人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

早川沢の杣道(木馬道) 其の6 (完)(静岡県浜松市)

足元の石垣をチラ見しながら登っていく。

小さな沢に組まれた橋台から低い石垣が奥へと続いている。ここはこういう細やかな造りのものが多い。

しばらく登ったあと180度ターンして向きを変えて更に登っていく。

石垣で組まれた道の先に沢が現れた。

ちょっとしたナメ滝のような急な流れだが、足場があったおかげで簡単に渡ることが出来た。

振り返ってみて。ここに道を通すのは大変だっただろう。

更に高度を上げていくと

視界が開けて明るくなった先に現れたのは

片道門!・・・っぽいもの。

飛び出た部分の岩を削って結果的に片洞門のように見える感じだ。そして、路盤の横にもさりげなく低い石垣がある。

その後は何カ所かの石垣以外に特に目を引く土工はなく、適当なところで引き返した。しかし撤収はしない。

其の5で見つけた看板があった場所まで引き返した。実はここで支流というか道が分岐していたのだ。そちらに行ってみる。

こちらにも木馬道と考えると立派すぎる石垣の道があった。

やがて緩やかなカーブを描き

川を渡っていた。ここまでの橋は全て落橋しているが、どんな木橋が架かっていたのだろう。

断面の綺麗さから見て、これらの石垣は当時のままだろう。そして綺麗なだけじゃなく、ここの木馬道は丁寧に造られていると思う。

ここで木馬道の種類について簡単に説明したい。そもそも木馬道とは枕木のように横に並べた木(盤木)の上でそりを引っ張って運ぶ運搬方法だが、その形態でおおまかに分けると、立体的に木を組んで盤木を高架状にした桟橋と、地面に直接盤木を敷く土道の2つに分けられる。桟橋は木製ということもあって現在はほとんど残っていない。朽ちかけたもののを除けば、再現されたものやごくわずかな現役ぐらいだ。隧道で有名な大鯛木馬道や当ブログで紹介した立会川木馬道、全国の山や渓谷に残る木馬道と呼ばれるもののほとんどは土道である。この早川沢もそうなのだが、他に無い特徴として平坦な場所で簡素とは言え石垣を組んだ築堤が造られている。通常はせいぜいが盛土か、それこそ桟橋のはずだ。これは、あくまで自分の知る範囲なので実は珍しくもなかったということもあり得るが、地域性とか木馬道の製法の伝達などで差が出ているとしたらちょっと面白い。まあ、ここの人ががっつり造ってやるぜーと単に頑張っただけかもしれないが(笑)

 

奥に進み堰堤を幾つか越えると建物が見えた。杣小屋(木こりが住む小屋)だろう。

 

中は土間になっており、梯子や道具が何点かあった。

電柱は見かけなかったが電気を引いていたのか。
何はともあれ大物の遺構はこれが最後だった。

無事に帰還。前回の探索から一週間を経て、満開になった桜を満喫する。

隧道などの珍しい遺構があったり、険しい場所に造られたりと、ごく一部が脚光を浴びているが、まだ知られていないすごい木馬道があると思う。コツコツと探していこう。

 

 

           早川沢の杣道(木馬道) 其の6 (完)