人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

失われし木橋 1 坂下森林鉄道の木橋

先日再訪問してショックだった岐阜県中津川市の2本の木橋の消失。わずかだが在りし日の姿を紹介しようと思う。まずは坂下森林鉄道の木橋から。

 

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木曽川の支流の川上川を遡っていくと夕森キャンプ場の手前で森林鉄道の機関車のモニュメントが目に飛び込んでくる。ここにはかって私鉄の坂上鉄道とその終点より延びる坂下森林鉄道が存在していた。キャンプ場とその奥の林道に点々とその痕跡をのこしており、その探索のために2015年7月に現地を訪れた。

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銅穴の滝を過ぎ本流を渡る橋の上、ふと左を見ると緑に紛れて何かが見えた。

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「・・まさか」 この時は事前の情報が無かったため自分の目を疑った。

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林道から少し踏み込むと立派な橋台が

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ほぼ完全に残っている林鉄の木橋が!2015年時点でもとても貴重な存在でした。

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ついでに河原でレールを発見。

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木製の方丈橋だ。素晴らしい。

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橋桁が一部破損しているが目立つのはそれぐらいだ。

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写真の質を量で補わせていただきました(笑)そして現在2020年。

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跡形もない。どうやら2015年から16年ごろに落橋したようだ。原形をとどめた林鉄の木橋もいよいよ少なくなってしまった。次回はここから更に登った先に在ったもう一つの橋を紹介する。

 

          失われし橋 2 奥三界岳への林道の大木橋

古座川町の隧道の下の隧道

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私がこの隧道を知ったのは一杯のかき氷のおかげである。 紀伊半島の最南端に位置する古座川町。その名の由来となった古座川を探索のため上流へと向かっていたが、道の駅一枚岩を過ぎてしばらく進んだ後、食事をする店がないことに気づいた。それどころか食品を売っている店さえも見当たらない。さてどうしようと思っているとのぼりが立った一軒の建物が視界に飛び込んだ。どうやらレンタサイクルもやっている休憩所といったところか。一縷の望みをかけて聞いてみると食べ物は・・・かき氷のみ・・・しかし背に腹は代えられないのでこれがその日のランチとなった。(特産のゆずのシロップ美味しかった)そしてかき氷をたべながら自然と雑談となり、実は木流し隧道とか林用軌道跡を見に来たんですよとしゃべっていると、お店にいた方の一人が中崎というところの川沿いの道のトンネルの下にも木流しのために掘られたトンネルがあると言う。そして道からは見えないと。これは行くしかない。

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別の探索を終え、教えられた場所に着いた時には5時半を回ろうとしていた。

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水深が浅く広々とした河原が広がっている。水遊びにはちょうどいいが、木を流すには苦労しそうな地形だと思った。

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 少し手前で坂道となり、登り切ったところに現れる短い素掘りのトンネル。名称は不明。この辺りの川に沿って蛇行した部分をショートカットする中崎トンネルが近年開通しているのでこれは中崎隧道(旧)か?

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 トンネルの脇(下流側)から覗きこんでみるが、聞いた通りそれらしきものはここから見えない。

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 少し戻って坂の手前で川に入るが、こんなこともあろうかと長靴でなくウォーターシューズを装備しているので多少無理がきく。

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 上流に目を凝らす。川霧が漂う水面の向こうに暗闇が見えた。あった。隧道だ。

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そのまま近づいて中に入ろうとしたが徐々に深くなっていく。が、こんなこともあろうかと海パンにTシャツだ。が、首まで水がきて右手のデジカメが防水じゃなかった時点で撤退を選択する。デジカメを河原に置いてくれば泳いで行けたが、何かに負けた気がするのでその選択肢はなかった。

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それならばと上流側へと回り込んでいく。

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 ちょこんと突き出た大岩でそこまで大きくはない。

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右上に道路のガードレールが見える。あの高さなら・・いや、それは後だ。

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いかん。こちら側も近づくにつれて深くなっている。実に遺憾・・ごほごほ 

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もう一度下流側に回ってズーム。でっかい流木がつっかえてる。

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一度車に戻って着替え、トンネルの上流側から覗き込む。急斜面だがなんとか行けそうだ。

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行けた。さっきまでの苦労はいったい・・・。

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気を取り直してフラッシュでもう一枚。

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下を見ると岩盤で水は溜まる程度しかない。木を流すならもっと水量がなければならない、それに突き出ているとはいえ、わざわざ隧道を掘らなければいけなかったのか。当時の河原の様子が知りたいものだ。

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ちょっと幻想的な風景だ。

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 最後の写真は6時半をまわっていた。だいぶ遅くなってしまったが逆に観光用のカヌーや釣り人に気兼ねせずに写真を撮ることが出来たので良かったというべきか。

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首まで水に浸かってそのまま動き回っていたので温泉に行ってさっぱりする。それにしても予想外の物件との遭遇・・・やはり現地民は最強でした(笑)

