今すぐ頭上の軌道跡らしき石垣にとりつくのを我慢し、通り抜け不可の看板まで戻ることにした。それはこの辺が怪しいと思ったからだ。
基本、トロッコは山から木を載せて自重を利用して下ってくることが多い。が、この先は山に向かって下り坂になっている、つまり山側からだと登り坂になってしまう。このようなパターンだとここで軌道は現道から外れている可能性が高いと考えた。
横の民家の敷地に入らないよう山際に入り込んでみると、斜面と平地の境目に平場があった。路盤のにおいがする。
平場に足を踏み入れる。雰囲気からしてどうやら軌道跡に間違いなさそうだ。起点方向を望むと民家の裏手のほうから続いているようだが、さすがにそちらへは入れない。あ、軌道跡を見つけたことで民家の向こう側とか調べるのを忘れてしまった。失敗失敗。だがこの付近で車道を外れたのは間違いない。
8月だけあって草が凄いが、路盤ははっきり残っていた。
やがて左に曲がっていき、前方が開けてきた。
どうやら広くて浅い谷間のようだ。
振り返った場面。路盤は黄線のように消失しており橋台も残っていなかった。
ごく浅く水が流れているのみの谷間は作業道らしきものがあったが、軌道跡の痕跡は何も残っていない。
対岸も橋台付近はあやふやで分からなかったが、少し進むと路盤が復活した。
石垣の擁壁だ。これがあると路盤が安定する。そして軌道らしさが増す。
ふと気づくと先程通った車道の上だった。下を走っていたときはまったく分からなかった。
路盤は安定していても倒木などで道は荒れている。まあ使われていないだろうし。
やがて大きく左に曲がっていき阿賀川沿いから支流の奥川へと入り込んで行く。
通行止めの柵の手前にあった電気の施設が見えてきた。
ここまではなんとか下に降りることも出来たが
ここからは崖っぷちだ。下は道路だけど。
苔むした境界標?がある。
崖に穿たれた軌道跡を進む。
旧国道の上を進んでいく。
土砂崩れだ。しかし岩や土砂の堆積はあっても、足元の崩落がないのは助かった。そのへんは下に道が通っているおかげだろう。
ちなみにこの時、蒸し暑い中を呑みかけのペットボトル1本で突入してしまい、下に逃げることも出来ず無心で前進していたのが実情(乾)
ちなみにこの奥川森林鉄道、福島県初の森林鉄道にして明治45年から昭和33年まで稼働という古参にして長寿の部類に入る軌道だ(だと思う)
たまに浅い切通しがある。
きのこ?いや、さるのこしかけか?・・・・・・・水分て含まれてたっけ?
奥川森林鉄道 起点付近 3 へ続く
参考サイト 林野庁ホームページ 奥川林道