人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

尾上郷森林鉄道 7 アマゴ谷支線 3

*今回区切りのいいとこまで書いたら長くなりました。 f:id:msx4:20200928231310j:plain

 藪をかき分け斜面を降りて平場に出た。奥に続いているので軌道跡に違いない。

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 後ろを見てみると橋台があった。小さな木橋が架かっていたようだ。その先は斜面に呑まれ消えていた。林道にぶつかってからここまでの路盤は削られたり埋もれてしまったようだ。

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  分かりにくいのでラインで補強。

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 再び軌道跡を歩き始める。

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 あ、またレールだ。

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 他に何かないかときょろきょろしながら歩く。すると・・

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 上にレールが。なんかデジャヴ(笑) 

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 足元のレールも最初は1本しか見えなかったが

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 2本のレールが見えるようになった。

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 敷設された当時のままの貴重なレールだ。f:id:msx4:20200929001213j:plain

 ・・。林道との分岐付近はともかく、この支線はレールが回収されていないのか。つまりこの奥は・・・

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 レール天国の可能性が濃厚になってきた。(振り返ったらここを木材を載せたトロッコがゴーッと走っていく光景が目に浮かんだ。と書きたくなるような景色でした。)

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 レールが元の位置を外れて狭まった代わりになんか増えた。 

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 む、犬釘か?

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 犬釘が刺さってなければとても元が枕木とは見えない。(もちろん元の場所に戻しました)

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 話を元に戻すと片側2本のレールはカーブでの脱線防止用だ。右は谷なので左に曲がり始める。

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切通しで180度インメルマンターン。

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熊笹に突入。(書いてないだけで藪は結構あります)

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木に呑まれるレール。

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またもやカーブ
 

f:id:msx4:20200930170441j:plain路盤が途切れて向こうに橋台が見えた。 木橋があったようだ。

 

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 足元を見てみるとこちら側も小さい橋台があった。向こう側は少し大きめ・・

 

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 うおっ!レールが突き出ている。下のは橋桁の残骸か。

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これで木橋の一部でも残っていたら最高なんだが文句は言えない。

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いい眺めだ。桜かなにか咲いている。

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 路盤が不明瞭になったと思ったら林道に出た。

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 出てきたところを振り返ったがこちらからは全然分からない。

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 GPSによると林道から直線距離でまだ200mも離れていない。

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 軌道跡はここでまた方向転換してこの廃林道に潰されてしまったのか?

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 ではなく、

 

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道を少し下った山側の上にレールを発見。普通に廃林道を斜めに横切っていたようだ。 

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 レールを見ながらちょっと一服。一息ついたところで

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 斜面をよじ登って笹薮に突入。

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む、これは・・ 

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木製桟道で カーブを描いていたのか。壊れる前に見たかったなあ。

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 カーブを描きつつ切通しに突入。水が少し流れているせいで路盤がぬかるんでいる。

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む!

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 本日一番の高密度の藪が行く手を遮った。まだ12時を過ぎたばかりだが今回はここまでとする。帰りが長いし。それに廃林道でかなりショートカット出来ることが分かったので次来る時は楽できそうだ。そして次回は帰り際のおまけ探索を。

 

説明図*かなりおおざっぱなので正確さは保証しません。

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        尾上郷森林鉄道 8 アマゴ谷支線 4 へ続く

尾上郷森林鉄道 6 アマゴ谷支線 2 

 

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整備された林道に別れを告げ廃道化した林道に突入する。

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下っていく林道と正反対にこちらはどんどん上っていく。そして、

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左の山側を見上げると姿を現した軌道の路盤が近づいてきていた。手頃なところでよじ登る。

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よく考えると尾上郷で改修されていない生の軌道跡は初めてだ。

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ふと見上げると石垣らしきものが見える。路盤のようだがあそこまで登っているのか?

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 熊笹をかきわけ前進する。・・・あ

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レールだ!

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1本しか見当たらなかったが敷設されたままのレールのように見えた。これはうれしい。

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 やがて上ってきた林道と合流した。林道のほうが後付けなので軌道跡は消えている。林道は真っ直ぐ上っているが、先ほど頭上に見た石垣が軌道跡ならば・・・

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林道(赤線)は直進 しているが軌道(黄線)はこのあたりで180度ターンしていたと思われる。

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がさがさごそごそ 

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犬釘だ! 

