人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

割石の裏高崖 4

引っ越しもひと段落した3月の下旬、雪も姿を消した割石に性懲りもなく訪問した。前回使用した巡視路は使う気が失せてしまったが、最初に発見した北側からのルートを雪が溶けた今行けるだろうかと思い立ったのだ。

最初に道を見つけた場所に立つ。まだここは安全。しかしあらためて見るとこの狭さでは牛馬が通る道ではなかった?

後ろを向く。前方の曲がり角を曲がったあたりで道は消滅していた。古地図によると割石集落を迂回するような形で〇〇〇へ道が延びていた。(正解は次回)

このへんから廃旧道は本格的に牙をむいてくる。

急坂を登ると

前回の撤退地点だ。雪はもうない。

よく見ると金属製の落石防止ネットが張ってある。確かにここだと落石が国道に届きそうだ。

慎重に足を進める。

ロープはお守り替わりぐらいに考えていたが意外としっかりしていた。単に道の危険個所に張ったと思い込んでいたが、この落石ネットの工事の際に張られたものかも。

斜め下の景色が段々とすごいことになってきたが、目の前の岩を曲がれば

見えなかった景色が見えた。

”崖を穿って造られた道”が目に飛び込んできた。

下は割と絶壁だ。

しかし進路上に地味に嫌な障害物が見える。

くぐるには狭いし乗り越えるには足が崖っぷちすれすれにしか届かない。第一、この倒木は固定されてるわけではないので、下手に力をかけたら滑落して巻き込まれる可能性がある。

ここで少々悩んだ。

足元を1枚。現地ではカメラを向けてパシャリと撮っただけだけど、写真で見ると怖い。

結局、下をくぐった。しかしこの下にもネットが張ってあるのは驚いた。

片洞門とまでは呼べない岩の掘削痕。それでもちゃんとした道の痕跡だ。

 

真上もごつい岩盤というか岩塊がそびえている。

造られた時代は不明。タイトルで古道と謳っているが手持ちの資料では大正以前に出来たとしか判らない。

次の曲がり角まで来た。デカい石が転がっている。

この赤スプレーの跡からすくなくとも近年にここを改修しようとしたのだろう。最初はここを巡視路として使用するつもりだったのかも。いや、無茶だろ。

なんとなく後ろを振り返る。ここが登山道でなく、生活道路? さて、角の向こうは・・・

崩れてはいないが、右に岩壁がないため土砂が流れ込んで道が斜めになっている。

掴まるようなものはないが多分行ける。しかしここで撤収することにした。

数少ない木に体重をかけて一服する。身体はともかく精神が疲れた。

帰路についた。

上から眺めた割石の集落。

そして対岸には旧国道や神岡軌道の跡が見える。次回は残りの探索とこの道について簡単に解説したい。

     割石の裏高崖5 へ続く