人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 8

枯れ葉に隠れているが、ちゃんと2本そろったレールが残っている。ここが軌道跡であるまごうことなき証拠だ。完全に諦めていただけに本来なら絶叫して喜ぶところだが

朝、通ってきた真横にあったのに見逃すという大チョンボ。しかも5話に掲載した朝の写真にもしっかりと写っている。1日歩き回って散々分からん分からんと言っておきながら、帰る直前にこのオチなので素直に喜べなかった。まあ、嬉しかったけど。

残存部の位置から推測するに、レールを軌道跡の外縁ぎりぎりに沿って敷設してカーブの角度を緩やかにしている。それでも急カーブなのだが、さすがは林用軌道というべきか。

緩やかにカーブを描くレール。しばらくぼーっと眺めていたくなる。

ふと見るとレールにワイヤーがからまっている?まさか移動してきたものなのか?

いや、ちゃんと犬釘で枕木に固定されている。これは敷設された当時のままの姿だ。

しかし他のレールはどうなったのだろう?川に流されていたのはほんの一部だろうし、回収したのならなぜここだけ残っているのか。近隣には軌道が多くあったのでレールの転用も考えられるが、こればっかりは当時の資料か証言がないと分からない。

軌道跡と確定したので続きを辿ってみる。レールのあった平場はその5で行き止まりになっていると言ったが、実は平場と河原の間にもう一つ細い平場が存在するので、そちらに繋がっている可能性が高くなった。

合わせて三段の平場がS字カーブになっていたのだろう。

実は最初に見た時はこの平場は途中で狭まっていた(矢印の場所)ので軌道や木馬道の可能性を排して徒歩道ぐらいに思っていたのだが

よくよく見てみると1部分が成長した木(根)で狭く見えるだけで、元の広さは充分にあることに気付いた。

冷静に考えてみればすぐ分かることだが、朝方は前進することばかり考えていたのでそうと思い至らなかった。ちょっと反省。

下流側から振り返って。

平場は少し下流で途絶えている。ここで終わりと思うところだが、軌道跡ならば話は別だ。

多分1番最初に見つけた平場へと橋でつながっていたのだ。

1度目の渡河地点を渡る。20m以上の距離があったので橋があったとは思いつかなかったがこれは確実だろう。

ここが橋台だったと思われる。結局、この向こうの林道から最初に降りてきた辺りは当たりだったということか。

 

真正面は急なので少し横のほうから登ろうと あっ

2つ目の車輪発見!最後の最後に来てツキが回ってきたか。

掘り起こしてみると片方の車輪は失われていた。バラバラになって川に落ちたトロッコが何台もあったとは思えないので、これは最初に見つけた車輪とセットかもしれない。

ついでにレールも1本発見。

嬉しい発見が続くが残念ながら時間は有限だ。どれだけ辿れるか分からないが急ぐとしよう。

     苧生茂(おいも)谷の林用軌道 9へ続く