人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

2022-01-01から1年間の記事一覧

2022年を振り返って

今年度の記録。 和歌山県古座川町の(廃)水路橋。この近辺はまだまだ発掘のし甲斐がある。 島根県雲南市の木馬道隧道。遠かったがようやく行くことが出来た。 岐阜県高山市の尾上郷森林鉄道貯木場。ダム湖に沈んでいるからこそ保存状態が良い。 下呂の本谷森…

月の詰め合わせ

天候によりちょっと気力と体力が削られたのでおいも谷の続きはお休みさせて頂きます。代わりに小ネタを。 静岡県浜松市には月という地名がある。月地区には名前の由来の石碑が建っているが諸説あるらしい。 月橋。月地区に架かる橋。ツキ・ブリッジとなって…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 3

前回は踏み跡を辿っていったが、今回はレールを探しながらなるべく川辺を歩くことにした。本日2本目。 もちろん軌道跡も探していくのだが、経験からすると、流されて川に落ちているレール=川沿いの路盤や倒壊した橋脚から落ちたり外れたりした可能性が高い…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 2 

横にそびえる絶壁。見上げた限りでは軌道跡は見当たらない。 道なき道を前進する。 対岸も白い絶壁がそそり立つ。こちらも軌道跡らしきものは確認できない。 川も小さな滝を造りながらどんどん高度を上げている。 歩いている道はたまにささやかな石垣が組ま…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 1

2022年9月の早朝、苧生茂谷を国道より望む。第一回目のアタックだが、今回はどちらかというと偵察の意味合いが強い。まずは渡河にどれぐらいかかるのか。谷の実際の様子。そしてできればレールなどの遺物の確認。 最終的な目標は軌道の路盤を確認するこ…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 0

岐阜県飛騨市神岡町から南東へ国道471号線を高原川沿いに進むと、金木戸森林鉄道を始めとするいくつかの軌道跡が存在するが、国道の対岸の谷に民間の軌道があったと、とあるtwitterの書き込みで知った。ネットでは軌道で検索してもヒットしなかっ…

気田森林鉄道8 門桁地区対岸区間 後編

沢に出たが河原にいろいろ転がっている。 四角いコンクリートの橋桁と橋脚の一部?らしきもの。それとレールも見える。 木橋よりは頑丈でも橋脚や橋台が壊されてしまってはどうしようもない。 余談だが、反対側の路盤に登るとなぜかそこだけ今も整備されてい…

気田森林鉄道7 門桁地区対岸区間 前編

気田森林鉄道 1 https://blog.hatena.ne.jp/msx4/msx4.hatenablog.com/edit?entry=10257846132625394285 ただ今静岡県浜松市春野町の春野歴史民俗資料館で来年の2月25日まで特別企画展 「春野の近代化遺産 気多森林鉄道」をやっております。というわけで…

布川橋 後編

この道はダム湖畔にあることからダム工事用かメンテナンス関係のものなのか?それとも林道なのか?橋のたもとの崩落が道の命運を断ったと思われるが、実際に使用されたのか? まあとりあえず、道があった→進む。と、何も考えずにシンプルに行くことにする。 …

布川橋 中編

これが例の橋か。思った以上に大きかった。そして泥。 木々の隙間から見てみると、どうやらトラス橋のようだ。 名前は”ぬのかわばし”。 竣工は昭和43年12月。両親柱とも頭がガリガリ削られていて年代を感じる。 親柱の横にも転落防止の・・・名前なんで…

布川橋 前編

出典:国土地理院地図(電子国土web) 岐阜の高山市から長野の木曽へと抜ける国道361号線は途中でいくつかのダム湖をかすめていくが、そのうちの一つ高根乗鞍湖の南端(上流部)に林道の物と思しき橋が架かっているのが地理院地図で確認できる。が・・・ …

下仁田森林鉄道 軌道跡 その3

少し分かりにくいが手前の地面と石垣から沢を渡って向こう岸に垂れたレールと正体不明の”?”。そして本流との出合いにも石垣が見える。 沢を渡る。レールの上に生えているように見えるこの木はもともとどこに生えていたのだろう。 石垣の断片に見えたものは…

下仁田森林鉄道 軌道跡 その2

石垣の一部が崩落している。が、通過する分には問題ないレベルだ。 抜けた先は路盤が完全に消滅していたが、傾斜は緩いのでここも普通に通過する。 砂防ダムが出現。しかし復活した軌道跡はぎりぎりその上を越えている。 レールは載っていないが枕木が残って…

下仁田森林鉄道 軌道跡 その1

直近の探索が情報不足と接近困難でくすぶっているので昔の探索を引っ張り出しました。古道もいいがやっぱり(林)鉄分をしっかりとらなければ・・・ ここは群馬県上野村の奥神流湖。2013年なのでもう9年前になる。 神流川上流域の木材の搬出のために敷設…

宣旨帰り 2

下に向かってどんどん降りていったが、石段が無くなると多分こちらが道だろう、というレベルになった。踏み跡と草むらと岩場を踏み越えていく。 視界が開けて川面がだんだん近づいてきた。正面を見ると垂直の岩壁がそそり立つ。 ここか! 草のせいで分かりづ…

