前回インクラインの手前まで紹介したが、その前に稲又橋付近の軌道について少し言及したい。時系列的にはこれより後の探索になるが、早い話が軌道は現道より上方を緩やかな斜度を保ちつつインクラインの手前まで降りていっていた。ほとんど崩落したり現道に削られているが、わずかながらレールや切り通しが残っている。
それでは本題であるインクラインのことに移ろう。前回の軌道跡から少し進むとそれは簡単に発見できた。
碌な写真で無くて申し訳ないが、これがインクラインの基部である。ここから延長252mを駆け上がり上部軌道に接続している。そしてこのインクラインの特徴として写真の木のあたりを小さな沢が流れており、木橋でそれを越えていたのである。残念ながら現存せず木材が散乱するのみだが。
下の写真はそれぞれ下側と上側の橋台部分である。
上の橋台から
そしてインクラインが姿を見せる。が、登り始めは植林のせいもあって不明瞭だ。
しかし高度を稼いでいくと・・・
レールこそ残っていないが往年の雰囲気が十分に伝わってきた。
稲又森林鉄道 6 に続く