3月19日。ここは尾上郷川の出合いに架かる尾神橋の北側。前回見忘れてしまった尾神橋付近の路盤の状況を確認しに来た。と言ってもとりあえず撮っておこうぐらいの感覚で、ロングショットの写真を何枚か撮って満足してしまった。それが最大のミスとも知らず・・・
家に帰って写真をチェックしてみた。前回探索したあたりをアップにしてみると前回見つけた石垣のそばにもう一つ石垣があるのが確認できた。見逃していたか。
前回見えなかった地点まで視線をずらすと、こちらにも一カ所石垣が残っているのを確認出来た。あと、ぼんやりと軌道跡のラインが見える。
これが軌道跡になるのだが本当に痕跡が少ない。
そのまま左、下流方向を撮った写真をチェックしてみるがこの辺はなにもない。
橋の右側。
と橋の左側の写真。期待していた貯木場はまだ見えない。
最後に橋の下あたりを撮った写真をチェック。(2つ前の写真より少し拡大して撮影)・・・む?写真の右側を拡大すると
おお、ここにも石垣が残っている。ここが路盤か・・・いや、まて!?
この石垣の角度だと右の尾根にぶつからないか?まさかここにも隧道が!?
すると右の方の暗がりも怪しく見えてきた。まさか、ねぇ・・・
しかし残念ながら撮った写真はこれだけだった。なぜもっと近くや別角度で撮らなかったのか。はやる気持ちを抑えながら次の休みの23日を待ち焦がれた。が、
御母衣湖の水位が上昇し始めた。
うそでしょ!?雪解け水の流入に備えての渇水期が終わってしまったのか?なんつうタイミングだ! ・・・ほどなく水位の上昇は止まったが、19日訪問時より” 4m ”水位が上がってしまった。
あきらめて静かな気持ちで臨んだ23日。尾神橋の南側から見下ろした例の場所。雪が降ったようだ。
これが
これだ。石垣は完全に水没している。うん。わかっていたけどね。
ちなみに暗がりのほうは・・・うーん、何とも言えない。 が、微妙だ。
正直、尾根の部分は隧道の可能性が高いと思った。この鋭い尾根を回り込んでいたとは考えにくい。逆に暗がりのほうは可能性が低いと思う。写真で見る限りこの角度では山側に突っ込んでしまう。それに小黒谷ではちゃんとしたコンクリートの坑門だった。こちらは素掘りというのも違和感がある。でも、どうせなら2連隧道のほうがうれしい。
できれば間近で見たいところだが、黄線の位置の林道からここに降りるのは流石に無理無茶無謀だ。ならばボートはと調べてみたが尾神橋付近は進入禁止区域だった。まあそれ以前に水没しちゃってる訳だし、そもそも埋もれてるし。
対岸の更にむこうにある、かの六厩川橋に比べ遥かに近く、限りなく遠い目の前だ。
橋の下に降りてみた。
やはり横からの接近は無理だ。
せめて石垣が水没していなかったらもう少し確信がもてるのだが、19日の行動がつくづく悔やまれてしまう。1年は長い。今春もう一度水位下げてくれないかな。
この数メートル下に軌道跡がある。
水面ギリギリからの景色。この水面の少し下をトロッコが駆け抜けていたのだ。
後は出来れば当時のことを知る人に話を聞きたいものだ。隧道はここに
あったのか。
尾上郷森林鉄道 13 ダム湖に沈んでいた軌道跡 尾神橋直下 完