気田森林鉄道「仙郷橋」。これは自分が初めて撮った林鉄の写真だ。静岡県西部の山奥に位置するこの森林鉄道は本線の全長が33km。初めて歩いた林鉄であり、最も多く訪問した林鉄でもある。少し長いレポートにお付き合い頂きたい。
気田森林鉄道 1 へ続く
ここはJRの赤倉温泉駅の近く。のどかな田園風景が広がっているが・・・
田んぼの向こうに見える堰堤と鉄橋。これが見てみたかったもう一つの物件だ。
大森山林鉄の明神川橋梁。細い、しかし長大なプレートガーターの元林鉄の鉄橋である。
橋の南側は文字通り緑に呑まれている。上へ通じる道らしきものがあったが、激藪と泥のせいで断念した。しょうがないので地図を片手にう回路をさがすことにする。
畑のあぜを通り、藪をかきわけてなんとか上側に出ることが出来た。
場所的に考えるとここのようだが・・・ここ?
しかし藪をかきわけた先には通行止めと別ルートを示す看板が。そして・・・
いい景色だ。の一言につきる。できれば渡ってみたかったが自重した。(丸見えだし)
もしもう一度来ることがあれば藪のない季節に来たいものだ。さて、これで目標はクリアしたわけだが暗くなるまでにはまだ時間があるし、ここまで手軽に来れるような距離でもない。というわけで時間の許す限り軌道跡を探索することにした。
しかし林道でアブにたかられただけであえなく退散。最後にケチがついたと思っていたら車道の対岸にナニカが見えた。回り込んで探してみると、どうやら右の道が怪しい。
あれは・・・
まさかの木橋。木の部分の古さから見て林鉄時代のオリジナルか?にしてはこのメインの橋脚のみ総コンクリというのは見たことが無い。うむ、わからん。
鉄パイプのつっかえ棒はともかく、草木に隠れていたこの小さな橋脚はオリジナルか?
でもメインがコンクリでサブが木製というのもなんかちぐはぐだ。そもそも本当に林鉄のものなのかも断定出来ない。でも、貴重な木橋だからぶっちゃけ半分ぐらいはどうでもいいやと思っていたりもする。
路盤(?)と思しき道の横には小さな池があった。
池は・・・レール!?
池のくびれた部分にかけられた木の橋の隣になぜかレールが。しかもポイントのやつだ。この土地の地主さんナイスだ!あと不法侵入してしまい申し訳ありません。
池に架かるレールの向こうには木橋が・・・いい景色だ。
満足して帰ろうとしてふと気がついた。ここが軌道跡だとすると・・
田んぼの用水路の上のコンクリの隙間から木の桁が見えている!
しかし流石にこれはなんとも言い難い。当時のモノだったらいいなあと空想しつつ東北でのミッションを終え帰宅の途に就いたのだった。
東北遠征日帰りの旅 完
途中で立派な旧橋を見かける。座主橋という橋の旧橋だ。
現在の橋の銘板の上に門のミニチュア?正体はこの数十分後に判明した。
現存する江戸時代の番所の門がその正体だった。なんだか観光っぽい(笑)
ちなみに旧橋のむこうに旧旧橋の跡があった。こちらはダムに止めをさされたのか。
そんなこんなで更に進むと目的地が近づいてきた。宮城、秋田、岩手の県境に位置する山々の一角が今回の第一目標だ。
登山、観光用の駐車場に車をとめて歩くこと数百m。
見えた。あれが・・・
木のレールの上に鉄板を張って補強されたという木製レールだ。
流石に鉄の部分はほとんど残っておらず、木製のレールと枕木も一部しかない。
550kmのドライブに見合うものを見たと思う。林鉄の木橋と一緒で一期一会だ。第一目標クリアということで第二目標を目指す。が、その途中で思わぬアクシデントが!
