人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

割石の裏高崖 1

大変お待たせしました。更新を再開しますが、おいも谷は再訪してからレポの続きを書きたいので一時中断します。では、とある古道のレポートを。

 

ここは岐阜県飛騨市神岡町の割石。写真には割石集落の南側にある絶壁と割石橋が写っているが、以前記事にした越中中街道の最後で絶壁の下を通る街道の他にもう1本絶壁の上を通る道が古地図に描かれていたと述べたことがあった。この日は林鉄の探索を行い微妙に時間が余ってしまったので、そこを覗いてみようと思いついた。

街道を探索した時の8月はご覧の通り緑に覆われて道など見えないが

1月には葉が消えてよく見えるようになった。写真は一枚目を拡大したもので、一度折り返して稜線に登る道の跡が確かに見える。あれが古道か・・ん?でも何か・・・まあ、ちょっと行ってみよう。

当初、割石温泉の裏手を通って山にアプローチしようとしたが、雪と斜面の前にあえなく撤退。

それならばと温泉の少し下の車道のカーブから突入。

ときどき雪を踏み抜きながら民家の裏手を進んでいくと

小道があった。ここか?

しかし小道は落石用の柵に突き当たって消えてしまう。しかもそこから見下ろしてみるとどうも高さが低いような気がする。ここは違ったか?

もっと上なのかと斜面をよじ登っていく。

ややなだらかになった所で一息つく。・・・・・ここ、なんか平場が続いている、というか・・・道のような気がする。

道らしき所を登っていくと、平行な平場に、いや、これは間違いなく道だ。林鉄跡とはまた違った恐ろしさがある。

あらためて見下ろしてみると国道からかなりの高さがある。この急斜面の下は例の岩壁だろうか?落ちたら〇ぬ。

足元をよく見るとわずかに石垣らしきものもある。

しかしおかしいぞ?下から見た時は道は稜線から現れて下り坂になっていた。ここから写真を撮った場所が見えるということは、ここは下り坂になっているはずだがそうなってはいない。ここはどこだ?

実は下から見た時に気がついたこと、というより推測したことがあった。

下から最初に見た時、このように道が通っているように見えたのだが

はっきりとは分からなかったのだが、つづら折りで登らずにそのまま横に延びる道があるようにも見えたのだ。つまり廃旧古道の匂いがした。

そして今立っているところがその廃旧古道だとすると辻褄があう。だが、しかしこれは・・・・

雪の中から古びたロープを発見。よく見ると前方にもロープが張ってある。しかし、しかしだ。信頼できないロープを頼りにこの薄く雪が積もった小道を前進するのは危険に思えた。というより怖気づいた。撤収。

帰りは最初に行き止まりだった落石用の柵の横から文字どうりの踏み跡が下に延びていたのでそこを下った。

越中街道に滑り落ち、割石橋の袂から国道に出た。あの先は気になったが久々に生命の危険を感じたので突貫するのはやめた。でも下から見えた道に行くことが出来れば廃旧古道の存在を確認できる・・・

 

   割石の裏高崖2 へ続く