峠まで戻って来た。時間はまだ余裕があるので引き続き本線を探索続行する。
前回足止めを食らった崩落をかわすため、尾根道を通って崩落の向こう側を目指す。
流石に見晴らしがいい。いい景色だ。
たまに小ピークを迂回しながら進む。が、登らずに済む方が楽そうに見えたが、斜面をトラバースするのもどっこいどっこいだったりする。
崩落を越えるとしか考えてなかったが、かなり登ったため路盤の高さまでなるべく安全に降りられそうな場所も考慮に入れなければならなくなった。
ガソリン缶やワイヤーが落ちている。
尾根沿いに唐突に植林帯が現れた。昔はこの山はどんな姿をしていたのか。
一升瓶。
なだらかな傾斜から谷になっていく場所があったのでそこを降りていくことにする。
10分ぐらいで林道に降りることができた。
林道の前後を見渡すと崩落や斜めに積もった土砂など結構荒れた状態だ。
終点に向かって滅多に人が通らないだろう道を歩き始める。
きれいなところはきれいなんだが。
!? 道が急に登り坂になった?
と思ったら くの字状にターン?
また曲がって終点方向を向いた。いびつなℤ字のカーブだ。なんだ?てっきりこの道が軌道跡を改修したものだと思っていたが違うのか?この時点で軌道跡を見失っていることを自覚した。この最終的な直線が軌道跡かとも思ったが、ここにつながる平場などは見つけられなかった。
終点までは1km無いようだったが
写真では分かりづらいが、この先の道の傾斜と荒れっぷりに怖気づいた。加えて時刻は3時になろうとしていた。とある1件以来暗くなる前に帰還することを誓っていたので、ここで撤退することにした。
林道から尾根まで登り、また縦走するのかとうんざりしたとき、単純な答えを思いついた。「ここから降りればいいんだ。」
という訳でショートカット。
鉄塔を目標に駆け下りた。
かなり早く登山道部分まで戻ることができた。ちらりとここを登るルートも考えたが、下りはともかく上りは自分の体力的に厳しそうだ。
最終的な踏破箇所はこんな感じ。ぶつ切りだが個人的には満足したので良しとする。
八重地地区の遠景。この土地のそう古くない歴史の隅っこを辿らせてもらったが、楽しませてもらいました。
ここからはおまけ。八重地トンネルを抜け、那賀町に入り山を降りていくと川にぶつかる。
そこに大轟の滝という大きな滝がある。
道路はつづら折りでこの横を登っていくのだが、それとは別に滝の横を通る遊歩道がある。それがこれだ。
崖っぷちを鉄橋や片洞門で通る見事な遊歩道だ。
実は大轟の滝から上流の神影神社のあたりまで(写真)古地図には林用軌道のマークが記されているのだ。そして滝の上まで軌道で運んだ木材を下流へ降ろすための木馬道がこの遊歩道の前身らしい。と、どこかで聞いたか見たと思ったのだが思い出せない。間違ってたらすいません(笑)
最後にこの軌道で1番印象に残っている起点の写真を貼って締めとする。
八重地土工森林組合林用軌道(完)