人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

2017-01-01から1年間の記事一覧

小ネタ 島田軌道と天竜の木橋

ここは静岡県島田市。ここに明治から昭和まで日本で最も長期間、そして一番最後まで営業していた人力の軌道が島田軌道である。サイト”歩鉄の達人”様の記事を見て一回行ってみたいと思っていたのが唯一の遺構であるこの橋台。写真は島田駅方向で立派な堰堤も…

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群① 妹尾森林鉄道 3(完)

軌道跡が土砂に呑まれた場所から車道に上がってみる。ちなみに土砂、というか河原へ降りるランプの先に軌道跡は確認出来なかった。 しかし、しばらく進んだ先ぐらいで(気づいたのは帰り道で正確な場所を覚えていない)道路の上に石垣が。最初は砂防用のもの…

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群① 妹尾森林鉄道 2

河原の砂利の中から石垣の小道が姿を現していた。軌道跡だ。 曲がり角を岩の切り通しで抜けていく。 その先に路盤はない。桟道を通していたのだろう。 その先の植林地帯には石垣が残っていた。 川沿いに軌道跡は続く。ここの乱積みの石垣が何故か印象に残っ…

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群① 妹尾森林鉄道 1

ただ今17年2月、ここは和歌山県日高川町の猪谷橋。橋の右側にある日高川に左手から猪谷川が合流しており、この猪谷川沿いに妹尾林道ー妹尾森林鉄道があったらしい。ちなみに資料は「日本鉄道旅行地図帳」の5万分の1白地図に描かれた大まかな軌道と妹尾…

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群

林鉄業界で紀伊半島といえば高野山森林鉄道や大杉谷森林鉄道などが有名だが、その他にも大小様々な軌道が存在していた。(ググってみたら3番目にうちの十津川村の記事が出てきた(笑)その中でもわずかでも遺構が残り、尚且つあまり紹介されていない軌道にスポ…

Commuter line act 3(小坂森林鉄道濁河索道通勤路)

時は流れて17年10月、再攻略の時は来た。ちなみに写真からも分かるようにこの道以外の降下ルートは全くない。急斜面でなくて、崖である。ならば前回降りれそうで降りれなかった最後の難関を突破するしかない。いざ! ・・・無理でした(笑)。足場になりそ…

Commuter line act 2(小坂森林鉄道濁河索道通勤路)

17年6月ようやくアタックを開始する。 踏み板はボロボロだが、骨組みのレールはワイヤーや針金で結構しっかり固定されている。 振り返って 前方に白い崖が見えたあたりで道は折り返していたようだ。が、ちょうど折り返しの地点の道の跡がよく分からない。や…

Commuter line act 1(小坂森林鉄道濁河索道通勤路)

働いている人が自宅と職場を往復する際に使う道を通勤路と言う。そんな通勤路の1つ。 2016年11月、岐阜にある小坂森林鉄道の兵衛谷支線を探索していたとき、人工物が目に飛び込んできた。 レールで作られた桟道があった。小道が下に向かって降りてい…

日原古道へ その5(完)

道の下に落ちていたバイクの残骸に群がる面々。 微妙に口を開けた坑口を発見。 どうやら火薬庫らしい。 壊れたゲートがある広場に到着。 バケット式温泉でたわむれる漢2人。(プライバシー保護のため画像は加工してあります) ワイヤーのみが残る巨大吊り橋…

日原古道へ その4

巨岩が頭上にそびえる断崖絶壁に刻まれた道をすすんでいく。 はるか下方に川が見える。かなりの高さだ。 ふと振り返ると桟橋のようなものが見えた。家に帰ってから思い出した。あれが例の橋かと。この橋の真価は対岸から眺めて初めて分かる。 この辺一帯はほ…

日原古道へ その3

紅葉を横目に先を急ぐ。このあたりは広くてしっかりした道が続いている。 しばらく進むと荒れた沢があったが、崩壊を免れた石垣に排水口らしき穴が見える。 ちょっと中に入って見てみると、天井に木筋コンクリートが使ってあった。 そして道は徐々に高度を上…

日原古道へ その2

休憩場所から上を見上げると石垣が見える。道だ。いや、道の跡だ。 足元を確かめながら進んでいるといつの間にか石垣も無くなり、文字通り道なき道を前進する。 下方にコンクリートの構造物が。これは吊り橋の橋台であそこに降りるようだ。 荒れた斜面を慎重…

日原古道へ その1

先日の日曜日、知り合いに誘われて東京の奥多摩に探索へ行って来ました。そこに集ったのは8人の猛者と一人のへたれ、即ち自分のことである。(何故かという理由は後述させてもらう)場所は日原古道。サイト「山さいがねが」で有名になったガチ物件である。…

割石の高崖みち に行くつもりだった 後編

7年前I'll be backとつぶやいたかは定かではないが時に2017年5月、再び割石を訪れた 目指すはもちろん7年前に撤退した旧道だ。 という訳でやってきました旧古道。しかし途中にわずかに残っている石垣が無ければ道だと思わなかったと思う。 あいかわらず高い…