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 もひとつ犬釘だ!!

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 そして枕木だ!

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 崩された部分と熊笹の藪を抜けると明瞭な軌道跡が現れた。

 

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後ろを振り返ったところ。小振りだが綺麗な石垣や

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 犬釘付きの枕木などが残る。

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 ちょっとした猿の群れが居たが近づくと逃げていった。過度の警戒は不要だが野生動物を甘く見過ぎてもいけない。適当なのが一番だ。

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 ほぼ直線に進んでいた軌道跡が右に大きく曲がり始める。

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 山側を大きな掘割でカーブしながら抜けていく。2度目の180度ターンだ。

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 またまっすぐに進み始める。

 

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今度は林道のちょうど曲がり角に突き当たる。しかし上りの坂は軌道跡にしては急坂すぎるし、かといって下るはずもない。 

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 ということは上下の道に挟まれたあたりを軌道は走っていたのか?しかし予想線の先は崖になっていて進むことが出来ない。むむむ。

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 しょうがないので林道を進むことにする。

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 2枚前の写真の上部を左に曲がって下の方を眺めていると・・

 

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 平場が見えた。軌道跡の続きに違いない。そしてこのあたりからアマゴ谷支線は(以下次号)最後に略図で今回の軌跡を説明します。

 

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          尾上郷森林鉄道 7 アマゴ谷支線 3 へ続く

尾上郷森林鉄道 5 アマゴ谷支線 1

ひさしぶりになりますが尾上郷森林鉄道の続きです。前回のコブ谷支線の探索から11カ月後の2019年5月、再び尾上郷川を訪れました。今回のターゲットは尾上郷森林鉄道の最奥部に位置するアマゴ谷支線。こちらもコブ谷と同じく地図上は林道から外れており、なおかつ最奥とくれば色々と期待をしてしまうのであります。

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こちらは御母衣湖畔にある有名な荘川桜。日の出に合わせてパシャリ。まだ6時前だ。

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ゲートを越えて突入する。

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 上流を望む。今日の目的地ははるか彼方だ。

 

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小黒谷出合の隧道。水面までの高さから水位が低いと思われる。

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反対側を向くと川岸に道のような跡が見えた。場所からしてあれが軌道跡か?また後で(笑)

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魚が泳いでいる。割とでかいけど何だろう? 

 

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大黒谷の橋脚。 

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 左のコンクリート擁壁の先にあったはずの林道と軌道跡は相変わらず想像できない。

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索道。 

 

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吊り橋。

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発電所へと降りる道がある。前回はそんなに気にしていなかったが・・・
 

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 上から見ると落石除けの一部と思われる鉄棒が・・・いや、あれは

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 レールだ!こんなところに流用されているとは。

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山にはまだ残雪が残る。

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コブ谷に到着。

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この辺りは上も下も急斜面か崖になっているため、軌道跡はほぼ林道と同じだと確信出来た。

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目標地点付近まで来ると下り坂になった。おかしい。例外はあるが基本、森林鉄道、林用軌道は貯木場から終点まで登り坂だ。そうすれば帰りは自重で坂を下るだけで済むからだ。と、いうことは・・

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山側をよく見てみるとうっすらと線が見えてくる。

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すると目の前に分岐が現れた。これは地理院地図にも載っている作業林道だと思われるがどう見ても廃道状態だ。が、追ってきた”線”いや、軌道の跡だと思われるものを追いかけるのにおあつらえ向きだ。時刻はちょうど9時。廃道に突入する。

          尾上郷森林鉄道 5 アマゴ谷支線 2 へ続く

岩屋谷滝の隧道 後編

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 天気は快晴だが日没までには確実に下山しなければならない。以前、暗闇の中を下山することになってから特に気を付けるようになった。怖いから。

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 枝の尾根から主尾根に入り現在12:54。岩屋谷の雄滝の上まで到達した。ここから斜面を下って隧道の探索、そして帰還。余裕はないがここにもう一度立つのも簡単ではない。決断する。

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 降下開始。・・・谷底までは高低差100mといったところか。

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 10分ほどで谷底が見えてきた。そんなに急斜面ではなかったので割と楽に降りることが出来たが、目標はいずこに?

