人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

割石の裏髙崖6 (終)

 

富山市内から冬の北アルプスを望む。県外から引っ越してきた自分にとっては絶景である。これから赴く場所はこれほど雄大ではないが、小さくても険しい場所だ。

割石集落の南にある岩壁の上を行く古道であり廃道でもある断崖の道。以前、途中で撤退したこの道に再度チャレンジする。ちなみに以前のタイトルは流石にアレだったので「割石の裏高崖」に変えました。実際、こちらも高崖の道ですし。

割石温泉の駐車場の隅に車を置いていざ突入。

斜面を登り道に降り立つ。林の中なのでまだ安全。

だんだん視界が開け、それに比例して危険度も増していく。

崖っぷちに突入だ。

この場所の序盤で何が怖いって落石が跳ねて国道まで落ちること。ここまで来れば届かないだろうが。・・・届かないよね?

ささやかな片洞門の岩壁と

倒木を越え

曲がり角を曲がる。

前回の撤退地点だ。

足が鈍って進めなかった場所も2度目はなんなくクリア。見えなかった曲がり角の先へ。

下を覗くと橋の上の工事関係者らしき人の声が意外と響いてきた、なんとなく気づかれないようにそろそろと進む、

土砂が積もった斜面を突破すると

やや穏やかな場所に。一息つく。

岩壁に沿って慎重に足を運ぶ。と、

・・・・・

先の方は同じような細い道が続いているが

谷のようにやや窪んだ場所には人工か天然か分からないが木が架かって?埋もれている。そしてその上には土が斜めに積もっており、手でつかめるようなところはない。距離にしてほんの2,3歩だが嫌な地形だ。

先が見えてるので後必要なのは慎重さと平静な心だ。

クリア。

ここも下まで一直線だ。

細い道をなるべく岩壁に寄り添って進み

角を曲がると先の方が明るく開けて見えた。ゴールだ。カーブの先に新道との合流地点が見える。

少しだけ施工された石垣を見ながら進む。あと一息だ。

なぜかここで理由は思い出せないが下の方ばかり写真を撮ってる。誘われたかな?(何に?)

到着。2度目の探索時にこの先は無理だと諦めた場所に立つ。なんだかんだ言ってなんとかなるものだ。

まあ、戻れと言われたら拒否するが。

せっかくなので行ってなかった南側に足を踏み入れた。

多少斜めになってるが、今来たところと比べると死ぬほど平穏である。意外だったのは一部だがコンクリートで施工されていたことだ。もう意味をなしていないが。

黄色の矢印のすぐ先が反対側から登って来て撤退した場所、というところで藪を揺らす音がした。プ-さんではないだろうと思ったが即座に撤退を決めた。崖っぷちは平常心で恐れずとも、野生生物(物理)はいかんともしがたい。

写真を撮りながら小走りで撤退。

新道の坂を登ってその場を離れた。

探索の名のもとにこの道を通ったわけだが、昔はどうだったんだろう。大雨や雪や夜の暗闇に通れる気はまったくしない。昔はそれでも通っていたのだろうか?直下を通る、より安全な越中街道のことを考えると、更に古い道、もしくは増水時のエスケープルートなどと妄想ははかどるが、調べる気はないので悪しからず。

 

 

 

 

最後に分かりにくいが下から見た道の場所を。絶壁を回避するギリギリのところに造られているのが分かる。やはりすごい道だ。

 

       割石の裏髙崖 終

 

    それでは皆さまよい廃道を