走行中の車の50mぐらい前を黒い影が駆け抜けた。野生のくまだ。散々山奥の軌道跡とか歩いているのにまさかこんなところで人生初遭遇するとは。写真は慌てて車を停めて振り返ったところ。少ないとはいえ民家が点在していたので警察に通報した。毛並みの黒さがとても印象に残った。
走っていた国道の横をふと見るとJR陸羽東線のプレートガーターと古そうな旧道らしき橋が見えた。良いロケーションだ。
タイミング良く通った電車と一緒にパシャリ。
なぜか上部構造物はボロボロだった。素材の関係か?
東北遠征日帰りの旅 さん へ続く
参考サイト 山さ行がねが
前々から気になっていた物件と最近知った物件を見るために7月末に東北(ほとんど宮城だが)に行ってきた。カーナビで片道6時間の道のりを、0泊3日の日帰りだ。
まずは第一目標に向かうため東北道を古川ICで降り、国道47号を北上する。そしてほぼ並行して流れている江合川を渡った時、視界の片隅に橋が見えた。なにかよさげだったので国道を外れて寄り道だ。
長さの割にとても華奢な橋が見える。カーナビに表示されない、つまりそういうことだ。
一応バイクまではOKだが自転車も含めて乗って通っちゃダメですよと書いてある。
目の前をおじーちゃんが自転車に乗って渡っていったがまあそんなものだろう(笑)
改修された部分もあるが元からの橋脚はそこそこ古そうだ。
もうちょっとのんびりしていきたかったが先を急ぐことにする。しかしのどかな・・
・・・風景とは限らなかった。だが、しかし、看板どころかフラグがたったことにこの時の自分は知る由もなかった。
江合川を離れ今度は栗原市に入る。なにか聞いたことが・・・ああ、ここが ”くりでん”があった場所か。などと思っていたら視界の片隅にセンサーが反応した。
側溝を渡る橋の残骸・・・だがそれにレールが使われている。林鉄よりも太いやつだ。
くりでんのものか?場所は離れているんだが?そしてデジャヴ。以前ネットでここを見たような?
なんか見事に刈りあがった山を見ながら先を急ぐ。
東北遠征日帰りの旅 に に続く
次のネタが決まらないのでふと思ったことを。タイトル通りの敗退の記録。
尾鷲の二ノ俣支線。反対側は10mの岩壁を登る。無理。
早川の左岸道路の青崖北。凹部を越えようとして左手でつかんだ岩が剥がれ落ち、心が折れた。落ちると数十m下の川まで一直線。
奥多摩、日原古道の通称江戸道。先入観を持ちすぎてへたれた。
いつかリベンジしたいけど物理法則はテンションだけじゃどうしようもない(笑)
1瞬隧道かと思ったが、それは切り通しだった。右に向かって大きくカーブしており、ここで180度ターンして再度上流に向きを変えていた。
中で振り返って
名称は知らないがこの特徴的な岩盤のせいで強く印象に残る場所だ。
枕木や石垣、木橋跡などいろいろな遺構をしり目に前進する。
そして本流がまた近づいてきた。
再度川を渡ると対岸に石垣の軌道跡が続いている。
しばらく進むと開けた場所に人工林が広がっている。軌道跡は不明瞭になるがなんとか
トレースして進んでいく。そして
林道に突き当たって軌道跡は消えていた。ここからは林道にのまれ
る前に、道の向かいに切り通しを発見。林道に合流したとき下り方向を向いていたが、これで登り方向(写真の左側)に方向転換していたのだ。
今度こそ軌道は林道に合流というかここから軌道跡を林道に改修したのだろう。
しばらく林道を歩いて変化がなかったのでそこで探索を終了した。地図上では林道はまだ1kmほど延びているが果たしてそこが終点なのか。はてさて?
林道をてくてくと下る帰り道で、林鉄跡ではお馴染みのレール製のグレーチングが。
家の横がコレだったら嬉しいんだがなあ(笑)
坂ノ谷森林鉄道 (完)