人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

岩国と雲南の木馬道隧道 その1

大変お待たせいたしました。出張ラッシュの終わりが近づいてきたので少しずつ更新していきます。さて、今回の物件は全国的に見ても数が少ないと思われる木馬道の隧道。(消滅したり不確定のものまで含めても自分が知りえた数は二桁に届かない)そんなレアな物件にもかかわらず今まで手をださなかったのはひとえに自宅から遠かったから。が、ようやく先日突貫してきました。

難易度が低い方からということで訪れた時系列が逆になっています。まずは一つ目の隧道、いや、”隧道群”を紹介します。

ここは山口県岩国市にある観光名所の寂地峡。ここの遊歩道の一部として使われている隧道が木馬道由来のものであったりする。つまりここは現役の管理された隧道であって廃物件ではない。こう言うと廃じゃないのかと萎える方もいらっしゃるかもしれないが、難所を越えるために穿たれた木馬道の隧道というだけで自分にとっては一見の価値があった。

寂地峡には五竜の滝と呼ばれる連続した5つの滝があり、この名勝の目玉でもある。

隧道はこれらの滝の上方に位置する。

川に沿うように廻らされた遊歩道を登っていく。

遊歩道の旧道ぽいものが心をくすぐるが流石に観光地では自重する。

夕方に近かったため滝をチラ見しながら急いで駆け上っていく。さすがに隧道目当てで来る人は少ないだろうな。

最後に岩の隙間を登っていくと到着。なんと隧道と隧道の間に出た。

一旦左側、即ち下流側に抜け、改めて端っこから隧道に入る。自分だと頭を気を付けないといけない高さだ。

中は岩盤の素掘り。足元だけコンクリートで整備してある。

1つ目の隧道を抜けるとすぐに2本目だ。

横は切り立った崖だ。凄いところに隧道を掘って木馬道を通している。

手作業で10カ月かけて掘りぬいたのか。

2つ目の隧道だ。微妙にカーブしている。

2つ目を抜けるとこちらもすぐに3つ目の隧道が。ここは最初に登ってきた場所だ。

3本目は少々長い。時間と向きによっては懐中電灯が欲しいぐらいの暗さだった。

3本目に入って振り返り。

3本目の坑口。

滝の上流に出た。遊歩道は続いているが坂になっているので木馬道そのものではない。路盤らしきものが見当たらなかったが、もし木馬道が桟橋タイプだったなら痕跡が残らないので流石に分からない。

帰りは川沿いでないルートを下ってみたが、途中で廃道らしき跡を何カ所か見かけた。写真の黄線が遊歩道。赤線が廃道だ。遊歩道は途中で急勾配の場所があるので、廃道が多分木馬道の跡だと思われる。時間があれば辿ってみたかった。あと、もしもこの場所が国定公園にならずに手付かずの廃隧道であったならば・・・鼻血ものの物件になっていただろう。さて次回はネットで記事を見た時から虜にされた正真正銘廃物件の木馬道隧道へ。

 

           岩国と雲南の木馬道隧道 その2へ続く