右岸の斜面を登りながら左手の山の方へ進んでいく。地形図を見ていて気になった谷が目標だ。
ごつい大岩が鎮座している。下流ではもっと大きい岩がごろごろしていたのに、これひとつしかないとすごく目立つ。
その大岩の向こうに浅い谷間が広がっている。
何の変哲もない谷間だが・・・
草のない斜面が上に延びているここはただの枯れ沢にも見えるが、地形図を見てここに修羅(斜面に丸太や木の皮を敷いて木材を滑り落とす運搬手段)みたいなものがあったのではないかと予想したのだ。軌道跡が見つからないので代わりに何かないかという邪念も混ざっているが(笑)
谷の下側に転がっていた朽ちた大木は上から落としたようにも見える、が、実際のところは不明。下流のように索道使ってるなら修羅は使わないか?勉強不足だ。
とにかく、思いつきの好奇心を満たしたので撤収。これから出発点に戻って林道まで登るという大仕事が待っている。
その前に確認することが一つ。最後に確認できた路盤っぽい道の未踏破部の確認だ。写真は第4の渡河地点を反対から。
前話で最初に見つけた石垣の場所を過ぎて道を下流方面に向かう。
軌道だとすれば充分な広さだと思う。
所々荒れてはいるが、緩やかな勾配は軌道の条件を満たしている。
川面からはかなり高くなっている。いったいどこに行くのか。
しかし唐突に平場は終了していた。前方は普通の斜面でなんの痕跡もない。何の脈絡もなく終わってしまうとか勘弁して欲しい。
真下に斜面を滑り落ちてみたがでっかい金属製のバケットみたいのがあったぐらいだ。
木材や木の杭があった3カ所目の渡河地点(黄丸)はここより更に下の方だ。ここの上が軌道跡ならばどうやってあそことつながっていたのだろう?
3カ所目の渡河地点まで戻った。
岸で見かけた苔むした木片はよく見るとボルトがささっていた。
更に下っていく。この辺ももし軌道が通っていたならつづら折りにでもなっていたのか。
2度目の渡河をした場所まで戻って来た。
疑惑の軌道跡?の上に登って上流を眺める。結局ここが軌道跡という確たる証拠は見つからなかった。あるいはもっと上流なのだろうか。
朝は眺めただけだった道を辿ってみる。ここは軌道跡ではなくて木馬道なのだろうか?
しかしそれにしてもここで道が終わっているように見えるのは謎だ。ここが木馬道にしてもまだ下流に材木を運搬しなければならないからだ。すぐ下流で見つけたような索道がここから延びて
「 」(絶句している)
苧生茂(おいも)谷の林用軌道 8へ続く