2度目の探索の1カ月後、2018年10月に3たび小渋川に帰ってきた。ただ、アプローチ地点は前回の続きからではなく、部奈集落からみて東にある最初の大きな谷の地点だ。何百mか飛ばしているがその辺はアバウトなので気にしない。
やや濁った小渋川を渡河する。
僅かに水が流れる沢をたどって谷間に入る。
まずは谷の右側を登っていく。幸い作業道?をすぐ見つけることが出来た。
左下から登って来て、正面に延びる軌道跡に到着。うしろも気になるが前進だ。
荒れているが一部石垣も残っていたりする。
谷の奥に向かって進む。時節柄紅葉が所々目を楽しませてくれた。
が、だんだんと路盤は荒れていき消えてしまった。橋で対岸に渡っていたのか崩れて痕跡が無くなってしまったのかも分からなかった。
どうしよもないので急斜面を10m程滑り落ちて谷底に降りる。
で、対岸の軌道跡にと思っていたがなぜか見つからず、しばらく彷徨い歩くことになった。
そのうちめんどくさくなって見つけた作業道を歩いて東の方へ進むことにした。
作業道が荒れて道があやふやになったあたりでこれまた荒れた軌道跡と交わることが出来、路盤に復帰することが出来た。
所々崩れているが致命的な場面は出てこないので先を急ぐ。
すると、どこか見覚えがある場所にでた。ここは・・初探索時に登ってきた場所だ!
下を覗きこむ。・・・・・なんでここを登ろうと思ったんだ自分。
振り返って。岩盤の切り取り工と足元に一部残る石垣でこの難所を越えている。
木々の間から見える河原も遥か下方だ。
そしてとうとう因縁の撤退地点に到達する。
そう、ここだ!
雪の無くなった今、あたりがよく見える訳だが、この谷をそのまま突破するには恐怖心をゼロにして命のチップを7割ぐらい賭ける必要がありそうだ。無理。こわい。
下は完全に無理なのであとは更なる高巻きをして上をぐるっと迂回するしかないと周囲を観察すると、踏み跡を見つけた。積雪時は分からなかった抜け道だ。
文字通り ”踏み跡” があった。
ここで少しでも足を滑らせて加速が付いたら・・・・・・4枚前の写真から推して知るべし。
玉ヒュンである。
久原鉱業所の木材搬出用軌道 FILE 7 へ続く