一休みを終えて
3本のレールが残る斜面を登っていく。
下の林道=閏滝インクラインの下から高度は400mほど登っただろうか。疲れた。しかし当時は丸太載せたトロッコを降ろしていたのだ。すごいとしか言いようがない。
見上げると前方の景色がなんだか狭まって見える。
今度は堀割りだ。
さっきの切通しより浅いが、数十mの長さがある。
上から見下ろす。彫刻刀の丸刀で削り取ったみたいだ。
堀割りを抜けると、また左に傾いた斜面になる。レールは健在。
枕木だ。
まだ3本残っていると思っていたら
いつの間にか2本になった。
少し左に傾いた斜面を残りのレールは登っていく。
左端のレールは傾斜側だったので、木製桟橋の崩壊とともに最初に外れて転げ落ちてしまったのだろう。
そして残りのレールも姿を消していく。
右からきた尾根に突入した辺りでレールは完全に消えてしまった。
振り返って。
更にこの辺りから熊笹が増えてきて遺物が見えにくくなっていった。
と思っていたら右側の斜面に外れたレールが見えた。
尾根を斜めに横断して右側の斜面を登っているようだ。
はっきりとはしないが、木材が転がってる辺りだろう。
尾根からインクラインのおおよその位置を推測しながら登っていたが、尾根自体も自然に無くなり、普通の斜面になっていった。そして・・・
前々回にインクライン上部だと推測していた林道下の平場に到達した。やはりここで合っていたのだ。ここが上部軌道との接続地点なのだ。
田立森林鉄道の2段インクライン、踏破完了!
平場のすぐ下のボルトが刺さった木材。これがインクラインの一番上の遺物で、その位置を示していた。
これが上から見下ろした前沢インクライン。この前来た時もそうだが、これじゃ見下ろしただけでは分からない筈だ。
林道=上部軌道(?)に登る。全てとは言わないが、現林道とずれている場所があるのではと疑っている。なんとなくだが。
実は近くに後年造られた新インクラインがある筈だが・・・まあ、また今度だ。
カモシカやガードレールを見ながら林道を下っていく。
2時間強かけて駐車地点に帰還した。
2015年の初アタックから10年。実に長くかかったものだ(笑)
田立森林鉄道のインクライン11 (完)