川上へ向かって歩き始める。レールや枕木は見当たらない。
路盤がしっかり残っていると思ったら・・・
あっという間に跡形も無くなってただの斜面に。
だが、そこを抜けると安定した路盤が復活した。
でっかい落石が鎮座しているのは、分かりにくいが炭焼き窯の跡だ。
このあたりは下草も少なく歩きやすい。
熊笹が目立ち始めると、はっきりとした踏み跡が姿を現した。それなりの行き来、というか使われているのか?
だんだん茂ってきた笹藪をかきわけて進む。
と、前方の路盤が少し窪んでいる。小さな沢があるようだ。
だいぶ乱れているが起点側には橋台の石垣が残っていた。多分架かっていたであろう木橋は残念ながらない。
ぬっ!?
レ - ル だぁ! 1本だけひっくり返ったレールが転がっていたのだが、敷設されたものではない。外された1本が理由は不明だが放置されていたようだ。
いつのまにか70m下にあった川がすぐ側まで近づいてきた。
左の斜面に押されるように路盤は川に向かって途切れていた。
川のほうを向くと路盤の高さから1段低い地面があって、川面へ落ち込んでいる。
川上を見る。今居る右岸の上流は川が下を流れているため斜面になっている。ならば対岸に渡っていたのか?
あらためて見なおした地理院地図では表記されている破線道と軌道跡は微妙にシンクロしている。最初はこのまま川沿いに進むのかと思ったが、よく考えたら川面に追いつかれた時点でそれはない。
ならばと地図の破線道を見てみると、多少ぶれているが対岸に渡って折り返して高度を上げている。軌道は緑の矢印のように進んでいたのではないだろうか?
しかし対岸にある筈の道を眺めてみたが、どうやら崩落しているようだ。時間的に折り返しのタイミングだったのでここで戻ることにした。ショートカットした未踏破部分を目指そう。
八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2023 その4へ続く