人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

能登 此ノ木隧道 大平隧道 

今日、断水が続く七尾の店に水と荷物を持って行った帰りに覗いてきた。

此ノ木隧道は県道沿いに車を停めて見に行った。

 

途中、倒木があった。

所々ひび割れている。

隧道への分岐まで来た。ここも地震の地割れか。

落石。土か?

見えた。

どうやら無事のようだ。

 

坑口付近に異常は見られない。

 

パッと見、支保工も問題無さそうだ。

通り抜けた反対側は少し崩落を起こしていた。

隧道自体は見る限り大丈夫だった。

周辺は酷かった。

県道は隆起や地割れなどを補修した場所が何カ所もあった。

大平隧道では、行く途中で断水用に奥から水を引いていたホースがあったので戻って歩くことにした。

 

 

到着。こちらもどうやら無事のようだ。

西側坑門。

入口の堆積も地震前と変わらないように見えた。

内部より東側坑門。

東側坑門。この倒木も地震前からあったものだ。

内部より西側坑門。両方の隧道は無事でした。

 

能登地震 1/1、2日

 自分、今の住居は能登半島の根本の砺波市。職場は石川県羽咋市。被災していないが気持ちの整理ついでに経過を書き散らします。地震関係は見たくない方はプラウザバックしてください。

 

 

 

1月1日。運が良いのか悪いのか、飛騨高山の国府へ応援に。4時過ぎの最大の地震は高山でもかなりの揺れ。応援場所には被害が無かったが、元旦が休みだった本来の職場と自宅が気になる。しかし東海北陸道は通行止め。帰りは41号線を北上し、富山市へ抜ける。市街地に入って最初のコンビニに7時過ぎに入るが、すぐに食べれるおむすび、弁当、惣菜、パンは既に全滅。カロリーメイト系もごっそり無くなっていた。

 

帰宅するが、幸いにも被害なし。インフラも問題なし。しょうゆ瓶が倒れ、ゲーセンのプライズの箱が落ちてたくらい。小さな余震が続いていたが、体感できたのは1,2回だったような気がする。眠い。

 

1月2日。早めに家を出て羽咋を目指す。途中のガソリンスタンドがほとんど開いていない。辛うじて開いていた2カ所は長蛇の列だった。通勤に使っている能登道が使えないので高岡から160号線を使い氷見まで行き、いつも通り山越えで羽咋に向かうが、通常1時間の片道が1時間半ほどかかってしまった。途中1カ所陥没と通行止めがあり、家の塀や石灯籠も倒れているところがあったが、市街地を通らなかったこともあり、そんなに目立つ被害は見えなかった。

ツイッターやグーグルでいろいろ検索して情報を集めていたが、羽咋にある宇宙の博物館、コスモアイル羽咋を心配しているツイートを見かけた。職場のすぐそばなので写真を撮ってツイートした。ロケット無事だった。その後6日から営業と告知が出たので今、5日現在ではとりあえず一安心。

※追記 1月5日に公式から当面休業と告知がでました。

職場に着くと立てかけたものが倒れ、商品が多少散乱していたが建物や棚に破損は見られなかった。問題は断水だったこと。トイレのタンクに残っていた分と車に窓洗いように常備してある1.5Lのペットボトル数本で自分用として凌ぐ。そのまま通常どうり10時開店。一人で片付けしながら営業。警報ありの余震が1回あったが、それ以外は何事もなく客も5組しかおとずれないまま(断水で飲み水と生活用水の確保が最優先だから当たり前だ)正月時間の7時まできっかり営業。道路状態が怖いから明るいうちに閉めたいと言ったら却下した上司は忘れん。他の系列店では七尾市かほく市金沢市内も場所によっては休業状態に追い込まれていたが、うちは2日に能登半島の最北で営業していた店のようだ。

 

通常の更新はなるべく早くして通常に戻したいと思います。しばらくおまちください。

割石の裏髙崖6 (終)

 

富山市内から冬の北アルプスを望む。県外から引っ越してきた自分にとっては絶景である。これから赴く場所はこれほど雄大ではないが、小さくても険しい場所だ。

割石集落の南にある岩壁の上を行く古道であり廃道でもある断崖の道。以前、途中で撤退したこの道に再度チャレンジする。ちなみに以前のタイトルは流石にアレだったので「割石の裏高崖」に変えました。実際、こちらも高崖の道ですし。

割石温泉の駐車場の隅に車を置いていざ突入。

斜面を登り道に降り立つ。林の中なのでまだ安全。

だんだん視界が開け、それに比例して危険度も増していく。

崖っぷちに突入だ。

この場所の序盤で何が怖いって落石が跳ねて国道まで落ちること。ここまで来れば届かないだろうが。・・・届かないよね?

