2月末に異動のため引っ越しをすることになったが、どうせならと通り道の荘川、というか尾上郷に寄っていくことにした。確かこの時期になると雪解け水の流入に備え御母衣湖の水位が下がり、尾上郷森林鉄道の貯木場が姿を現すと教えてもらったことがある。運がよければ見えるだろうと、ついでに小黒谷の隧道を見に行くことにした。
という訳で林道の入り口についたが、ご覧の通り厚い残雪に覆われている。が、あらかじめこのことを知っていたのでぬかりはない。
スノーシュー装着済みだ。どうでもいいが福井のスポーツショップで最初かんじきありますかと聞いたら店員のねーちゃんに通じなかった。なしか。(大分弁)
で、肝心の水位だが下がってはいたが貯木場が姿を現すほどではなかった。それでも通常時に比べれば低いので今まで見れなかった景色が拝めそうだ。
とりあえず隧道を目指して林道を歩き始める。
いつもならこのあたりもダム湖の一部と言う感じなのだが、だいぶ水位が下がっている。
林道から覗きこんでも軌道跡がはっきりしない。
対岸に橋台らしきものが見え一瞬ドキッとしたが、どうやら自然石のようだ。
ようやく小黒谷へ到着。橋上も厚く雪が残っている。
一番右の木の下に雪に埋もれた隧道の坑門がちらりと見えている。しかし水がないと意外と高い場所に軌道があったことが分かる。
訪問して 一番水位が高かった時の写真。(2019年10月)全然別の場所に見える。
それでは隧道の中へ・・・といきたいところだが、さすがに今回はあきらめた。
さて、水が引いた軌道跡はどうなっている?
橋から少し戻ったところで降下する。雪が積もっていて分かりずらいが、ここは路盤の石垣が露出している。
崖の真ん中の雪が積もった場所が軌道跡。
レールが見える。
さて、下流はどうなってる?
このあたりは 形ではっきりと軌道跡と分かる。
ここも石垣が露出している。なぜだろう?石垣があると雪が溶けやすい?
しかしその先は完全に路盤が消失している。普通の斜面だ。
さっき林道上から見た対岸は平地が広がっているが、川幅がちょっと広いので渡っていたとは思えない。
やはりこちら岸か。しかし・・・
路盤など影も形も・・・
残って
いた!ほんの少しだけ石垣が残っている!
それ以外は何も見当たらない。埋まったり浸食されたりしてあとかたもない。
その先は・・・いや、まさか・・
あったよ石垣!ほんの、ほんの少しだけ残っていらっしゃる。
ということは、まさかと思ったが、なんとなく1本の線に見える地形が軌道跡で間違いない様だ。
これ以上は無理。夏ならまだしも今、川に墜ちたら命にかかわるのでここで撤収。それにしても石垣が残っていなかったらとても軌道跡とは思えない荒れっぷりだ。この先の貯木場までの軌道跡も似たような状態だろう。しまった。降りられなくても尾神橋から見てくりゃよかった。
尾上郷森林鉄道 12 ダム湖に沈んでいた軌道跡 完