切通しの先も切り立った崖沿いの道が続いている。
木々に遮られて谷底は見えない。が、かなりの深さがあることは分かる。
それでも15分程歩くと川が近くなってきた。所々に大岩が作り出す小さな滝が目を楽しませてくれるが、これでは川に切った木を流すのは難しかっただろう。
浅い切通しは枝打ちした枝葉が積もっているが、崖沿いの道よりは安全だ。
滑りたくなるようななめ滝を横目に前進する。
唐突に1本だけ植生がちがうのが生えている。首をかしげるが、それより目を引いたのは
飛び出た岩を削って造られた道。こういうのが良いのだ。
川で途切れた道は対岸に続きが見える。木橋があったのだろう。
木馬道の横に降りて見てみる。足元には石垣が、いや、これは橋台か。
対岸は削られて地肌が見えているが、歩いてきた下流側は意外なことに元の形を留めていた。作りがしっかりしていたのか、運が良かったのか。
岩の間を縫うように、というか穿ちながら勢いよく川が流れている。
道の横に鎮座する大岩も良く見ると削られているような。
そうこうしているうちに2度目の渡河だ。
当たり前だが木橋は残っていない。森林鉄道のものでさえ希少なのに、昔の木馬道の木橋や桟道はほぼ皆無だろう。
まあ、木馬道後の木橋は残っているが。
でも信頼度が低いので回避。
植林帯に入った。
川沿いの造成地は石垣でしっかりと支えられている。
更に上流を目指す。この後も予定があるのでタイムリミットまでにどこまで行けるか。
荒谷木馬道 3 へ続く