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 到着。降りたところは河原に造ったアユのつかみ取りの池みたいになっていた。写真は上流方向だが隧道は見えない。

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 下流方向に少し歩くと何やら怪しげな窪みが数カ所見えてきた。これは・・・

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 あった!これが岩屋谷滝の隧道だ。 水面から3~4m上の斜面にぽっかりと坑口が開いている。川の流れとは垂直方向に掘られているようだが、そこにつながる道などは見当たらない。

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 滝の落ち口の方を見る。時間がなくて近寄れなかったのが残念だ。まあ滝は上から見てもつまらないが。 

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 入口に立つ。ややいびつだが四角形の形をしている。

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中に入って振り返る。対岸にも道や人工物の痕跡は見当たらなかった。 

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 反対側の出口に来たがこちらも道は無い。それどころか何もない。崖の中腹に坑口が開いているようだ。

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下の方はどうなっているのだろうと覗こうとしたが怖くてあまり近寄れない。

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木々のせいで12月なのに周囲がよく見えない。やはり下から覗かないとこちらがどういった状態なのかがわからない。

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腕を目いっぱい伸ばして横を撮ってみると垂直の岩壁が見えた。ほんとに岩壁の真ん中に穴が開いているようだ。

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 さて、この隧道。両出入り口の立地からまずは通行目的のものではない。坑口が崖の中腹と川沿いの斜面からして明らかだ。ならば何のために掘られたのか?やはり木材の運搬のためだと推測される。考えられるのは木流しで雄滝を回避するためのバイパスルートとしてのもので、坑口のところに堰を造って流れてきた木を留め、隧道を通って崖下へ落としていた。しかし、雄滝の横の方だから高さは多少ましだと思うが、落とした後は流すにしてもまだ雌滝とかもあるし何とも言えない。もう一つ思いついたのは索道用としてだが、隧道の大きさや穴を掘らなくても普通に上のほうを通せそう(6.7枚目の写真参照)なのでこちらも微妙だ。ただでさえ人里離れた山奥なので近所で聞き込みとはいかないし、言及している書物もあるとは思えない。真相解明は難しそうだ。f:id:msx4:20200909233520j:plain

さて、現在13:17。撤収に移る。(実際10分ちょっとしか居なかったわけだが、この時はそんなこと気にしている余裕はなかった)息を切らしながら稜線まで登り、来た尾根を戻って枯れ谷の上までたどり着く。が、そこで魔が差してしまった。

 急斜面の枯れ谷を降りるのが嫌で少し離れた斜面を降りることにしたのだ。

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 結論から言うとなんとか降りることができた。上の写真は降り立った下の沢から見上げたもの。・・・やばかった。現在時刻16:00。

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16:45。なんとか暗くなる前に前鬼川にたどり着くことができた。序盤で時間を取られなければもう少し余裕を持てただろう。

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林道に上がり車で一息ついたらすぐに真っ暗になった。Twitterでは二度と行かないとつぶやいたが崖側の坑口をやはり見てみたい。また行こう。

             岩屋谷滝の隧道 後編 完

岩屋谷滝の隧道 前編

奈良県南部の池原貯水池に注ぎこむ谷のひとつ、岩屋谷。この上流には岩屋谷滝と呼ばれる雄滝と雌滝の2つの素晴らしい滝があるのだが、そのうちの雄滝のそばに謎の隧道が存在するらしい。ちょっと見てみたいと思ったのだが、これが少々難易度が高い。滝屋さんのレポを見ると沢登りで谷を遡行していくルートと、山の稜線の登山道を進みピンポイントで滝に降下するルートの主に2つがあるのだが、無論沢登りの経験などない。ならば登山道ルートはというと往復で10時間越えの記事がぽろぽろ出てくる。とても気軽に行けるような場所じゃないというか普通に登山だとネットを見ていると新ルートとか第3のルートという文字が目に飛び込んだ。どうやら少しだけ歩く距離が短くなるルートが開拓されているようだ。なので先人の記事と地理院地図とにらめっこして悩んだ末にそのルートを選択することにした。

 

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2019年12月、ここは岩屋谷から1本南に位置する下北山村の前鬼川沿いの林道だ。まずはここを遡る。

 

 

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 途中で滝が見えてきた。

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 「不動七重ノ滝」林道からの眺めだが凄まじいとしか言いようがない。ここを越えて更に上流を目指す。

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何本かトンネルを抜けると滝の上流へ。 前鬼ブルーというそれっぽい名前がつけられた

 綺麗な色の清流が滔々と流れている。

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車を停め、準備を整えて河原に降りる。この滑車は索道のものか?

