人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

富士林用軌道 吉田胎内樹型付近 前編

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17年11月。ここは山梨県の富士北麓公園の南にある交差点。この近くに吉田胎内樹型という天然記念物があり、そのそばに富士林用軌道(名称は日本鉄道旅行地図帳より)の軌道跡が残っているらしい。ただ地理院地図で見ると車での最短アクセスポイントが富士スバルラインの料金所横という微妙な地点だったので、反対側のこちらから徒歩でめざすことにする。

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地図によると林道の途中で道があるはずだが・・・原野しか見当たらない。2枚目の写真に写っているわずかな窪みがまさか道の跡かと半信半疑で突っ込むが、すぐにそれさえも見失い原野を彷徨うことに。ただ、西に少し歩けば川があるのでそこまで行けば川沿いに目的地付近まで近づけるはずだ。

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なんとか川に出たと思ったら支流で、それを乗り越え本流にたどり着きようやく道案内の看板を発見した。やはりというか自分が歩いたルートとは全然違う道があるようだった。当たり前だが。

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注連縄がかかった場所が吉田胎内樹型。噴火の際、木が鋳型となって造られた溶岩の洞窟である。内部は未公開。私はこの後写真の右のほうに軌道跡を探しに行くが・・・正解は左のほう。ところどころに小型の樹型の穴があいた林の中を25分程彷徨うことになる。

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最終的に富士スバルラインを横目に林の中をてくてく歩く。小道が現れた。軌道跡だ。

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軌道跡はスバルラインに切り取られているが軌道自体はまだ先に続いている。

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反対側、下り方向を見ると軌道跡は緩やかに右に曲がり

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真っ直ぐだ。一直線に軌道跡が延びている。地形に沿って進む森林鉄道のなかではあまりお目にかからない光景だ。

         富士林用軌道 吉田胎内樹型付近 後編に続く

    

                     参考サイト「埼玉発おとなの小探検」様

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その5(完)

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前回少しだけ歩いた軌道跡を今度は林道から眺めながら歩いていく。

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しばらく歩くと川はだんだん浅く狭くなってきた。

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 橋台を見つけた、が、この辺から軌道がどちらを通っていたのか分からない場所が増え始める。崩れているのか、桟橋で越えていたのか、林道側に渡っていたのかだんだん分からなくなってしまった。

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とりあえず橋台らしき石垣があったところで対岸に渡るが、分かりやすかった七滝のあたりと比べて軌道が通っていたと断言することが出来なかった。

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そのうち大きな橋台が現れた。幅からして軌道のものではなく、後年に作られた車用の橋だと思われる。

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また林道に復帰し上流を目指す。

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川幅はいよいよ狭まってくるが、所々深い谷間を形成していた。このあたりは軌道は林道側を通っていたと思われる。

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そして林道が大きく右に曲がり砂防ダムが連続で現れる。地図によると軌道はこのあたりまで延びていたようだが?しかし林道の先のほうで何か作業をしているのが見えた。この辺が潮時かと未練がましく砂防ダムの上流の浅くなった河原を眺めると・・・

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なぜかレールがごろごろと転がっている。ここに流れてきたのなら更に上流のほうには?と思ったが作業中なのでとお断りされてしまった。まあキリが良いのでここで終了。軽く上流のことを聞いたが特に遺構もなさそうだったし。

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下流側や最上流部は次の課題として撤収。いつになるやら(笑)

 

   紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)(完)

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その4

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南古谷川に沿って進んでいく。予想以上に状態はいい、即ちとても気持ちが良い。

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たまに崩れていたりするが、場所によっては石垣の断面が見えて興味深かったりする。

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見事な石垣が目を楽しませてくれる。

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更に渓谷の景色も素晴らしい。

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片洞門ばりに突き出た大岩と

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切り通し状に残っている小岩(といっても充分大きいが)

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七滝の一つだろうか?小さな滝の横を地味にすごい石垣で支えて軌道は延びている。

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 地図にも出ている大きめの沢で軌道跡は一旦途切れていた。前回はこの少し上流を歩いたが昔は木橋があったと思われる。

