2018年4月、前回は深い霧に包まれていた琴川ダムから探索を開始する。目標は杣口林用軌道の更に奥に位置する奥千丈林用軌道。と言っても両者は繋がっており、されど調べてみると管轄の林務事務所が違う。名前が分けて呼ばれているのはこの辺のせいなのか?
湖底に沈む杣口林用軌道はダム湖を抜け、琴川に沿って上流へと続いているが流石に湖に消える軌道跡なんてのは残っていないと思うのでその辺はパスした。
ダム湖畔に位置する集落 ”柳平” 。ふと道路の脇に見えたものがあった。
眼前からとても香ばしい匂いがする。倉庫とも防空壕ともとれる小山に穿たれた鉄製のドアが見える。
入口のの支柱にレールが使われている。林鉄関係か?ならばこの正体は・・・
・・・以前Twitterで助言をもらったが、多分燃料庫だと思われる。この軌道は馬力によるトロッコの引き上げのため動力車は使われていなかったが、それ以外にも作業用などの燃料は必要だったはずだ。しかし割と目立つ場所にあるのにあまり言及されていないような。まあ、すごいとか珍しいというものでもないが。
はっきりとした確認をしていないので正体不明で(笑)
道路に沿って北上。軌道はほぼ道路沿いと思われる。
ゲートの手前に車を置いて歩き始める。
地図を見ると川の左岸を軌道が通っていたようなので、この辺は道路が軌道跡で間違いないと思われる。
河原にレール発見。
こんな案内板があったが
このように昔から変わらぬものがあると、自然と軌道のルートは確定するのでありがたい。
ちょこっと残雪が残っていたりする。
きれいな富士山だ。
車道は橋を渡って180度ターンして坂を登っていく。最初はインクラインがあるのかと思ったが、調べても記録上そんなものはなかったので現道が通るこの坂が軌道跡のようだ。写真は坂の途中から横というか上を見上げたところ。割と絶壁。この辺の写真をろくに撮ってなかったのが悔やまれる。ちなみに橋から上流部分にも琴川に沿って支線が延びていたがこちらは未踏破なのであしからず。
坂を登り切ってしばらく進むと解放されたゲートが現れる。県営林道の起点のようだ。
実を申すとこの時奥千丈の軌道がどこを通っていたのか全然知らなかった。なんとなく琴川の西にある荒川の上流あたりまで延びていたということしか分からなかったので、とりあえず荒川に出て遡上してけば見つかるんじゃないかと思っていた。
とりあえず荒川を目指す。
途中に大量のにょろにょろが。ではなく苗木用のカバーのようだ。
途中から並走していた沢を渡り、荒川の左岸を進み始める。
炭焼き窯の跡。
それらしき平場はないかと辺りを見渡しながら進む。
獣道のような踏み跡を見つけるが林鉄とは関係なさそうだ。
河原に降りてみると木の根と氷で出来た天然のアクセサリーを見つけた。4月でもまだ、氷が張る場所なのだ。
砂防ダムだ。
乗り越えて先に進む。
どなたかのしゃれこうべ。
滝を横目に。
山を眺めると特徴的な岩や残雪が見える。
歩き始めてから4時間ほど過ぎたが軌道のきの字も見えない。
川沿いを離れて斜面を登ってみる。
出た。
杣口・奥千丈林用軌道 雑に探索 5 へ続く
参考文献 講談社 特選森林鉄道情景