朝方怪しい平場をチェックしたあたりまで戻って来た。日没と駐車地点までの距離を考えるとそんなに余裕はないのですぐさま行動に移す。
急斜面を数mおりると落石が散乱しながらもはっきりと平場が確認できた。
小さな崖を飛び降りるとそれは崖ではなく石垣だった。ここはやはり軌道跡だ。
下流方向を見ると埋もれて斜面になっている。林道工事の影響か?方向的にこちらは前回見つけた軌道跡へとつながっているのだろう。
ならばこの上流方向へと向いた軌道跡はどこに行くのだろう?ためらわずにこちらのほうへと歩き出した。
見事な石垣が続いている。ここでこれだけの林鉄の石垣を見たのは初めてだ。
林道がある左側の石垣に加えて右側にも壁が出てきて切通しになってきたが、前方が岩で埋もれてしまっている。・・ん?
右側によじ登り岩と倒木を避ける。
下には降りれないがこの辺も高くて立派な石垣が続いている。緩やかに右にカーブしているようだ。・・・何だろう?何か・・
更にカーブが続いている。ここで先ほどからの違和感に気づいた。緩やかだが下り坂になっている!?
切通しのカーブを抜けると完全に下流方向を向いていた。林道に平行して上流を向いていたので上っていたと思っていたが実は下っていたのか。一杯食わされた。
左手は川のそばをかすめながら藪の中を軌道跡は延びている。
また切通しが現れたが崩れてなだらかになっている。
と、目の前に小川が現れた。!? 足元にあるのは!
目の前にはコンクリートの橋脚と、それにもたれかかった木の桁が。木橋跡だ!
崩壊して残った最後の桁も外れかけてるが、残がいがいろいろと残っている。
そして路盤から突き出ている3本の木材は橋桁を支えていた部分か?
橋脚の上にはボルトが残っていた。
こんな感じで残存している。もう少し早ければ架かったままの姿が見られたのだろうか。
そして下流側、対岸の橋台。
橋台自体はこちらのほうがはっきりしているが、草や灌木のせいで見えにくい。
橋を過ぎると熊笹に覆われた路盤が続いている。
路盤が崩落している。ここは柔らかい土の斜面を強引に突破する。
路盤に復帰。なんかのパイプ、ホース?が延びている。
どこか見覚えがある空き地の端に出てきた。そうか、林道ではなくこちらに延びていたのか・・・
日が暮れてきてタイムリミットが迫ってきた。急いで先ほどの未踏破部分を目指す。
結局は現林道の下の方を軌道は通っていたのだ。
写真は先ほどの路盤の続きを反対側から写したもの。路盤が見つからない、というか激藪で入れなかった。
先ほどの木橋の上流。奥に写るのは2話で紹介した沢を渡るコンクリ橋。この右側あたりで路盤は林道に合流していたと思われるのだが、それとは別に沢に散乱していたワイヤーが気になる。索道用?
コンクリ橋の横の不自然な広場。ここに上ってきた路盤が出てきて
林道に合流。
切通しを抜けていく林道が軌道跡と思われる。
上図が現時点で判明している九蔵本谷の林道より外れた軌道跡。もしかするとまだ出て来るかもしれない。
2022年1月9日時点で判明しているのはここまで。本格的な探索は雪が溶けるまでお預けになる。と言っても残った大きな課題は一つ。上部軌道の有無と所在だ。あとは更なる情報収集を進めるしかない。
青屋森林鉄道 8 完