いつかは忘れてしまったが、ネットサーフィンをしていてたどり着いたひとつの記事。そこには谷の片隅に開いた隧道の写真が載っていた。そちらのサイト、元島根県民のお部屋のトリ氏が執念で探し当てたその隧道は後の机上調査によって木馬道の隧道である可能性が高いと結論づけている。レアものだ。見たい。入りたい。が、流石にちょっと家から遠すぎる。気力と財力と休暇と気候とコロナといった条件をクリアして突貫したのは今年の3月後半であった。
ここは島根県雲南市の山の中。集落を過ぎると人家の無い川沿いの道を進んでいく。
川沿いの空き地に車を停める。目的の谷はすぐそこだ。
右に行く林道ではなく黄線の矢印が谷への入り口となる。林道のことはこの時点では気にも留めなかった。
草は季節のせいでそこまで茂っていないが、落石もごろごろしていて荒れている。
路面もぬかるんでいる場所があったが、雪寒地用長靴を履いているので問題なし。
ふと右上の方が明るく開けているように見えた。林道があるようだ。
・・・・・まて、トリ氏が探索した2017年に林道なんてあったか?
たしか記事には林道なんて触れられていないし、だいいち現行の地理院地図にもそんなものは載っていない。なにか漠然とした不安を感じたが取りあえず前進する。
谷の向かい側に本流と垂直に交わる小さな谷が見えた。道のような平場が見えたが、あれも木馬道の跡だろうか。
土橋?を渡って左岸から右岸に。
右岸から左岸にまた土橋で戻ると
ここから更に道は細くなった。木馬道らしい幅だ。
しかし少し開けた場所に出た後、道が消えてしまった。前方の谷間の斜面に平場は見えない。記事ではずっと木馬道が続いているはずなのに。
認めたくはなかったが頭上の林道工事で埋まってしまったのか・・・
探せばもしかしたらまだ木馬道は残っていたかもしれないが、あくまで目標は隧道。木馬道を諦めて林道に上がり奥に進む。
隧道疑定地の谷まで来たが林道が谷を跨いで入口を埋め潰している。しかも・・・
こんな小さな谷まで何故作業道をつくるのか。
木馬道ではない。どう見ても重機が入る作業道のようだ。
隧道疑定地が近づいてきた。まさかと思うが隧道は・・・
坂を登り切って視界が開けたが、先細った谷のどん詰まりという感じではなかった。
作業道は左へ折り返して更に上へと向かっている。この谷間が終点じゃないのか。
その作業道の向こう側、浅い谷間にぽっかりと黒い闇が浮かびあがっていた。
岩国と雲南の木馬道隧道 その3へ続く
隧道を発見された元島根県民のトリ( ・∋・)様に感謝を込めて。