これまでの話では根利の集落から山へと向かう軌道跡を紹介してきたが、今度はその逆方向を紹介しようと思う。そもそもこの森林鉄道の起点は最初は根利ではなかった。元々は根利の西に位置する日影南郷が起点であった、が、昭和22年のカスリーン台風で南郷ー根利間の軌道が多大な被害を受けたため、南郷ー根利間はトラック輸送に切り替わることとなったのだ。その距離約8km。距離があるだけに踏破することを優先し、朝方ひとつ仕込みをしてから探索を開始した。2015年5月、もう5年前になる記録だがお付き合いください。
ここは日向南郷の交差点。右は根利川を渡る群馬県道62号線で、左は日向南郷の集落を抜けていく道だが、まずは左に進む。
その道の途中で林道に入り、東へ進む。この根利川の左岸を南郷から根利まで軌道が通っていたはずなので、今回の探索は南郷から柿平という集落まで延びているこの林道を時間短縮のために利用して、林道の端辺りから軌道跡に突入するつもりであった。
林道から見える南郷の街並み。ご覧の通り川よりもかなり高い場所だ。ぶっちゃけこの林道が軌道跡ではないかと期待していたのだが・・・
途中にこんな広場があったりして貯木場跡?と思ったりもしたが軌道跡ではなさそうだ。
柿平の集落。
集落を抜け折り返して山へと向かう辺りで林道を外れる。
急斜面を降下していく。が、下には意外な光景が待ち構えていた。
綺麗な緑の草原が広がっていた。
広場の奥には古い墓地?があった。少し離れているが昔はこの辺りまで柿平の集落だったのだろうか?
! 広場を横切る道、いや、
築堤だ!緑に覆われた軌道跡を発見した。ずっと歩いていたくなるような路盤だ。
広場の終わりまで来ると大き目の石垣が。なにかの施設があったのか?
軌道跡らしくなってきた。
石垣、ではなく炭焼き窯の跡だ。ここから大きく左へカーブしている。
道が消えました。
根利森林鉄道その8 南郷-根利区間 2 へ続く
参考文献 「山の幸を運んで」よみがえれボールドウィン実行委員会 編集・発行