歩き始めてから、もう少しで2時間になろうとしていた。上流の終点への探索もあとに控えているので、あまりゆっくりしていられない。
いつの間にか作業道となった軌道跡を進んでいくと、下り坂になる。が、真っすぐが正解だ。
熊笹が繁り、踏み跡もろくに無い路盤をひたすら歩く。
おっと、前方に
岩を断ち割って造られたような切通しだ。いや、2つの岩を削ったのか?
いかにもといった軌道跡の部分は少なく
低い熊笹に覆われた路盤が多かった。
!? 路盤の真上という訳ではなかったが、すぐ横にこんなのがあってギョッとした。
総じて路盤が崩れたような場所はほとんどと言っていいほど無かった。
大きく左へと曲がったところで・・
なんてエッジが効いた切通し!
小振りだが目を引く一品だ。
今度は右に大きくカーブを描いている。きれいで穏やかな軌道跡だ。
そろそろ目的地である以前の探索ルートとの合流地点が近づいてきた。
実はこの合流地点というか分岐点、路盤がはっきりしないので、あくまで想像図になります。黄線は以前の探索時のルートで、手前側が上流方向、奥側が下流の起点方向。そして赤線が今歩いてきたルートになる。
黄線の上流方向は上の写真で分かるように、進んでいくと窪んでいき切通しとなってはっきりと跡が分かるが、今日歩いてきた赤線のほうは、この分岐に到達する少し手前から路盤の跡が分からなくなった。熊笹のせいもあるが、起伏のない場所の軌道跡ほど分かりづらいものはない。
あと、この分かれた軌道ははたして同時期に存在していたのか。一つの区域の伐採が終わってから別の区域に軌道を敷いて取り掛かったというのも充分あり得ると思うのだが。はてさて。何はともあれ復路につく。
岩の切通しまで戻ってきたところで左下に平場があることに気付いた。
実は確認した古地図に一本だけ短い支線が描かれていて気にしていたのだが、どうやらこれのようだ。
少し戻ってみれば段差がつく手前のこのあたりで分岐していたようだ。
支線は徐々に高度を落とし地図上では本流を渡ったところで終わっていた。今回は終点のほうが気になるのでこちらはパス。
いろいろと目印を思い出しながら戻って来たのだが
おや?
見覚えがない見事な岩壁(溶岩系?)が。いつの間にか最初に軌道跡をロストした区間に入り込んでいたのだった。
GPSではどんどん車道に近づいているはずだが、地形図からはこんな崖になっているとは読み取れなかった。
もう少しだ。
どんどん狭く急な斜面になっていき
とうとう路盤が無くなってしまった。急斜面を藪をかきわけ強引に登る。
久しぶりのアスファルトだ。しかし天候が荒れてきたので一時車に避難することに。
八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2023 その10へ続く