人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

2025-01-01から1年間の記事一覧

清里の林用軌道(川俣川・大門川林用軌道)4 ~山梨県北杜市~

崩落地を振り返る。ここまで全体的に見てもそんなに危険な箇所はなかった。(当社比) 堆積した土石を乗り越えると次の橋が見えてきた。 滝見橋 昭和43年12月。この頃に林道が造られたのか? 最初の橋(名称不明)より大きい。そして名前の由来は右を向…

清里の林用軌道(川俣川・大門川林用軌道)3 ~山梨県北杜市~

でかいコンクリートの塊・・いや、板が転がっている。 その正体は崩れて落ちてきたコンクリートの擁壁だ。上を見ると道の続きが見える。 振り返って。 土砂ごと崩れて路盤に堆積して斜めになっている。この区間の林道はいつから使われていないのだろう。 残…

清里の林用軌道(川俣川・大門川林用軌道)2 ~山梨県北杜市~

国定公園美し森の看板の後ろ、左へと登っていく道こそが軌道跡だ。といってもこの探索時点(2025年1月)では70%ぐらいの状況証拠しかなかった。鉄道旅行地図帳の大雑把な地図と登山客のブログなどからの推測だったが、この後地元民からの証言を得て正…

清里の林用軌道(川俣川・大門川林用軌道)1 ~山梨県北杜市~

2022年に山梨の鹿留林用軌道についての記事を公開したが、その冒頭でちらりと他の軌道について触れている。その一つがここ、かって一大ブームを巻き起こした観光地である清里にあった林用軌道。 msx4.hatenablog.com 清里駅の横の道を200mも登ったと…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 9 (完)(三重県尾鷲市-熊野市)

苔と草木の緑に包まれた道を登っていく。木陰が多いので少し助かった。 いかにもな感じのつづら折りを越えていく。 時々現れる石畳が明治の”古道”を匂わせる。 沢を越える橋の跡。橋台もしっかり残っている。 皆そろって写真を撮っていたようだ。 そしてそび…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 8(三重県尾鷲市-熊野市)

半ば崩れ、埋もれかけた橋台。ここだけ見ると林鉄跡に見える。 綺麗な石垣に支えられた道が残っている。 豊富な石垣の素材=落石も多かったのだろうか? ここはけっこうデカいのがごろごろしてた。 このような橋台跡は散見するが、木製であろう橋は流石に残…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 7(三重県尾鷲市-熊野市)

+αルート開始。 尾鷲から熊野までの45kmを踏破した翌日、普通だったらゆっくり休むところなのに何故かまた矢ノ川峠に挑むことに。まあ、誘われてほいほい憑いていった自分に文句などないのだが。 今日は昨日通ったバスルート以前の道、明治道を辿ること…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 6(三重県尾鷲市-熊野市)

刻まれていたものも分からなくなってしまったが、信仰や祈りの跡は残っている。 珍しく石組みの側溝がある。なんかこういう素朴なの好き。 前回の路面の崩落から1時間ぐらい下ってきたところで分岐があった。この辺は治山などで車道として現役っぽい。 一つ…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 5(三重県尾鷲市-熊野市)

峠を抜けるとご覧のように完全な廃道状態で車が通ることは出来ない。 今まで通ってきた道も手を入れないとこうなってしまうということだ。 もちろん平穏な路盤も残っているし 徒歩で進む分には何の問題もない。 路上だけでなく石垣も崩れている。 放置車両だ…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 4(三重県尾鷲市-熊野市)

緑の山肌にくっきりと影が映っている。天気は上々だ。 道沿いも木陰があるのでそんなに暑くはなかった。ような気がする。 いつの間にかかなり下のほうになった現国道を見下ろしている。 山とか河原とか石が多い場所でよくある光景。 次の隧道に到着。 見ての…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 3(三重県尾鷲市-熊野市)

第一の隧道だ。その手前で皆わきゃわきゃしている。 岩壁に刻まれた発破の跡。現代の道ではあまり見られない光景だ。 空が狭い。隧道の前も深い切通しになっている。 車との対比。 素掘りの隧道に突入。そういや名前を知らないが。 碍子(電線を固定する器具…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 2 (三重県尾鷲市-熊野市)

旧道に入る。まあ、普通に見た目は林道なんだが。・・・今ここって林道? 水準点だ。一部の人を誘蛾灯のように誘う魔力を秘めたいにしえの現役選手である。 最初の橋がある。この後、親柱や欄干のないものを含めれば数えきれないほどの橋を渡る。 親柱のデザ…

矢の川峠国鉄バスルートを辿る+α 1 (三重県尾鷲市-熊野市)

2017年9月、朝5時半の三重県尾鷲市尾鷲駅。ここに熱気に包まれた紳士淑女が集っていた。 先日めでたく再販された石井あつこ女史(写真左)の廃道本「廃道を歩く」。その中に矢の川峠の昭和道・明治道という章がある。そこに書かれた国鉄バス紀南線のル…

名のある水路橋から名もなき水路橋まで (長野ー山梨)

未だ雪が残る3月の塩尻。写真の奥が本来の駐車場だが、ご覧の通りなので近所の人に除雪してあるギリギリのところに車を停めさせてもらい歩いていく。 ここにあるのは土木遺産になっている蔵造川水路橋。レンガアーチの跨線水路橋=鉄道を跨ぐ水路橋だ。有名…

田立森林鉄道のインクライン11 (完)

