切通しから下流方向に歩く。正面には稲又林鉄の路盤を転用した車道が見える。
その車道と河原の中間ぐらいに、途切れ途切れのラインが見える。切通しから続く軌道跡、そして稲又でも屈指の難所のひとつだと思っている場所だ。場所が場所だけに土石流の影響はないが、8年ぶりの現状を確認しに行く。
1枚目の写真の左側の木が茂っているあたりは多少傾斜が緩やかなのでそこからアプローチする。木々の間の水がない谷を登っていくと・・・
こんなところにレールが落ちている!これは今まで知らなかった。
レールの継ぎ目板が付いてたりするので、本線から災害などで流されてきたものだろうか?
黄線の位置が軌道跡。橋台はないが、路盤が少しだけ残っている。赤線は車道の橋だ。
しかしわずかな軌道跡を外れると、ご覧の通りの急斜面が広がっていた。崖ではないが一度足を滑らすと滑落しそうな角度だ。しかも正面に存在するはずの路盤の続きが見えない。杖で地面を突いて足場を作りながら1歩1歩慎重に進む。
急斜面を越えると視線の斜め下のほうに復活した路盤を見つけることができた。上にずれて進んでいたようだ。
軌道跡に到着した。
河原から見えた断崖絶壁の中腹だ。
久々の断崖片洞門だ。
前方がなにやら怪しい・・・
路盤がすぼまっている。ちょっと怖くて越えられそうもない。無理せずこれ以上の前進はやめておく。後で写真を確認したが、以前より少しだけ崩落していた。前回はここを越えたのだが。
前方をよく観察してみると上は片洞門で下はオーバーハングになっている。ほんとによくこんなところを穿ったものだ。
いい景色だ。(帰り道を現実逃避)
ガラス片が落ちていたが当時のものかは分からない。
片洞門の天井、とかニッチすぎる需要か。
帰路につく。こちらからはわずかだが踏み跡があり、比較的楽にに安全な斜面まで抜けることができた。さっきの苦労はいったい・・
斜面を直登して車道に復帰。
ついでに片洞門の反対側からも回り込んでチラ見してみる。
うん。本気出さないと無理。ここまでにしよう。
探索を終えて雨畑の温泉のそばまで戻って来た。吊り橋のあたりもすっかり埋もれてしまっている。
こんな以前の姿をまた取り戻して欲しいものだ。
稲又森林鉄道支線再訪 完
しばらく出張が断続的に入るかもしれないので次回は未定です。