久原鉱業所の木材搬出用軌道 FILE 0 - 人生崖っぷち(物理)
2年ぶりの続きです。
最初の訪問から7カ月後の2018年9月、再び小渋川を訪れた。今回の目的はまず軌道の起点を探すことだった。
その前にこの軌道の簡単な説明をすると
奥地==(トロッコ軌道)==部奈地区(起点)ーー(索道)ーー上片桐駅(飯田線)付近
というふうに木材を運んでいた。
このうちの部奈地区にある起点を探してそこから軌道跡をたどるつもりだったが、車で集落内の狭い道を走るのが不安だったため、対岸から橋を渡って部奈地区、あわよくば直接軌道跡へ行けるかと目論んでいた。が、入口にチェーンが。通行止め?
橋が無い。なんだこりゃと思ったが事実は変わらない。そして水面からの高さにも驚いた。低い。流されたのか、それとも外したのか?地理院の地図には載っているのに。
水深はそんなにないはずだが、この濁った水を渡るのは流石に躊躇した。一旦計画の練り直しだ。
気分転換を兼ねて小渋ダムまでくると派手に放水中。そりゃ水が濁ってるわけだ。
2月と比べると全然違う風景を見ながら小渋ダムで思案中。
雪によって描かれた驚愕の光景も今は緑で塗りつぶされている。
結局、車で部奈地区に入ることにした。写真の2車線の道を左折する。
細い道に入り込んだりしたらやだなぁと思いながら集落内へと入っていく。
なんとか車を駐車して集落の端のほうまで来た。写真のアスファルトの坂を下っていくと先ほどの消えた橋へと通じている。だが気になったのは正面の未舗装の道だ。
ネットと崖に挟まれたスペースを辿っていく。
急な下り坂となって川へと降りていく。
川が見えてきたあたりで道の横に石碑が立っているのが見えた。墓じゃないよな。
馬頭観世音の碑だ。ということはこの道は由緒正しい古道らしい。
しかし肝心の軌道跡はまったく見当たらない。最初は崖沿いに軌道が通っていたと推測していたがどうやら違ったようだ。ならば集落の中を走っていたのだろう。
集落の端に沿ってぐるっと移動する。
部奈地区内を覗きこみながら軌道跡を探してみるがそれらしきものは見当たらない。。
道がある!が、なんか違うような・・・
場所的に軌道はこのあたりを通っていたと思われるのだが痕跡らしきものはなにもない。
困ってうろうろしていると集落の方に声をかけられた。妖しいものじゃありませんと理由を説明すると、なんと軌道のことを知っておられた。聞いてみると詳細は後ほど述べるが整地されて軌道跡は消えてしまったようだ。なるほど、この辺を眺めていても分からない筈だ。
それで軌道は?と聞いてみた。軌道が続いているはずの東側は写真のように木と藪が生い茂っているので皆目見当がつかない。
「そこだよ」・・・・・・・・・・・・・分からんわそりゃ
久原鉱業所の木材搬出用軌道 FILE 5 へ続く