盤の下の石垣だろうが、上が完全に埋もれてしまっている。

 

f:id:msx4:20190728203909j:plain橋台。石垣の石が周囲と同じ?でなおかつ半ば埋もれているのですごく分かりにくい。

 

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 さて、おまちかねの隧道だが、ここで足が止まった。崩れてしまったのか桟道だったのか、えらく足場が悪い。だがここまで来て撤退の二文字はない。

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しかも向こうの景色が見える。貫通確認! 地形からして分かっていたがかなり短いようだ。

 

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最後は隧道がある斜面に飛び降りて何とか到着。かなりの急斜面で、下を見るとそのままの角度で水中に消えている。 

 

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半ば埋もれた隧道と突き出たレール。 これは良いものだ。

 

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坑口までよじ登った。なんとかそのまま 入れそうだ。

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ふと、振り返るとコンクリートの橋台が見えた。どうやら隧道を出てすぐに橋があったようだ。ふむふむなるほどこの地形は元からかと納得した所で隧道に突入した。

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 特に変哲もないコンクリート隧道だ。f:id:msx4:20190730151040j:plain

 振り返って鉄板の構図。f:id:msx4:20190730151456j:plain

 さて出口はと・・・微妙に下流側より狭いので岩をどかして隙間を広げる。

 

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路盤のろの字もない。完全に埋もれてしまっている。 

 

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 這い出てきた坑口もほとんど埋もれて、しかも上に灌木が茂っている。こちら側のほうが林道からは安全に来れたが、坑口が埋まってると勘違いしたかもしれない。しばらく路盤の続きも探してみたが特定することは出来なかった。撤収だ。

 

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 結局、当初の目的は果たせなかったが、それを上回る収穫があった。ちょっと浮かれた私はそのまま車に乗り込んで帰路につき、車に立てかけてあった杖を忘れてきてしまったことに気がついたのは家に戻った後だった。なんてこった。

 

 

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