人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

2023-01-01から1年間の記事一覧

割石の裏髙崖6 (終)

富山市内から冬の北アルプスを望む。県外から引っ越してきた自分にとっては絶景である。これから赴く場所はこれほど雄大ではないが、小さくても険しい場所だ。 割石集落の南にある岩壁の上を行く古道であり廃道でもある断崖の道。以前、途中で撤退したこの道…

赤谷の林用軌道を探す 2

路盤が狭い。水路の大部分は土管やパイプのようだが、それらを通すだけの幅しかない。 軌道跡を水路に転用した、と思い込んでいたのだが水路の幅しか岩を削っていないのなら軌道跡の転用ではありえない。ここだけ空中に桟橋が張り出ていたというなら別だが。…

赤谷の林用軌道を探す 1

これまでレポートしてきた飛騨の苧生茂谷の林用軌道。しかし、その隣の谷にも軌道があったという。谷の名は赤谷。具体的な資料はなにもなく、詳細な位置もわからない。取り敢えず行ってみた。 赤谷と高原川の出合い付近に橋はないので、まずは苧生茂橋を渡っ…

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 9

大変大変お待たせしました。雪が積もる前にいろいろ突貫。 だいぶ開いてしまったのでその8のLINKを貼っておきます。 苧生茂(おいも)谷の林用軌道 8 - 人生崖っぷち(物理) 二個目の車輪発見の興奮も冷めやらず路盤に上る。 見ての通り細い踏み跡が続いて…

八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2023 その5

稜線に足を踏み入れて辺りを見渡す。細い踏み跡が左に伸びていたのでふらふらとそちらに行きそうになるが踏みとどまる。路盤はどこだ?よく見て、考えろ。 赤い線の軌跡が通ってきたルートで、これから緑のラインのように斜面を下っていく筈だが・・・稜線へ…

八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2023 その4

川から這い上がった地点まで戻ってきた。ここから起点に向かって未踏破部分を進む。 上流部分は比較的しっかり路盤が残っていたが、こちらはどうだろう? 先が見えないカープを曲がる時いつも胸がドキドキする。不正脈かな。 苔むした倒木や岩が目立つ。 苔…

八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2023 その3

川上へ向かって歩き始める。レールや枕木は見当たらない。 路盤がしっかり残っていると思ったら・・・ あっという間に跡形も無くなってただの斜面に。 だが、そこを抜けると安定した路盤が復活した。 でっかい落石が鎮座しているのは、分かりにくいが炭焼き…

八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2023 その2

ゲートを越えて歩き始める。多少落石や倒木があるようだ。 多少じゃなかった。崩落地点では大きな石がごろごろ転がっている。はるか手前で通行止めになっている以上、奥地も整備されていないので仕方がないが。 この辺まで来た。ぐるりと周って再び川上へと…

八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2023 その1

9年ぶりの南牧村だ。ちょうど鉄橋を小海線が通り過ぎていった。 国道より湯川の上流の山並みを望む。今回の目標は林道沿いから外れた部分の軌道跡を見つけることだ。まずはその分岐まで林道をひたすら進むことになる。 営林署の看板も久方ぶりだ。 湯川と小…

八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2014

長野県南佐久郡南牧村にある湯川渓谷には林用軌道が走っていた。トロッコ復元活動で有名な八ヶ岳森林軌道とは別物だ。2014年に長野方面で行った探索のひとつである。それと有名な歩鉄の達人氏がレポートを記している。 営林署の看板。といってもこれは軌…

十二町潟横断橋

仕事の疲れとネタ不足でしばらく更新を不安定になります。でも1週間にひとつはUPしたい。という訳で今日通りかかって見つけたものを。 ずばり、タイトルの十二町潟横断橋。なかなかインパクトのある外見だ。 富山県氷見市の十二町潟の公園に架かる歩道橋で…

水路橋 4 混凝土 廃、休

久野原水路橋(仮) 和歌山県。 国道を走っていて二度見した物件。対岸の斜面を通るコンクリート水路橋群。見た目の通り古くは無いが、最初はモノレールでもあるのかと勘違いして興味を持った。 少し上流で川に流れ込む沢の奥から水路が引かれていた。 水は…

舳倉島散策

日本海に突き出た能登半島。その先端に近い輪島市から更に50km北に位置する孤島、舳倉島。そこに行ってきた。せっかく北陸にきているのだから変わったところに行きたいなと、安易な考えである。日本海の孤島へ優雅なクルージング。そんなことを考えていた…

水路橋 3 石 廃・休

黒河発電所の水路橋 福井県。 上部の石垣は欠けており 袂の部分も土が流れ隙間が出来ているが アーチは完璧だった。 見事なものだ。 上に登ってみると 橋上は荒れ果てており、水路の両壁が無くなっているが 石積みの隧道が正面に口を開けている。(中間部は…

水路橋 2 現役 石

超有名物件しか写真がありませんでした。 明正井路一号幹線一号橋。 大分県竹田市。今回はすべてここ。 土木遺産に登録されている。 6連の石アーチで車道と川を跨いでいる。 全長とアーチの数が日本一の石造り水路橋。 具体的に言うと札幌市役所本庁舎を横…

