これはかって奈良県十津川村を走っていた森林鉄道の写真である。十津川村の風屋大橋のそばを起点とし栗平川の奥地を目指していた民間の軌道で、我がバイブルである鉄道旅行地図帳にも載っていないこのネタは同人誌「日本の廃道」様の”三里越え”という峠道の記事でちらりと紹介され、14年8月に行った紀伊半島縦断ツアーの目標のひとつでもあった。なお今回の記事の執筆にあたり、快く許可を頂いた「日本の廃道」様と上の写真を提供して頂いた十津川村歴史民族資料館様にこの場でお礼申し上げます。
ここは国道168号線の風屋大橋。前方に見える高原隧道の手前で右折すると
廃校となった小学校とその敷地が広がっている。ここが木を集めた土場だったらしい。その横にある細い道を登っていくと水平の小道にでる。ここが軌道跡だ。
そしてしばらく歩くと小さな隧道が現れる。その名も”高原隧道”!と、こちらも同じ名前らしい。長さは50mとそこそこあり、反対側に抜けると吊り橋で支流の栗平川を渡っている。最初、冒頭の写真はこの場所を写したものかと思ったが不明である。情報求む。
川を渡った林鉄は写真の集落を抜け奥地に延びていた。が、今回は記事で見たこの隧道がメインだったためここで撤収。この時点で夕方だったのでとりあえず軌道の終点を見ておくかと引き返す。
もうすでに薄暗くなり懐中電灯をつけながら終点を目指すがしばらく進んだところで足元が崖状に崩れており、この日は宿である道の駅に撤収することにした。しかし、翌朝残り数十mのはずの探索が意外な展開を見せる!
十津川村の林鉄廃隧道 02へ続く