人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群① 妹尾森林鉄道 2

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河原の砂利の中から石垣の小道が姿を現していた。軌道跡だ。

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曲がり角を岩の切り通しで抜けていく。

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その先に路盤はない。桟道を通していたのだろう。

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その先の植林地帯には石垣が残っていた。

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 川沿いに軌道跡は続く。ここの乱積みの石垣が何故か印象に残っている。

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 しばらく進むと川が小さな滝になって広場のような河原に流れ込んでいた。路盤はこの広場の手前で消失してしまったが、よく見ると滝の左上に続きが見えたので斜面をよじ登る。

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いきなり視界が広がった。巨大な堰堤とコンクリートの法面、そして右上には分岐で分かれた道路が合流した。

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これは帰りに道路上から撮ったもの。矢印のところで軌道跡が途切れていた。

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高巻きして河原に出ると堰堤の上流の対岸に石垣を発見した。橋で川を渡っていたようだ。

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程なくして軌道跡は上の道路から河原に降りる道に呑まれて消失した。しょうがないので、ここからは道路を使って上流部を目指すことにする。

 

          紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群① 妹尾森林鉄道 3へ続く

 

 

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群① 妹尾森林鉄道 1

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ただ今17年2月、ここは和歌山県日高川町の猪谷橋。橋の右側にある日高川に左手から猪谷川が合流しており、この猪谷川沿いに妹尾林道ー妹尾森林鉄道があったらしい。ちなみに資料は「日本鉄道旅行地図帳」の5万分の1白地図に描かれた大まかな軌道と妹尾森林鉄道の名前のみ。

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猪谷橋上から上流をみたところ。椿山ダムのせいで水面が上がっている。

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左岸に沿ってこのような軽トラサイズの道が延びていたがこれが軌道跡か?

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しばらく進むと川と同じ名の猪谷という集落に入る。この辺の軌道跡は不明だ。川沿いだとは思うのだが。

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なかなかいい感じの橋があったりしたが、軌道とは関係ないと思われる。それはともかく地理院の地図には集落を抜けたところでこの道と分岐して川沿いを進む破線道が描かれており、しかも上流で橋を渡って道は消えている。あやしい。

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 分岐地点でこのような橋を渡っているが林鉄時代より後のものだと思う。狭い。

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林道っぽい道が川沿いに続いている。

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そして地図に描かれた最奥部の橋にたどり着いたのだが・・・むむむ!?

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橋は右にそびえる巨岩をかすめるようにして川を渡っていた。自分的には結構インパクトがあった。

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更に橋自体が意外と新しいことに驚いた。なぜなら、

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 渡った先がこれである。いきなり軌道跡(?)になってしまった。しかも、

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路盤さえも年代物の砂防堰堤の手前で消えてしまっている。

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多分架け替えたと思われるあの立派な橋が意味不明である。考えられる可能性としてはこの味がありすぎる砂防堰堤のメンテナンス用か?というかようやく軌道跡があったと思ったのに一瞬で消えてしまった。本当にここが軌道跡だとすると桟道だったのか?高巻きして堰堤を乗り越える。

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予想通りの展開だ。1面埋まってる。前進だ。

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・・・ふむ?

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・・・( ̄▽ ̄*)ニヤッ.

              妹尾森林鉄道 2 へ続く

紀伊半島の森林鉄道・林用軌道群

林鉄業界で紀伊半島といえば高野山森林鉄道や大杉谷森林鉄道などが有名だが、その他にも大小様々な軌道が存在していた。(ググってみたら3番目にうちの十津川村の記事が出てきた(笑)その中でもわずかでも遺構が残り、尚且つあまり紹介されていない軌道にスポットを当てていきたい。

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まずは和歌山の妹尾森林鉄道。

 

             妹尾森林鉄道 01へ続く

Commuter line act 3(小坂森林鉄道濁河索道通勤路)


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時は流れて17年10月、再攻略の時は来た。ちなみに写真からも分かるようにこの道以外の降下ルートは全くない。急斜面でなくて、崖である。ならば前回降りれそうで降りれなかった最後の難関を突破するしかない。いざ!

