7月から通勤距離が片道3kmから50kmになり、その延びた距離の途中でいくつか目についた物件がある。これはその一つ。ここは石川県宝達志水町の国道159号線。前方でなだらかな坂になっているのが分かるだろうか。視界に映る道路の先端で宝達川という川を橋で渡っているのだ。しかし、少し離れたところにある旧道は橋を渡らない。なぜなら川の下を潜るからだ。
それがこの宝達川隧道。いわゆる天井川と呼ばれる平地より高いところを流れる川が生み出したトンネルだ。
高さの制限表示は3.1m。決して大きな隧道ではない。
横にはカルバートボックス(?)の歩行者用隧道がある。
坑門のすぐ横に階段があって堤防の上に登ることが出来る。
アスファルト舗装を緑が侵食している。あんまり歩く人がいないのか?
これが宝達川。下をトンネルが通れるだけあって水深は浅い。
ちょっと意外だったのは上記のようにトンネルがあるにもかかわらず、ちょっとした落差がある段で立体的になっていたことだ。調べると落差工とよばれるもので、これがあることで逆に河床の低下をふせぐものらしい。
川面のむこうに普通に民家の二階部分を見ることが出来るのは天井川ならではだと思う。
一旦降りて歩道を通って反対側に。
反対側の坑門も同じようなレイアウトだ。
ちなみに道路の真ん中にあるのはセンターラインではなく融雪用のスプリンクラーだ。通行する車を見ていると坑門の前で止まって譲り合いをして通っていた。それぐらいの広さ、というかこの県道自体がいかにもな旧道でかなり狭い。
遠景を1枚パシャリ。さて、もう一つを見に行くとしよう。
隧道から1kmちょい下流に移動して、また堤防の上に出る。
横を見下ろすと線路と宝達駅が見える。そう、もう一つは鉄道用トンネルだ。ちなみにこの場所で散歩されていた年配のご婦人から写真撮ってインスタにあげるの?と話しかけられたことがこの探索で一番の衝撃を受けた(笑)
とりあえず一番近づいて(横の貯水池に墜ちないように)撮った写真を。
上の写真の拡大。煉瓦隧道? 前身である七尾鉄道が明治31年開通とは知らなかった。結構古いのか。
そして最後に夜の写真を。珍しく現役のメジャー物件のレポートでした。
次回予告
「国道から見える橋」 なぜかこれが気になった。