割石の高崖みち に行くつもりだった 前編

ここは岐阜県飛騨市神岡町。ここには「山さ行がねが」で紹介された1本の古道がある。実は上の写真にその道は写っている。・・・おわかりいただけただろうか。 写真の中央、絶壁を横切るこのラインこそが割石の高崖みちと呼ばれる古道であり、現在は送電線の…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 13(完)

第2インクラインを攻略し、引き続いて第4インクラインを見つけるため橋梁8へと引き返す。前回は下から探索して失敗したので、今回は第2と同じように上部軌道を先に見つけることにする。 まずは川沿いに進んでみるが大きな岩がゴロゴロしている。 しばら…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 12

ようやく見つけることが出来た第2インクラインだがとてもきれいな状態で残っていた。 何故か離れた場所に突き刺さるレール。インクラは向こうに見える黒い影のラインの手前である。 しかし下っていくと平面になってしまいインクライン跡は分からなくなって…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 11

16年1月、いまだ雪が積もらないというので5度目のアタックを試みる。もう1度第2インクラの上部軌道を探すべく比較的進みやすそうな滝の谷の右岸を上流目指して登っていく。 いくつもの滝を横目にどんどん高度をあげていく。 軌道の末端がこのあたりのはずだ…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 10

大変お待たせしました。第2インクラへの道を発見したつづきより。 敷設されたレールを発見した興奮もさめやらぬまま軌道を歩き始める。 しばらく歩くと沢に出た。出発した砂防ダムの上流にあたるがここにも敷設されたままのレールや曲がったレールが散見さ…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 09

ただ今12月の朝6時、林道終点地点であります。夕方6時までに職場に戻らないといけないため朝1で突入。さすがにまだ暗い。 今日は軌道跡ではなく川沿いに進みショートカット、路盤上からは見えない石垣を横目に全速前進!目指すのは・・・ ずばり、例の砂…

ただ今充電中につきしばらくおまちください

この前の日曜日に三重の尾鷲で行われたイベントに参加してきました。ついでに翌日明治時代の古道を歩いてきました。今朝になって疲れが噴き出てきたので更新はしばらくおまちください。 バファリンと名鉄パレと尾鷲人に驚かされた今回のイベントでした~。

速報 初代敷地隧道 後編

斜面をよじ登り先ほどの尾根へ戻り、そのまま尾根道をたどりささやかな峠を越える。 昔の道をトレースしようとしたがかなり状態が悪く少し手間取りながら北側の谷間へ降りていく。果たして北側坑門は・・・ 残念、完全に埋まっている。なんとなく予想してい…

速報 初代敷地隧道 中編

漆黒の闇が目の前に口を開けている。ある予感がしながらも、ライトを慌ただしく取り出して光を灯す。 閉塞だ。やはり抜けてはいなかったか、残念。しかしこんなに綺麗に残っているとは思いもしなかった。台形型の坑道が自分的にはストライクである。と、坑門…

速報 初代敷地隧道 前編

これは「くるまみち」さんの遠州遠征オフ2014に同行した際に撮った静岡県磐田市にある明治レンガ隧道”初代”敷地隧道の写真である。この隣の現道には”2代目”敷地隧道が頑張っているが、先日「くるまみち」さんの掲示板に寄せられた情報によると更に先代…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 08

中音水に作られた最後のインクライン、それが第4インクライン!前回の第3インクラ上部軌道突破の行きがけの駄賃に突貫してみる。 これは切り通しとセットの第8橋梁を上流側からみたところ。「林鉄の軌跡」の地図を見ると黄色のラインのように橋の根元あたり…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 07

見つからない軌道跡に見切りを付けて、もう一つの上部軌道を目指して歩き始める。地形の関係上難しいがなるべく平行移動を試みる。 そして歩くこと1時間ほどで反対側の流れにたどり着く。はたして軌道跡は・・・ どんぴしゃ!午前中の迷走が嘘のように軌道跡…

流血のファーストアタック

本日山梨県の某林道を歩いていたのですが、道を外れて少し山に踏み入ったとたんヤマビルにたかられました。大小10匹以上を相手取り4匹に吸われ靴下が流血の惨事に見舞われました。皆さんもこの季節は十分注意しましょう。資料がほとんどないマイナー物件だ…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 06

目の前にそびえる大小様々な階段状の滝を見て、これ以上の前進は無理と判断した。ここで当初の予定通りに斜面の登攀を開始。 黙々とひたすら登る。が、軌道跡が見当たらない。 さすがにこの上は無いだろという、か細い流れの岸壁を見上げるが、ここより下も…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 05

第3インクラインへの渡河地点から上流を見渡すが軌道の跡を見いだすことが出来なかった。分からない。第2インクラインへ続く道はどこにあるのか。しかし、いざとなれば最終手段が残されている。それは 川沿いに遡ったのち直接上部軌道を目指す!そうすれば…

波賀森林鉄道 音水、中音水の4つのインクライン 04

さて、今回の第三次探索にあたって事前にネットで情報収集をしたのだが、その中で「林鉄の軌跡」という本に掲載されていた音水の軌道の地図を入手することが出来た。そして前回探索した橋梁9(ハイブリッド橋)と発見した(第3)インクライン付近を略図に…