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・・・無理でした(笑)。足場になりそうなところはあるが手でつかむ場所がない。岩壁側の突起をつかんだらぐらついて抜けそうになったし、ロープやレールは空中に飛び出しているので使えない。ロープ持ってったけど結ぶ場所がない。こうなればプラン”i”だ。

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ここは数百mほど上流側にある、名勝「根尾の滝」へと向かう遊歩道で、林道から谷底へ降りて更に上流にある滝へと続いている。今回はこれで下に降り、川を下って下から道の続きへとアプローチする、プラン”i(急がば回れ)”である。兵衛谷支線と濁河上部軌道探索でお世話になったが、このれっきとした遊歩道でさえ谷に降りることがいかに困難かを写真の看板は物語っている。

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遊歩道の橋の根元から河原に降り下流方向へ歩き始める。ちなみにウェーダーを着用している。

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そして残っているか分からなかったが予測していた存在が目に飛び込んできた。

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吊り橋だ!ほとんどワイヤーのみの姿だが残っていた。

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そして橋台上に立ったわけだが肝心の”道”がない。がけを削ったり桟道を作ったりした上のほうと違って、普通の斜面の歩道は風化して消えてしまっていた。なんとか道の痕跡が分からないかとあたりを見まわしながら撤退地点を目指して登っていく。

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少し登ると柱状節理(でいいんだろうか?)の岩壁が。見る分にはいいが道を作ろうとしたら迂回するしか手が無い。

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2,30分さまよったあとようやくたどり着く。

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えらく遠回りになったがたどり着いた。手練れの人は昇り降りしているような感じだったが、私は素人なので安全第一です。さて、対岸の攻略だ。が・・・

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対岸も道をロスト!索道方向に向けて川沿いに進んで探してみたが、発見することが出来なかった。以前上部軌道を歩いた際にもそれらしき降りる道を見た記憶がないので、上からのアプローチも難しい。しまらない結果となってしまったが次回があればまたチャレンジしてみたい。

 

 

             Commuter line (通勤路)とりあえず完

Commuter line act 2(小坂森林鉄道濁河索道通勤路)

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17年6月ようやくアタックを開始する。

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踏み板はボロボロだが、骨組みのレールはワイヤーや針金で結構しっかり固定されている。

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振り返って

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前方に白い崖が見えたあたりで道は折り返していたようだ。が、ちょうど折り返しの地点の道の跡がよく分からない。やむをえず真下の位置にある道の続きへショートカットする。

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今度はすぐに折り返し。

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桟道でない普通の道を進んでいくと下のほうにややなだらかな土の斜面が見えてきたが・・・。

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土の斜面に降りる最後の桟道が壊れていてどうにもならない。すぐ目の前に平らな地面が見えるのに・・・。微妙に降りられそうな感じだったが安全第一でやめておく。さて、どうしたものか。

 

             Commuter line (濁河索道通勤路)act 3へ

Commuter line act 1(小坂森林鉄道濁河索道通勤路)

働いている人が自宅と職場を往復する際に使う道を通勤路と言う。そんな通勤路の1つ。

2016年11月、岐阜にある小坂森林鉄道の兵衛谷支線を探索していたとき、人工物が目に飛び込んできた。

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レールで作られた桟道があった。小道が下に向かって降りている。

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ここは濁河川の本流にさしかかったところで、眼下は断崖絶壁である。こんなところに道?いや、この近くには向こう岸の濁河支線に通じる索道がある。基本的に索道は荷物の運搬のみで人はーおおっぴらにはー乗ることが出来なかった。即ち、この断崖を谷底まで(110m程)降りて、向かいの軌道の高さまで(170m程)登らなければいけない。そのための道に違いない。無論天気がいい日ばかりではないだろう。雨、ましてや雪が降ったときにもこの道を使わざるをえなかっただろう。積雪時はどうしてたんだろ。ちなみに楽をしようと思うと、自分たちで加工した吹きっさらしの足場に乗って高さ100m以上の楽しい空中サーカスである。どちらも地獄だ。

それはともかく、今は兵衛谷支線の探索が先決である。あまり寄り道をしていられない。だからちょっとだけ覗いてみた。

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 ・・・・・・行けないこともないが、気軽な代物でないことも分かった。とりあえず好天が続いたあとにアタックしよう。

 

        Commuter line act 2(小坂森林鉄道濁河索道通勤路)へ

 

 参考サイト「山さ行がねが」様

      「森林鉄道廃線跡解体新書」様        

日原古道へ その5(完)

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道の下に落ちていたバイクの残骸に群がる面々。

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微妙に口を開けた坑口を発見。

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どうやら火薬庫らしい。

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壊れたゲートがある広場に到着。

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バケット式温泉でたわむれる漢2人。(プライバシー保護のため画像は加工してあります)

 

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ワイヤーのみが残る巨大吊り橋。犬釘が落ちていたのでレールを通していたのか?

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対岸を見るとkamosikaが。

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そして最後のラストスパート。

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無事にデポした車に到着。皆さんお疲れさまでした。今度ご一緒する機会があれば、その時までには技術と精神をレベルアップして参加させて頂きます(笑)