横にそびえる絶壁。見上げた限りでは軌道跡は見当たらない。
道なき道を前進する。
対岸も白い絶壁がそそり立つ。こちらも軌道跡らしきものは確認できない。
川も小さな滝を造りながらどんどん高度を上げている。
歩いている道はたまにささやかな石垣が組まれていたりするが、傾斜からして軌道跡ではありえない。いったい路盤はどこにあるのか。
軌道の手掛かりこそ見つからないものの、目を見張るような巨岩がごろごろしていて退屈はしない。本筋から離れているが。
碍子だ。電気をひいていたのか。それとも通信用か。
最初、遠くから見てしめ縄が張ってあると勘違いした大岩。
やや開けた場所に到着した。ここは・・・
本日の仮目標としていた地点だが軌道に関する手掛かりは見つからず。夕方に用事があったのでここで撤収する。
帰路の途中、川に沿って歩いているとレールを発見。
本日の最後の戦果。よくこれに気づいたな自分。
ちなみにワイヤーはたくさん転がっている。
高原川まで戻って来た。ここを渡ると近いのだが橋の近辺は深さと勢いがウェーダーではちょっと歯が立たない。なので朝来たルートを戻りながらもっと距離を短縮できるルートを探す。第1回の探索はこんな感じの小手調べで終わった。
1カ月後の10月の早朝、日の光とともに朝もやが晴れて谷が姿を現し始める。今回は本格的な探索を行うがいったいどこまで遡行できるやら。
相変わらずの急流だが、前回より少しだけ楽に渡河できるルートを見つけていた。
ウェーダーから長靴に履き替えて出発だ。
河原に降りたあと、川の中を注意しながら進み始める。今回の目的のひとつは遺物の発見。すなわち
レール探しだ。そしてできれば沢屋さんのサイトに一枚だけ写真があった”あれ”を見つけられないかと淡い期待を抱いていた。
苧生茂(おいも)谷の林用軌道 3 へ続く