人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

手彫りのトンネル その2-1 丹生谷の吊り橋50選より

一つ目のトンネルからしばらく西へ車を走らせて木頭出原という場所に移動する。地図によると国道から那賀川をはさんで対岸の川島地区に2つ目のトンネルがあるようだ。

 

探索の前に街中で小洒落たコーヒースタンドを見つけて一服。

Coffee Stand Tanizaki というお店。しばし本格的なコーヒーを優雅に楽しむ。

車を川沿いに停めて出原橋を渡る。正面に見えるのが川切地区で、そこから坂を登った川島地区が目的地だ。

きれいな川だ。風も気持ち良い。

でも無意識のうちに川岸になにかないかチェックしてしまう(笑)

坂を上ると平地が広がっていた。川島地区だ。

地理院地図には正面に見える尾根を斜めに越えていく破線道が描かれており、表記はないがトンネルはそこだと思われる。写真の小道がその道のようだ。

坂を登っていく。

川島地区の全景。

やがて道は小さな広場にたどり着く。用途不明のコンクリート構造物に石碑と石仏。そして右には・・・

出た。吊り橋50選の小さな写真でも充分なインパクトがあったこのトンネル。五角形の断面を持つ観音掘りのトンネルだ。

残念ながらトンネルはその運用を終えていた。

入口付近は巻立てされて奥は素掘りと、少し古いトンネルなら珍しくない造りだが、横は石垣が綺麗に荒く並び、頭上はセメントか?三角屋根を形成している。トンネルの専門じゃないのではっきり言えないがかなり珍しい造りじゃなかろうか?

石垣からむにゅっとはみ出たセメント。これを造ったのは専門家ではない?

中心部の素掘りゾーンには鉄骨、パイプ、金網で支保工が。それと壁面は完全な素掘りではない?そして辛うじて見える出口の光。右にカーブしているようだ。

入口の横には岩屋に安置された石仏が1体。多分如意輪観音だと思う。

そして石碑は”墜”道完成記念碑だった。昭和二十二年一月十二日 最後は着工か?昭和二十三年二月十日 読めない(笑)。そして左には工事委員、五人の名前、最後に川島部落と刻まれている。このトンネルは一年ちょいかけて川島地区の人たちが掘ったということだろう。

 

   手彫りのトンネル その2-2 丹生谷の吊り橋50選より に続く

 

参考文献 丹生谷の吊り橋50選 製作:地域再生塾丹生谷応援団 徳島大学地域再生