 

             古座川町の隧道の下の隧道 完   探索日2020/7/30

根利森林鉄道その6 第7回根利森林鉄道祭(2014年)

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今から6年前のイベントをレポするのもどうなのかと思いましたが、これも根利森林鉄道の探索の一部と思うので少々お付き合いください。

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朝の7時、イベントが始まるまでの時間を利用して根利の集落から根利川沿いに西へと歩き始める。水害で消えてしまった南郷ー根利区間の端っこをチラ見するためだ。

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そこそこ進んで林道から少し下に降りる。と、

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軌道跡だ。しかし谷があったり路盤が崩れていたりと、そのまま軌道跡をたどるのは難しい。

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林道を外れ、砂防ダムを渡った先に広場があった。ここまでの痕跡からこのどこかを軌道が通っていたと思われるが、時間的にそろそろ戻らないとメインイベントに遅れそうだったので、ここで探索は終了。

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野鳥を愛でつつ会場へ向かう。

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ここが会場の林業機械化センター。その名の通り機械を使った林業の技術研修をする場所である。そしてここには森林鉄道に関する遺産が展示されている。

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 それが長い時間をかけて修理、復元されてきた森林鉄道の機関車と客車だ。写真はアメリカのボールドウィン社製の蒸気機関車。元々は北海道の置戸森林鉄道で大正時代から長く活躍してきた老兵だ。

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 これは協三工業製のディーゼル機関車。北海道や木曽で活躍した。

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米ホイットコム製内燃機関車。走行可能で、この日も短距離だが運材台車を引いて運転された。

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木曽のB型客車。当時はまだ修復中だが2017年に修理が完了し赤く再塗装された。

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その他にも根利森林鉄道の路盤の現況や機関車の模型など様々な展示がされていた。

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こんな感じで林鉄ファンにとっては至福の一日でした。

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 帰り際に南郷と根利の中間の小松の集落付近の軌道跡でパシャリ。

 

             

根利森林鉄道 その5

第1回探索から1カ月後の2013年5月。今回は前回見れなかったある遺構をピンポイントで探索するために訪れた。

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ここは根利の集落から林道を登り、ゲートを過ぎてしばらく進んだあたりのとある沢。ここから沢を下っていく。

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少し降りると橋台=軌道跡が現れる。

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しかも上下2段。写真の右上が新軌道、少し分かりにくいが左下が旧軌道だ。

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 このあたりは路線の改良で新旧2つの路盤が平行している。

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このうち上の新軌道を下流側へと進んでいくと、大きなS字カーブで高度を下げていく。

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 川辺まで降りていく軌道跡。ちなみに旧軌道はS字を貫いて真っ直ぐ下っている。

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奇跡的に橋桁の一つが残っている。

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そして川面がいよいよ近づいて来たころ前方に暗闇が

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素掘りの隧道だ。 名は不動隧道。手前に木橋用と思われる穴が開いている。

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20m程の隧道だがきれいに残っている。

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 不動隧道を抜けるとすぐにもう一つの見どころが現れる。

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通称 "かぶりの淵” とコンクリート橋台だ。

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 岩屋状に大きく抉れた淵を橋で越えている。

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 何の部品だろう?

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 下流側から

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割とすごいところに橋台が建っている。

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更に下流に進むと木製の桟道の跡が残っている。

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隧道や橋台はまだ残るだろうが木製の遺構は残骸でも貴重になりつつある。

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 熊笹の藪が現れたところで撤収。そのまま直登するとゲートの傍に出た。そんな感じでさらりと1点集中の探索でした 

 

           続きか別ネタか 次回未定です

 

     参考文献 山の幸を運んで 発行 よみがえれボールドウィン実行委員会 

根利森林鉄道 その4

軌道はこの後何度もS字を描きながら川沿いに上流の終点を目指す。幸い川に平行して作業林道が途中まであったので、うまく活用しながら分かる限りの軌道跡をトレースしていった。はずだが、ぶっちゃけ写真を見直してもよく分からないので今回は時系列順にスライドショー形式で。

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残雪が残っている。

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何回か川を渡っている。

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かろうじてだが木の橋桁が架かっているものもあった。

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本流ではない小さな沢も何カ所か渡っている。

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枕木が残る桟道跡。

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犬釘もいらっしゃった。

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とても小さいが残存していた木橋を発見。逆に言えばこの小ささだから残っていたのか。

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作業道と何度も交差する。

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S字部分の掘割。

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熊笹に埋もれた路盤。

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最後に撮った写真。あとで調べると最奥部の一歩手前まで来ていたようだ。

第一回の探索はこれで終了。駆け足で飛ばし飛ばしの探索だったが奥のほうまで見ることが出来た。二度目の訪問は飛ばしてしまった区間にある○○だ。

 

            根利森林鉄道 その5 へ続く

 