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 分かりづらいが写真中央に前鬼川に流れ込んでいる沢がある。そこを遡るのがこのルートの第一段階だ。 

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の前に渡河しなければならない。残念ながら長靴では歯が立たなかったため、もう一度車へ戻ってウェーダーを装備する羽目になった。

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 川を渡りようやく沢へと侵入する。だが前方は巨岩が連なってとおせんぼしている。

  

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 ここで時間をとられた。大岩は正面突破は難しそうだったので(何をとち狂ったか)右側の尾根に直登しようと試みるが急斜面の前に敗退。同じく右側を高巻きしようとするが失敗。ようく観察した結果、左側の端を登って突破することが出来た。

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 大岩を越えるとその後は難所と言えるほどの障害はなく、小さな滝や渓谷を楽しみながら進むことができた。

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3,40分ほど歩くと右手に大きな枯れ谷が姿を現す。

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 この谷を登り尾根に出ることが第2段階。高低差約270mを登る最大の難所だ。

 実はこの時登る途中の写真をまったく撮っていない。最初は写真のような岩がごろごろしており足場や掴む場所に苦労しなかったが、登るにつれ固い土の斜面になり角度を増していった。そのため足元と疲労と残り時間を気にして写真を撮る余裕さえも一時的に無くしていた。4分の3ほど登って下を眺めたとき、ここを帰りに下らなきゃいけないのかと愕然としたことを覚えている。

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 途中で小休憩をしながら1時間半かけて尾根に到達した。現在11時半。最初に時間をかけすぎた。ここはまだ枝の尾根なので、まず登山道が走る大きな尾根まで行き、そこから滝の近くまで尾根を移動し、谷へ降りられるルートを探し、降りて隧道の場所を探す。隧道が見つかれば、来たルートを戻って入口の渡河地点まで日没までには戻りたい。この時点で撤退に移行するタイムリミットを計算しながらの前進が始まった。

 

            岩屋谷滝の隧道 後編 へ続く

失われし木橋 3 開田森林鉄道の木橋

広報誌かなにかの表紙にも載ったことがあるこの木橋。木曽では有名だったと思う。

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 2011年8月。木曽の開田高原を流れる冷(つめた)川を渡る橋。その上から川を覗くと・・・ 

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 一本の朽ちかけた木橋ーー開田森林鉄道の木橋だ。拙い写真ですがご覧ください。

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この木橋は写真を撮った2011年の冬に落橋したという。まさにギリギリのタイミングで会うことが出来た。・・・完品に近い木橋(特に林鉄)に会うことができたのは本当に少ない。2020年現在本当の意味で残っている木橋があればすぐに会いに行かなければならない。後悔先に立たず、である。
 

                失われし木橋 完  

失われし木橋 2 奥三界岳への林道の大木橋

 

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前回の坂下森林鉄道の木橋を過ぎ、林道から離れ垂直距離で350mほど登攀し別の林道に出る。そこから数キロ歩いた場所にその木橋は存在するのだが、念のため途中出会った下山する登山客に木橋は無事ですかと聞いてみると架かっているという。良かった。こちらは無事だった。 

 

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こちらまで落ちてたら洒落に・・・・・・・・・・

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落ちてる!? 

 ・・・なんでさっきの人は木橋が架かってるなんて言ったんだ?思わず人間不信に陥りそうになったが、ふと思い出した。そういえばもう一本ある。

 

 近年この木橋は奥三界岳へと向かう登山道の一部として使用されてきたが、現在はショートカットする道が造られている。そこから元の登山道に合流してしばらく進むと木橋がもう一本あるのだ。

 

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 ちっこいのが(笑) [2015年撮影]  登山客の視点だと木橋はルート上にあるやつだと思っても致し方無いか。

そして ここからは2015年。在りし日の姿。白っぽいのは無視してください(笑)

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登山の記録を見ると落橋、もしくは撤去されたのは2017年のようだ。お疲れ様でした。

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惜しくも落橋してしまった2本の木橋を紹介したが、もうひとつ木橋を紹介しようと思う。こちらは割と有名だった橋だ。

             失われし木橋 3 へ続く