人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

生地中橋 (富山県黒部市)

突然だが、富山県最大の港、富山新港は

県営渡舟=越ノ潟フェリー(無料)と

新湊大橋(車、徒歩)で渡ることが出来る。

 

では同県黒部市生地の黒部漁港は?

 

タイトルであるこの橋、生地中橋で渡っている。これは海側から。

反対の港側から。一見何の変哲もない普通の橋・・・に見えるがそうではない。

真横にでかい看板が掲げられている橋なのだ。そして

なぜか弧を描いている橋と橋台のつなぎ目。

そして信号機と遮断機。そう、この生地中橋は橋が動く可動橋なのだ。

可動橋自体は全国的に探してみるとそこそこの数があるようだが、現役で随時可動、そして観光用ではない生活道となるとかなり限られてくる。

更にこの橋は機構的に世界でも珍しい片持ち旋回式可動橋。片方が基点となって回る、つまり時計の針を思い浮かべて欲しい。

橋の下には旋回するための車輪や機構が見える。

銘板には1982年の文字。以前は昇降式の可動橋だったのが、旋回式に作り替えられたという経緯を持つ。

この日は黒部に出張で、出勤前の僅かな時間に立ち寄ってみたのだが、運のいいことに最初に橋の写真を撮ってから8分後に回転ランプが光り始めた。橋が動く!

遮断機が降りて

櫛歯状のラックレール(?)が

ガコンッ!!(効果音はイメージです)

少し浮き上がった後、対岸に畳まれるように動いていく。そして

 

海から戻ってきた漁船が通過していく。

信号と遮断機と物理的にも通行止めとなった生地中橋。

漁船通過後は速やかに戻っていき

グワッシーン!(効果音はイメージです)

遮断機の棒が一瞬たわみ

開通。

あっという間に元通りに。全部で4,5分くらいだっただろうか。稼働しているのをこの短時間で見られたのはラッキーだった。それと写真の茶色い建物が制御管理室になる。漁船から連絡を受けて、ここで橋を操作する。24時間体制で大変そうだ。

 

だがしかし、黒部漁港を渡る手段はこれだけではない。渡るのではない。潜るのだ。

生地中橋より少し港側にある地下道の入口。そう、こちらも珍しい海底地下道なのだ。

こちらは小学校への通学が楽になるようにつくられたという。橋が動いて子供が漁船の下をくぐる。と書くと改めて面白い場所だと思う。


          生地中橋 (富山県黒部市)完


    参考サイト ウィキペディア

          魚の駅「生地」HP

          NAVITIME Travel