人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

布川橋 前編

 出典:国土地理院地図(電子国土web)

 

岐阜の高山市から長野の木曽へと抜ける国道361号線は途中でいくつかのダム湖をかすめていくが、そのうちの一つ高根乗鞍湖の南端(上流部)に林道の物と思しき橋が架かっているのが地理院地図で確認できる。が・・・

出典:国土地理院地図(電子国土web)

 

橋の先に道は無い。高根乗鞍湖の西岸に道は記載されておらず橋が架かって終わりとなっている。どうなってるのかちょっと見たくなった。探索日は2022年10月。

 

高根乗鞍湖の湖岸から橋のあると思われる場所(矢印)を眺めてみたが、半島部の影の奥まった所にあるので直接視認できない。

最初は素直に林道を辿ろうとしたが、2kmぐらい歩かなければいけず、気分的に軽い探索のつもりだったのでちょっと面倒だと思った。では至近距離はというとダム湖に流れ込む日和田川がゆく手を遮っている。しかし地図をよく見ると1か所だけ行けそうな場所があった。それが上の写真の場所だ。

道路の線形改良によって国道が猿飛1号橋と2号橋を通って1瞬だけ目的地がある日和田川の左岸に渡っているのだ。ちなみに猿飛の名が匂わしているが、ちょっとした渓谷になっている。

ここを2,30m登って上の林だか森を突っ切れば橋に近い林道に出られるはずだ。

ガードレールと法面の隙間から突入する。

急斜面だがなんとかいけそうだ。

木や木の根につかまりながらルートを探す。

見下ろすと思った以上に高い。完全な崖だったらアウトだった。

なんとか上の平らな場所まで登り切ったが、目に飛び込んで来たのは・・・石垣!? これはちょっと予想外だった。

石垣の上は平場になっており、左右に延びていた。これは道か。林道は100m以上向こうのはずなので地図に載っていない作業道の1種と思われる。林道と並行して延びているが、試しに橋に近い右の方に向かって歩き出した。

藪で道を見失いそうになりながら進むが、これが作業道だとしてこの先が林道につながっているとは限らないと思い、GPSで林道との距離がそこそこ近づいた地点で熊笹の藪に突入した。

途中で遭遇した岩は何となく犬の横顔に見えた。犬岩と名付けよう。

熊笹をかき分けながら進むとほどなく林道に出た。

左を見て右を見る。草の茂り具合から林道の使用頻度は低そうな感じがした。右にあと2,300m進めば橋に着くはずだ。

しばらく歩くと右手に草が少ない場所があった。もしやと思ったのは先ほどの作業道との接続地点ではないかと。帰りに確認しよう。

日当たりのせいか草の少ない普通の林道っぽくなった。

やがて道はカーブを描きながら下り坂に。

S字を描きながら降りていく。多分もうすぐだ。

坂を下りきると道がドロドロに。水はけが悪そうだ・・・長靴履いてきてよかった。

着いた!橋だ。

       布川橋 中編 へ続く