人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

池郷川の道々 1

今現在、奈良県下北山村へ北から入るルートが12月23日の土砂崩れにより通行止めとなっており、関西圏からは広域の迂回を強いられている。観光や生活に少なくない影響が出ており、3月いっぱいまでソロキャンしている貞子(現地でコラボ中)も困っているだろう。なるべく早期の復旧を願っている。(崩落部分を迂回する仮橋を6月ぐらいまでに設置するらしい)

                      下北山村スポーツ公園の貞子さん

 

今回はその下北山村の物件になる。長い付き合いにもかかわらずここは未だ全容が見えていないが、その1部を紹介しようと思う。

初訪問は2012年12月。写真は下北山村にある下北山スポーツ公園の入口から西を向いたところ。正面の山に挟まれた場所から右奥のほうへと延びているのが池郷川が目的地で、これからそこに足を踏み入れようとしている。同人誌日本の廃道78号に掲載された軌道跡と隧道を見にきたのだ。

公園の看板には小又川発電所の文字から上流の滝マーク近くへと延びる点線があるが、これの途中ぐらいまでが大雑把だが軌道跡と思ってもらいたい。

墓地の横に車を停めて川沿いの小道、軌道跡を歩き始める。

途中、現在の歩道と軌道跡は離れたり一緒になったりをくり返す。写真では石垣の上が軌道跡だ。

途中、絶壁を桟道で越えていく。軌道時代はここが最大の難所にしてクライマックスであったに違いない。

軌道はほどなく平場で終点となり、その更に奥には入り組んだ地形に隠された不動滝がそびえて行くてを阻んでいる。しかしもう一つの目標はその手前になる。川沿いの岩場を進んでいくと・・・

あった。岩壁に穴が空いている。すごい場所に隧道がある。人ではなく、木を流して運ぶための特殊な林用隧道がその正体だ。ここ池郷川では奥地で採伐した木を川に流して運ぼうとすると、前述した不動滝が邪魔になる。その不動滝を避けるために掘られたのがこの隧道だ。写真で見ていたとはいえ実際にその目にすると非常にインパクトがあった。

下流側の斜面を登り桟道に出たあと、堆積した土砂を乗り越えて進んでいく。(ここは後年シャレにならないほどヤバくなってくる)

坑門に着いた。正面に見えるやばそうな道の続きは一旦スルー。

隧道に到着。1歩中に入ると交通用とはまた違うゴツゴツとした底が印象的だった。

振り返るとすぐそこは空中だ。隧道の奥から流れてきた丸太は勢いよく宙へと飛び出して下の河原に落下したという。そんなダイナミックな運用をされた隧道はこの時・・・

これまたダイナミックに閉塞中だった。土砂ではなく、上流から流れてきた木が途中で詰まっているのだ。

世の中にトンネルは多かれど、木が詰まって閉塞した隧道はこれだけじゃなかろうか。ちなみに現在はこの木は無くなっており、普通に通ることが出来る。

坑口の向こう側に続く道は怖くて進めなかった。ここを進む人はおかs・・・それはともかくなんとか隧道の上流側を見たい。

という訳で少し下流の枯れ谷を高低差100mばかし登る。

林道に出た。

下北山の街並みが小さく見える。

だいたいこの辺か?下流側から行けないのなら、上流側の坑門に直接降りればいい。

おおよその見当をつけてなんとか降りられそうな斜面を降りていく。すると・・・

 

 

       池郷川の道々 2へ続く