人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

坂ノ谷森林鉄道 其の5

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インクラインの跡がはっきりしてきた辺りから上を見上げても終点である上部軌道は確認できない。

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横から見て

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下を見て

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レールを発見して

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直登すること25分、上部軌道にたどりついた。全体的に土に埋もれつつあり、写真右上の石垣ぐらいしか人工物が見当たらなかった。とにかく前進してみる。

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角を曲がったすぐ先で岩がごろごろ転がる枯れ沢に軌道跡は消えていた。昔は橋があったのか?f:id:msx4:20180604225415j:plain

 沢を越えると軌道跡は復活した。関係ないが森林鉄道の中でも上部軌道というと更に隔絶された感があってゾクゾクする。しません?f:id:msx4:20180604230923j:plainf:id:msx4:20180604231113j:plain

石垣や

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 たまに枕木も

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やがて軌道は右に曲がり、大きめの沢が左下に見えてきた。

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そこそこの水量がある沢だ。おそらくこの下に案内板の滝が。つまり、ここを流れていくと大変おもしろいことになるにちがいない。

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というのも川底が一枚岩のようになっており、とても滑りやすそうに見えたからである。(実際に歩いてみると見た目以上にグリップがしっかりしていた)

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沢を越え更に進んでいく。

 

             坂ノ谷森林鉄道 其の6へ続く

坂ノ谷森林鉄道 其の4

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 左側の坂道は作業道。軌道跡は中央を真っ直ぐ。右に小さく見えるのが林道だ。

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暗渠(排水口?)がある石垣もあったりする。これは下から見たところ。

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林道が川を渡る橋の横に駐車場がある。この奥にある滝の見学者用らしい。軌道跡は写真の左上にある。

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ここから林道と別れて山中を進むことになる。ちなみに見学用の歩道は急な坂道で軌道跡ではない。

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5分と歩かないうちに軌道跡は川に突き当たって消えていた。だが石垣こそないものの

築堤が築かれており、橋で川を渡っていたようだ。

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しかし対岸には軌道跡は見受けられない。右にも、左にも。

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普通に斜面があるだけ・・・のように見える。が、正面を真っすぐに登っていくと

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急な坂道が姿を現す。インクラインだ。

 

             坂ノ谷森林鉄道 其の5へ続く

坂ノ谷森林鉄道 其の3

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軌道跡はこのように沢沿いの山側に向かって曲がっていたと思われる。なぜなら

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極1部ではあるが曲線を描く石垣が残っているのだ。そして

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180度ターンして沢を渡っていた。つまり、つづら折りで高度を稼いでいたのだ。

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沢を渡ると右に曲がり

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またもや180度ターンして切り通しを抜けて

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3たび沢を越え

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林道の方へと山肌を登っていく。

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が、林道を見下ろすところで軌道跡は消えていた。林道工事の際に削られてしまったようだ。

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 しばらく林道から上を見ながら歩くと枯れ沢(?)があり

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写真は起点方向を向いているが、ここから軌道跡は復活している。そしてわずかだが石垣も残っている。

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ここから林道に平行して軌道跡は進んでいく。

 

 

             坂ノ谷森林鉄道 其の4へ続く

坂ノ谷森林鉄道 其の2

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橋(の跡)だ!軌道はここで本流を渡っていた。橋台と築堤がとてもきれいに残っている。

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下流方向から。

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対岸から。

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そして今度は左岸に沿って進んでいくが、林道の対岸という人が入りにくい立地のせいか枕木が少し残っている。

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森に還りつつある枕木と犬釘

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100mも行かないうちに右岸に戻り

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今進んできた下流方向に向けて坂を上り始める。

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最初に渡った橋跡を下方に見下ろしながら(ここは3枚目の写真の上部だ)右折して進むと

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林道が切り通しになっている場所に出てきた。このあたりは林道を造る際に林鉄時代よりもだいぶ掘り下げたようだが、ここからまた林道が軌道跡だと思われる。

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 しばらく進むと橋がある。 

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 林鉄は昭和35年で廃止されたそうである。だが注目すべきはこの橋ではなく

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橋の横である。

 