     参考文献 山の幸を運んで 発行 よみがえれボールドウィン実行委員会 

根利森林鉄道 その3

遅くなりました。やはり何年も経ってると細かいとこが思い出せません。

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林道の分岐点まで戻って来た。このあたりの本線の軌道跡は林道そのものだが、そこから分岐するクラミ沢支線の軌道跡は林道と少しずれている。山側を見ると蛍光テープと怪しげな暗がりが見える。

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 切り通しだ。俯瞰して支線を見るとここは逆S字を描きながら高度を稼いでいる。

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 1部石垣も残っている。

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 いつの間にかこんな高さに。車が停まっているのが分岐地点。

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しばらく進むと左からせりあがってきた林道に路盤は削られて合流する。この後はしばらく林道が軌道跡になっているのだが、あとで調べると林道と途中で別れてオーバーハングの枕木付きの路盤が残ってるらしい。見逃したのが非常に残念だ。

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次に遺構を発見したのは林道の左手に少し離れた場所に見えた橋台だった。藪のせいで前後の路盤もはっきりしない。

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このあたりは記憶があやふやで、自力で探し当てたかネットで事前に知らべてあったのか、とにかく写真の高場沢の左側、つまり右岸に痕跡を見つけることが出来た。

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わずかに石垣が見える。

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振り返って。白いガードレールは沢に架かる高場橋。見ての通りだが熊笹まみれ(笑)このまま沢沿いに進むと思いきや・・・

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左に急カーブして掘割の中を進み始める。

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 左右に石垣が残っているため割ときれいに残っている。ただ、掘割なので水が溜まってしまっている、というか雨が降れば川になるようだ。

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枕木も残っているし 

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レールも一部現存している。

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そのまま進むと林道に突き当たり消えている。写真は林道上から振り返ったところ。

 

              根利森林鉄道 その4へ続く     

河原の大岩隧道(?) 完結編

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メインディッシュを堪能したので残りを片付けよう。まずはこちら。と言っても小ネタの二分の一ぐらいのネタだが。

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斜面の中腹に開いた穴。踏み跡さえない斜面をつたって穴の前のわずかな平場に立つ。

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石垣で半ば隠されたこの穴の奥は?

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コンクリの壁でした。現地ではなんじゃこりゃと分からなかったが、後に取水ダムの写真を見て気付いた。この奥には前編で解説した発電所への水路隧道があるのだ。自然の窪みがあったのか工事のために掘ったのかは分からないが、道路からは見えない場所にあるのにわざわざ石垣で半分だけ隠す意味はあったのだろうか?

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 次はもう一つの穴、いやこちらはまごうことなき隧道だ。さっきは入口から覗きこんだだけだが、今度は車からライトを持ってきて準備万端だ。しかし流木が多くてえらいことになっている。現在の川面からはそこそこ高い場所にあるのだが、大雨の時にでも流れ込んだのだろうか?

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 流木の山を降りると水没していた。深さはそれほどではない。それはいい。が、何とも言い難い臭いがした。木が腐って澱んだ空気といえばいいか。清流が流れる河原からのコレは自分にはきつかったので奥へ行くのはやめた。

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望遠で撮ると最奥部はコンクリで塞がれているのが確認できた。 うん、無理して行く必要もなさそうだ。

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 この時はもしや軌道か木馬道かと少しどきどきしていたがヨッキれんさんがこいつの正体を一刀両断してくれた。これはダムを建設した時に川の水を迂回させるための仮排水隧道だというのだ。なるほど!

 

さて、残るは大岩隧道の正体だが、最初は林業関係のものではないかと自分は思っていた。なぜなら紀伊半島の川沿いで普通じゃない隧道というと林業がらみしか知らなかったから。(すごい偏見です)しかし具体的に考えると首を傾げざるを得ない。軌道、木馬道用は言わずもがな、索道用としても大きさと位置や高さが川に近すぎるような気がする。木を流して運ぶための木流し用(大滝という難所を回避するための隧道が紀伊半島にはある)であの大岩を越えるため・・・だいぶ無理がある。また、隧道の床は水平で水が流れやすいような傾斜ではなかった。

これが隧道でなく橋梁なら

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 こんなのとか

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こんな風な大岩の利用例はあるのだが。(二枚目のこの写真を見てたら大岩上のブロックが橋脚か橋台に見えてきた)

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林業用で無ければあとはダム工事がらみか。当時のダム工事を知る方に伝手でもあれば候補を絞り込めるのだが流石にそんなものはない。結局この穴の正体は不明である。

 

以上のレポートを書いた後、” 山さ行がねが ”で正体が明かされた。ぜひ正解はあちらのレポートをご覧になって頂きたい。http://yamaiga.com/tunnel/nanatai/main3.html#part2

なにはともあれ紀伊半島の魅惑の(変な)隧道がまたひとつ世に広まったことに変わりはない。

 

               河原の大岩隧道(?) 完