水路橋 1 現役 コンクリ

疲れがとれないのでテーマに沿ったお手軽シリーズを。お題は水路橋。 跡曳水路橋。 富山県。黒部渓谷のトロッコ列車の車窓から見える。さすが黒部と言いたくなるようなすごい場所にあり、川からの高さは渋谷109に匹敵する。 柿其水路橋。 長野県。柿其渓…

岩井寺隧道 (静岡県)

静岡県の遠州地方は素掘り隧道が多いことで有名だが、ここ掛川市には煉瓦隧道の逸品も存在する。それがこの岩井寺隧道(がんしょうじずいどう)だ。 土木遺産としては一級品で、ネット上でも数多くとりあげられている。 訪問した時はちょうど少し前に大雨が…

国道から見える橋 後編

旧橋を発見した日の夜、撮った写真のチェックに入る。30度越えの炎天下のため橋上などは機械的に撮って本命の下の橋に集中していたからだ。上の写真は橋の東から。 向かって左には ”八講川” 。川の名だ。ちなみに橋の東の集落は八講田。草をどかしながらの…

国道から見える橋 前編

小ネタでもこういうのを見つけるのが面白い。 富山市から金沢市へと至る国道359号線。富山県小矢部市の県境に近いあたりで北に視線を向けると1本の赤い橋が視界に入る。国道からの田園風景の中にある普通の橋だ。最初は国道が造られる以前の旧道の橋だろ…

宝達川隧道と宝達川トンネル(石川県)

7月から通勤距離が片道3kmから50kmになり、その延びた距離の途中でいくつか目についた物件がある。これはその一つ。ここは石川県宝達志水町の国道159号線。前方でなだらかな坂になっているのが分かるだろうか。視界に映る道路の先端で宝達川とい…

宮森林鉄道 断片4(岐阜県)

吊り橋を渡って車道に戻ったあと、軌道跡がある左岸に渡る場所まで車でやってきた。 橋の上から見ると、この辺はちょっとした渓谷になっている。 軌道跡はここに出て来るはずだが? 小さな平場があるが軌道跡ははっきりしない。2016年の探索はここで終了…

宮森林鉄道 断片3(岐阜県)

灌木や草をかき分けながら進む。 築堤が延びている。 これぐらい開けていると気持ちよく歩ける。 ここらは元々あった岩の間にうまく軌道を通したのか。まさか動かした? 地味に見過ごしがちな足元の石垣。しっかり路盤を支えている。 一跨ぎできるほどの小さ…

宮森林鉄道 断片2(岐阜県)

地質、地形的にこういう落石は少なかったと思う。 切通しを抜ける。すると、 橋梁跡だ。木の橋桁が残っている。 まだしっかりしている。(渡ってはいません) 古く見えるが軌道時代のものなのか? それとも歩行者用に架けなおしたものの残骸か。 岩の上に橋…

宮森林鉄道 断片1(岐阜県)

ネタが欲しい今日この頃。 宮森林鉄道は岐阜県高山市に存在していた森林鉄道。すごい山奥というわけではないが、違う意味で踏破が難しい森林鉄道である。2016年以降何度か訪問している。 高山駅の一つ南にある飛騨一ノ宮駅。ここが宮森林鉄道の起点であ…

下仁田森林鉄道 本谷製品事業所跡

前回歩いた軌道跡の更に上流へと進むと本谷製品事業所の跡がある。現状は知らないが遺物が数多く残り、下仁田林鉄探索のクライマックスと言えそうな場所だ。10年前の2013年に探索したが、その当時は残っていたささやかな遺構も紹介したい。 石垣はあれ…

荒谷木馬道 3(徳島県那賀町)

対岸にも石垣が組まれた植林地が見える。 遡行を始めてから一番広い平地が広がっている。枝打ちしてある杉の林は日が差しており明るい。 山側は石垣で段差が、というか立派な壁が出来ており、その上にももちろん杉が植えられている。 植林地を抜けると、また…

荒谷木馬道 2(徳島県那賀町)

切通しの先も切り立った崖沿いの道が続いている。 木々に遮られて谷底は見えない。が、かなりの深さがあることは分かる。 それでも15分程歩くと川が近くなってきた。所々に大岩が作り出す小さな滝が目を楽しませてくれるが、これでは川に切った木を流すの…

荒谷木馬道 1 (徳島県那賀町)

湖面にほど近い斜面を歩いて荒谷の出合いを目指す。 写真を撮ってなかったので記憶があやふやだが、確か出合い付近で斜面をよじ登って撮ったのが上の写真。木馬道だ。 発見した木馬道を上流へと歩き始める。 木馬道は綺麗で崩落もない。 崖を削り石垣を組ん…

荒谷その0 出合橋 (徳島県那賀町)

ここは徳島県、那賀町の長安口貯水池。バリケードで封じられた橋の暗闇の先に更に闇が見える。 であいはし。 十分雰囲気が出たので(笑)感度を上げてもう一枚。この出合橋は対岸でダイレクトにトンネルに突入しており、小さく見える看板には トンネル内交互通…

長野の古隧道2つ 其の3 石まんぼう

早朝から動いていたおかげで日はまだ高い。とはいえ最後の目的地まで少し距離があるので速やかに移動する。 途中、裾花川沿いで甘美な誘惑に心を動かされつつも目的地を目指す。 目標の近くまで来ると看板があった。黄線の花川原峠が目的地になる。 林道を登…