宣旨帰り 1

ここは三重県の熊野川、対岸は和歌山県だ。以前、この熊野川の左岸に古道の難所が現存しているとネットの観光案内で見てから一度行ってみたいと思っていた。しかし、いくつかのサイトには平成23年の水害により通行不能とも書かれている。現状はどうなってい…

越中中街道 割石橋付近 3 (完)

このあたりの地面は苔むしているため、いかにも古道という雰囲気がする。 看板がある。 巡視路の標識。形を変えながらこの古街道が現役である証拠だ。 大きな沢に出た。ここには鉄橋が架かっている。 先程の沢と違って水の流れがある。 橋の向こうに街道は続…

越中中街道 割石橋付近 2

蒸し暑い空気の中、カメラとスマホのみを持って歩き始める。 初めて見た下からの割石橋。 目印らしきテープの下には石仏と・・・花!?こんなところにお供えもの? (後で写真を確認したら造花のようだ) 危惧したよりもしっかりと踏み固められ、地面が露出…

越中中街道 割石橋付近 1

ここは岐阜県飛騨市神岡町の割石。廃道サイトの山さ行がねがで紹介されて有名になった割石の髙崖という断崖古道がある場所で、私もその旧道についてのレポート を以前掲載している。写真の風景は割石橋上から北を向いたもので、橋を渡ると割石の集落があり、…

手彫りのトンネル その3 木馬道隧道 丹生谷の吊り橋50選より

最後の1つは以前よりネットでその存在を知っており、他の2つの前に探索済みであるそれは木馬道の隧道だ。写真は長安口貯水池のほとり。 この左手の山の稜線に木馬道の隧道があるわけだが、本来の道筋を下った場所が私有地というか人家があるので別の場所か…

手彫りのトンネル その2-2 丹生谷の吊り橋50選より

石碑、石仏、古隧道。見事な3点セットである。 さて、残念ながら通り抜けられないので山を越えて反対側を見に行くとしよう。 地図には載っていないがトンネルの広場の向こうにも道が延びていた。こちらの方角に尾根越えの車道があるので、この道をたどって…

手彫りのトンネル その2-1 丹生谷の吊り橋50選より

一つ目のトンネルからしばらく西へ車を走らせて木頭出原という場所に移動する。地図によると国道から那賀川をはさんで対岸の川島地区に2つ目のトンネルがあるようだ。 探索の前に街中で小洒落たコーヒースタンドを見つけて一服。 Coffee Stand Tanizaki と…

手彫りのトンネル その1 丹生谷の吊り橋50選より 

2020年に四国の徳島を徘徊していた時、よくある観光案内のパンフレットのコーナーの中に” 丹生谷の吊り橋50選 ”という案内絵図を見つけた。地域再生塾丹生谷応援団が平成22年製作とあり、徳島県那賀町を流れる那賀川とその支流の吊り橋が地図と写真…

立合川の木馬道 後編

日当たりのせいか知らないが、なぜかこの辺だけ羊歯が茂っていた。 この渓谷にもようやく朝日が差してきた。 カーブだと石垣がよく見える。 この道の見どころは間違いなくこの石垣たちだと思う。 それと、仮設橋が設置されていなければ奥に進むのは簡単では…

立合川の木馬道 前編

奈良県十津川村と和歌山県十津川村の境を流れる立合川(新宮川の支流の北山川の支流)をまたぐR169の立合川橋。2012年12月には写真のように鉢巻きを巻いたイカした熊が出迎えてくれた。 この立合川沿いに木馬道があるとネットの記事にあったので見…

上北山村の対岸歩道 4(完)

石垣状にした法面工事が施されている。それはいいとしてビニールネットはなんのために張ってあるのだろう?落石や獣用でもあるまいに。枯れ葉除け? だんだんダム湖っぽくなってきた川面。 探索用の杖の素材が大量に!でも残念ながら諦めるしかない。 もはや…

上北山村の対岸歩道 3

足早に先を急ぐ。幸いなことにこの後はヤマビルは少なくなっていった。 しかし歩道とはいえ、このように岩壁を削って道を造るのはかなりの土木工事だと思う。 おおっ!片洞門、というかオーバーハング? 削ってるから片洞門であってるのか? 更に進むと 吊り…

上北山村の対岸歩道 2

道は川岸の斜面と杉の植林帯に挟まれて始まっていた。 入口に表示されていた労務対策道だが、労務とは一般的には企業における労働に付随する関連業務全般、即ち事務処理や管理業務を指すとされており、そのための道・・・書いててなんだがよく分からなくなっ…

上北山村の対岸歩道 1

今回は普通の道の話です。 奈良県の南部を流れる北山川沿いを北上していた時のこと。道の駅や上北山役場がある河合集落の少し手前あたりで国道169号からふと対岸を見ると・・・ 道が見えた。 木々の隙間に所々鉄板を渡した歩道と思しき小道が対岸を走ってい…

尾上郷森林鉄道16 尾上郷貯木場その3

ここは工場だと思われるのだが、平面図があっても今一よく分からない。 つるはしだ。漢字だと鶴嘴。フィンランド語だとHakku。ドイツ語だとSpitzhacke。 いろいろと見えるが現地では一律に建物の跡ぐらいとしか分からないのであまり興奮しなかった。枕木が残…