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沢にぶつかったところは大岩の上で降りれなかったので少し戻って切り通しの手前で川に降りて対岸の林道によじ登る。しかしこの石垣、異様にかっこよく感じられた。それはともかく今度は林道を歩いて軌道跡を追ってみる。

 

    紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その5に続く

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その3

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前回から2週間後、再びこの地を訪れた。道路幅が広がった場所に車を停め、今来た方向ー下流方向を向いたところだ。

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一旦戻って前回は行かなかった川の右岸に沿った道を進んでみることにする。ふと橋から河原を覗いてみた。すると・・・

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レールだ。前回は気付かなかったが、これで軌道跡と確定した。なんか幸先がよい。

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川沿いをてくてくと歩いていくが、右はすぐ川、左は崖と軌道の痕跡は見受けられない。

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ふと横を流れる沢を見るとなんだか平場が見えるような気がする。登ってみた。

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沢の両側に平場があった。道の跡に違いない、が、軌道の跡かは判断がつかなかった。

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 まもなく川は二手に分かれた。写真の奥は前回たどった本流である南古谷川。左は支流の中尾谷川になる。場所的にこの向こう岸に軌道跡があるはずだが・・・

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 写真だと暗いが石垣が見えた。軌道跡に違いない。対岸に渡ってみた。

f:id:msx4:20180302221952j:plain石垣は支流に入ってすぐの堰堤のあたりで途切れていた。堰堤の工事のせいだろうが、上流に痕跡が見られなかったので元々この辺りで川を渡っていたのかもしれない。

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このあたりは軌道跡の下はちょっとした広場になっており、中継の土場、つまり1時的な中間の貯木場か作業小屋でもあったのかもしれない。

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ここから軌道跡は大きく左に曲がり、本流の南古谷川に入っていく。

 

     紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その4へ続く

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その2

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川の向こう岸に石垣が見える。つまり、林道に潰されていない軌道跡が残っているのだ。これは個人的に一番うれしいパターンだ。手つかずの軌道跡を歩いて楽しむのと、側面から眺めて楽しむのと、両方楽しめるからだ。

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川幅が狭まったところで渡河して路盤によじ登る。

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特に、 時たま現れる小さな滝と軌道跡の組み合わせはずっと眺めていたいたかったが、残念ながらこの時は妹尾林鉄探索のあとに下見のつもりで寄ったため、ほどなく日没でタイムオーバーとなってしまった。しかし手ごたえは充分にあったので2週間後に本格的にアタックしてみた。

 

     紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その3へ続く

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その1

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ここは和歌山県有田川町。有田川をさかのぼっていくと(最終的に高野山に出ます)写真の光景が目に飛び込んでくる。「栗生の巌」。注連縄の掛かった立派な大岩がそうである。ちなみに栗生は地名であおと呼ぶ。そしてその隣に味がありそうな橋が小さく写っているが、ここから2本の支流が分かれており、その片方、四村川に沿って上流に向かう。

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5,6km進むと更に支流が分かれている。それが鉄道旅行地図帳と地理院の地図を照らし合わせて軌道跡と推測した場所、南古谷川である。

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地図を信じるならこの川沿いに軌道が延びていたはずだが、すれ違いに苦労しそうな細い道が続いていたため詳しく調べずに更に奥に進む。道自体はほぼ高低差がないのでこれが軌道跡を改修したのか?

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しばらく進むと道は2つに分かれていた。川沿いに右岸を進む道はそのまま支流の中尾谷川に入ってしまうので橋を渡り、道幅が広くなったところに車を停めて徒歩に切り替える。

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やがて地図に七滝と書かれた場所に差し掛かるとその名の通り小さな滝がいくつも見えた。見ごたえがありそうだが上からだと少し分かりずらい。

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対岸に石垣が見えた。

 

 

   紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その2へ続く

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)

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毎度お馴染み新潮社の鉄道旅行地図帳。矢印が示す軌道のライン。資料、これだけ。

 

じゃあ行こうか。

 

     紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群② 南古谷川林用軌道(仮)その1へ