ここは石川県羽咋市の国道415号線。東側の富山県氷見市へと抜ける能登半島を横断する(といっても3、40分ぐらいだが)ルートのひとつだが、ここを通ったとき少し気になるものが見えた。
写真からバレバレだが、国道に並行して流れている飯山川へと向かう下り坂がある。
そこに古そうな橋があった。
国道の横を流れる川を渡る橋、と言えばありふれたものに聞こえるが、年季の入った見た目が気になって調べてみると、こちらが今の道の旧道であった。
名前は吹上橋。
昭和7年4月。昭和一桁の生まれか。
構造は単純な桁橋だが、欄干のデザインが目を引いた。
アーチ型の窓と
三角形の金具を組み合わせた飾り窓。この二つを交互に配置したおされなデザインなのだ。
下が埋もれている国道側と違い、対岸側は親柱がはっきりと見える。
現道と高低差があるので滑り止めの溝をつけた急坂で連結しているが、濡れていると滑りそうで怖かった。
昔の地図を見ると千石町と神子原町を含んだ数百mだけ対岸に渡っていたようだ。
上流へと旧道を歩いてみる。
この道は農地へのアクセスに使われているが、逆に言えば民家は1件もなく今はただそれだけに使われている。
上流側の橋の手前に通行止めの看板と三角コーンでの封鎖が。
竹や藪に侵食された道の先にもう一つの橋が姿を現した。
「昭和8年10月竣工」先ほどの吹上橋より少し新しい。
「千石橋」こちらは地名が由来か。
こちらの欄干には金属棒を通したと思しき穴が空いているが撤去されている。戦争で回収されたか?
橋上は土が溜まり自然に帰りつつある。
反対側の親柱はご覧のように雑草だらけで、写真がうまく撮れなかった。
あとは一応横からの写真も撮ろうとしたが、冬なのに藪のせいで見渡せない。しかし渡った先の上流側に砂防堰堤へと降りる階段があった。ちょっと使わせてもらおう。これなら横から見
え?
吹上橋と千石橋 後編 へ続く