             坂ノ谷森林鉄道 其の3へ続く

坂ノ谷森林鉄道 其の1

今回のレポートですが、実は1回目に踏破したときの撮影データを間違って消してしまったため2回目の探索時の写真で紹介します。そのため本来は発見した順番で紹介するつもりでしたが、わかりやすく起点から順に紹介していきたいと思います。

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兵庫県鳥取県の県境に位置する戸倉峠から兵庫側に少し下ると写真の光景が目に飛び込んでくる。やまめ茶屋の看板が立つこの空き地こそが坂ノ谷森林鉄道の貯木場である。と言いたいところだが資料無しの実地調査のみなので正確なところは分からない。

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この道が軌道跡である。

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 少し進むと支線との分岐がある。草が茂っていて分かりずらいが写真の右下に橋台が残っている。そして対岸を見ると

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橋台が木々の間に見える、が、当時の軌道の線形がいまいち分からない。支線は支流に沿った林道が軌道跡らしく、急坂になったところで林道を外れてしばらく進んだ平地が終点だと思われる。1回目に探索したが2回目はパスしたので写真はない。あしからず。

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やまめ茶屋の隣を抜け上流へ向かう林道が軌道跡である。

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そのうち写真のような広場が現れる。以前先行偵察したときには重機が止まっていた。

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高度を上げていく林道を横目に広場の奥へ進んでいくと

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浅い掘割が姿を現した。軌道跡だ。

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軌道跡は川沿いに進んでいく。

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そして現れたのは・・・

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             坂ノ谷森林鉄道 其の2へ続く

次回予告

仕事がひと段落ついたため活動再開。

以前記事にした音水、中音水支線を含む波賀森林鉄道。

そこから更に北に進むと兵庫県鳥取県の県境に戸倉峠がある。

戸倉峠には新、旧のトンネルがあるがその更に上には

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未成隧道がある。というのは一般的な常識だが、兵庫側の峠の手前にもう一つ森林鉄道があることはあまり知られていない。それがこれだ。

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     ”坂の谷森林鉄道” マイナーで小粒だがおすすめの一品である。

富士林用軌道 吉田胎内樹型付近 後編

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軌道跡は小さな石垣の土盛りと

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荒々しい切り通しを抜けて真っ直ぐに延びている。

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胎内神社に近づいたところで緩やかに右にカーブを描き

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行きに渡った枯れ川に沿ってしばらく進む。

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しばらく進むと軌道跡は途切れてしまうが、足元と対岸に橋台が残っていた。橋(たぶん木橋)自体は残っていないが貴重な遺構である。

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おそらくこんな感じ。

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 川を渡りしばらく進むと道と交差していた。なぜか道に出るところに枯れ枝が積んであったが一応道を塞いでいるつもりなんだろうか?

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道を越えると倒木だらけの掘割になり

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 先ほどの川の支流に出ると今度は坂道で河原に降りて地面に飲み込まれていた。橋があったかは分からない。

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対岸には土手を斜めに削った掘割が左・・・下流方向に延びていた。

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軌道跡はこの後川沿いに進んでいたようだ。が、一番最初に迷った原野に突入したあたりで完全に軌道跡をロスト。遺構が何もないほぼ真っ平な原っぱではどうしようもない。

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それでも地図と地形を見ながら彷徨うこと10数分でなんとか軌道の続きを見つけることが出来た。このあたりから軌道跡の土盛りが明瞭になっていたおかげである。

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テープの目印があったので一応は道として使用されているのか?この道もほぼ真っ直ぐに伸びており、やがて車道にぶつかった。富士北麓公園の南の道だ。

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写真は車道から出てきた軌道跡を振り返ったところ。こちら側から見ても藪のせいで気づくのは難しいだろう。

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車道の反対側を見ると一見何もなさそうに見えるが・・・

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 藪に踏み込んでみると軌道跡の掘割が姿を現した。

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 掘割を抜けると平地になったがこれまでの経験から曲がらないように真っ直ぐ進む。

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軌道は地図にあった林道に合流する。ここからの林道は軌道跡を転用したものだろう。

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振り返ってみて。黄線が軌道跡。廃道部分はここまでのようなのでこれで撤収。川沿いの林鉄と違って地味だが意外と楽しめた物件でした。

 

            富士林用軌道 吉田胎内樹型付近 (完)