一休みを終えて 3本のレールが残る斜面を登っていく。 下の林道=閏滝インクラインの下から高度は400mほど登っただろうか。疲れた。しかし当時は丸太載せたトロッコを降ろしていたのだ。すごいとしか言いようがない。 見上げると前方の景色がなんだか狭…

田立森林鉄道のインクライン10

かって桟橋で越えていたであろう斜めに傾いた斜面を登っていく。 斜面に散乱するレールが、下から見るとちょうどつづら折りのようにも見える。何十年もかけて自然に今の位置になったかと思うとなんだか面白い。 そこら中に散乱するレールの向こうに、ひとき…

田立森林鉄道のインクライン9

前回撤退した、桟橋があったと思われる急斜面の岩場まで来た。 下を向くと下まで1直線に坂(インクライン)が伸びている。 この前はインクラインの左側を登っていって諦めたので、今回は少しなだらかに見える右側のほうを登っていく。しかしこの時点で正確…

田立森林鉄道のインクライン8

続きになります。 田立森林鉄道のインクライン 7 - 人生崖っぷち(物理) 田立森林鉄道のインクライン 1 - 人生崖っぷち(物理) 雪解け頃にと思っていたのが、GW明けまで延びてしまった最終局面。今度こそ最後の未踏破区間を駆け上がるために南木曽へと…

早川沢の杣道(木馬道) 其の6 (完)(静岡県浜松市)

足元の石垣をチラ見しながら登っていく。 小さな沢に組まれた橋台から低い石垣が奥へと続いている。ここはこういう細やかな造りのものが多い。 しばらく登ったあと180度ターンして向きを変えて更に登っていく。 石垣で組まれた道の先に沢が現れた。 ちょ…

早川沢の杣道(木馬道) 其の5(静岡県浜松市)

砂防ダムを越えるとまた谷は狭まっていく。 ワイヤーの束だ。少し細めだが林業用だと思う。 道も崩れた場所以外は割と綺麗だ。 所々築堤になって小カーブを描かず真っ直ぐ延びているところが、普通の徒歩道と違って木馬道っぽい感じがする。 またもや道が途…

早川沢の杣道(木馬道) 其の4(静岡県浜松市)

早川沢の杣道(木馬道) 其の3(静岡県浜松市) - 人生崖っぷち(物理) の続きになります。 前回の訪問から一週間後、すっかり花が開いた気田川沿いの桜を見ながら2度目の探索を開始する。 今回は寄り道なしで奥を目指す。 北へ向かう本流(支流?)に沿…

七里岩を越える道 後編 (山梨県韮崎市)

それでは降りるか、と一歩踏みだした先がいきなり崩落していた。危険というほどではないが慎重に迂回する。 一つ目の曲がり角。写真を見て初めて気付いたが、石像が置かれていた。仏像か神像かは分からなかったが、この急坂の安全のために置かれたのだろう。…

七里岩を越える道 前編 (山梨県韮崎市)

七里岩とは釜無川と塩川に挟まれた台地の西側、釜無川の侵食によって造られた長大な岩壁のことだ。なんか台地自体をそう呼ぶ記述もあるが、ここでは岩壁のほうをそう呼ばせてもらう。その七里岩、写真のように高さ数十mの岩壁が上下の行き来を困難にしてお…

滝ケ原アーチ石橋群-冬-(石川県小松市)

ここは石川県の小松市、滝ケ原地区。ここは石橋アーチが集中して存在する珍しい場所だ。ぶっちゃけ数多のサイトやSNSで紹介されているが、雪景色での紹介は何故か見当たらない。2014年12月探索。 探索した2014年時点でも市指定文化財として整備…

今週は休ませていただきます

来週の探索の準備のため今週は休ませていただきます。 という訳で木曽森林鉄道大滝本線桑ノ木沢橋梁の写真垂れ流しです。 2011・08 2025・04 来週も未定です。

早川沢の杣道(木馬道) 其の3(静岡県浜松市)

古道(?)から分岐まで戻って沢を横断する。その先には今までと同じような木馬道が上流に向かって延びて いや、まて。なんで沢を渡ったら軽トラが通れそうな道幅になる?なんで奥のほうが拡幅しているんだ? 道幅を訝しむ間もなく切通しのカーブが現れた。幅…

早川沢の杣道(木馬道) 其の2(静岡県浜松市)

川を渡った先の石垣に沿って緩やかに登っていく。 川沿いは真っ直ぐだったが、こちらは高度を上げつつ地形に沿って曲がったりしている。 第一のカーブ。Uターンして上流へと方向転換。 川沿いと比べて普通の山道という感じなので変化に乏しい。 と、思った…

早川沢の杣道(木馬道) 其の1 (静岡県浜松市)

静岡県にある木馬道と思われる杣道の跡を紹介したい。場所は県西部の浜松市、天竜川水系の支流である気田川に流れ込む沢の一つ、早川沢だ。2013年探索。 画面に広がっているのが気田川。この上流部に当ブログでも取り上げた気田森林鉄道が存在している。…

栄村の県道507号旧道(?)後編 (長野県)

入口の天井はコルゲート管、壁はコンクリで素掘りの水路につながっている。 ずっと上を歩いてきたコンクリの水路もそのまま合流している。 水路兼通路というせいか底は平らになっている。 水路隧道はあまり入ったことはなかったが水が無く足場もしっかりして…

栄村の県道507号旧道(?)前編 (長野県)

ここは新潟との県境にある長野県の栄村。そこを南北に走っている県道507号から横を流れる北野川を眺めると 対岸に道(?)が見える。林道かと思ったが地理院地図には載っていない。とすると旧道の類いか? とまあ、この時点ではそれほど興味を持たず、スルー…