ささやかな片洞門の岩壁と

倒木を越え

曲がり角を曲がる。

前回の撤退地点だ。

足が鈍って進めなかった場所も2度目はなんなくクリア。見えなかった曲がり角の先へ。

下を覗くと橋の上の工事関係者らしき人の声が意外と響いてきた、なんとなく気づかれないようにそろそろと進む、

土砂が積もった斜面を突破すると

やや穏やかな場所に。一息つく。

岩壁に沿って慎重に足を運ぶ。と、

・・・・・

先の方は同じような細い道が続いているが

谷のようにやや窪んだ場所には人工か天然か分からないが木が架かって?埋もれている。そしてその上には土が斜めに積もっており、手でつかめるようなところはない。距離にしてほんの2,3歩だが嫌な地形だ。

先が見えてるので後必要なのは慎重さと平静な心だ。

クリア。

ここも下まで一直線だ。

細い道をなるべく岩壁に寄り添って進み

角を曲がると先の方が明るく開けて見えた。ゴールだ。カーブの先に新道との合流地点が見える。

少しだけ施工された石垣を見ながら進む。あと一息だ。

なぜかここで理由は思い出せないが下の方ばかり写真を撮ってる。誘われたかな?(何に?)

到着。2度目の探索時にこの先は無理だと諦めた場所に立つ。なんだかんだ言ってなんとかなるものだ。

まあ、戻れと言われたら拒否するが。

せっかくなので行ってなかった南側に足を踏み入れた。

多少斜めになってるが、今来たところと比べると死ぬほど平穏である。意外だったのは一部だがコンクリートで施工されていたことだ。もう意味をなしていないが。

黄色の矢印のすぐ先が反対側から登って来て撤退した場所、というところで藪を揺らす音がした。プ-さんではないだろうと思ったが即座に撤退を決めた。崖っぷちは平常心で恐れずとも、野生生物(物理)はいかんともしがたい。

写真を撮りながら小走りで撤退。

新道の坂を登ってその場を離れた。

探索の名のもとにこの道を通ったわけだが、昔はどうだったんだろう。大雨や雪や夜の暗闇に通れる気はまったくしない。昔はそれでも通っていたのだろうか?直下を通る、より安全な越中街道のことを考えると、更に古い道、もしくは増水時のエスケープルートなどと妄想ははかどるが、調べる気はないので悪しからず。

 

 

 

 

最後に分かりにくいが下から見た道の場所を。絶壁を回避するギリギリのところに造られているのが分かる。やはりすごい道だ。

 

       割石の裏髙崖 終

 

    それでは皆さまよい廃道を

赤谷の林用軌道を探す 2

路盤が狭い。水路の大部分は土管やパイプのようだが、それらを通すだけの幅しかない。

軌道跡を水路に転用した、と思い込んでいたのだが水路の幅しか岩を削っていないのなら軌道跡の転用ではありえない。ここだけ空中に桟橋が張り出ていたというなら別だが。・・・いや、進もう。

たまにトラップのように穴が空いてて地味に気を遣う。

窪んで谷になっている場所に差し掛かった。初めての難所といえる場面だ。

土の部分は踏み跡があったが、向こうの路盤に登るところは少し慎重にいく必要があった。

なんとかよじ登る。足場にした岩がないと厳しかった。

先に進む。

水路の可能性が大だが、実際に上流へと進むルートとしてはこれを利用するしかない。沢登りなんてやったことないし。

崩れた路盤の先に何かある。

簡易だが水路橋だ。

谷ではないが窪んだ地形を跨いでいる。

塩ビのパイプをH鋼2つではさんでいるのだが、こちら側が微妙に歪んで斜めになっている。

下から迂回しようとしたが、つかむところが少ない急斜面のため無理だった。

やむなく前半を四つん這いで突破し、灌木で立ち上がって橋を渡る。

H鋼と塩ビ管の水路橋だと萌えにくいがそれはしょうがない。

ここから撮影モードが変わったのに気付かなかったので色合いが変わります。

ちょうど尾根になってるところに着いた。

前方の路盤は荒れ気味で軌道跡でなさそうな事実がやる気を減退させる。

奥は気になるがここで尾根を降りることにした。

降下開始。

下に砂防堰堤が見える。もう少し。ちなみに途中には軌道跡らしきものはなかった。

河原に到着。河口へむかう。

念のため降りてきた方の対岸の右岸を見上げるが、平場は視認できなかった。

何個か砂防堰堤を越えて河原を歩くが、川沿いには軌道跡は確認できず。

何の鳥だろう。

途中で見つけた道らしきところを歩いていくと高原川が見えてきた。

そこで道は左に曲がり高原川に沿って登り始める。ここが巡視路か。

つづら折りを登り切ると見覚えがあるピンクテープが。あのとき横にちゃんと道が続いていたのか。

おいも橋まで戻って来た。結局軌道跡は分からずじまい。対岸にあるのか谷底にあったのか、それとも・・・。水路も奥が気になるし、一筋縄ではいきそうもない。はてさて。

    

 

    次回予告  今年最後の更新になります

 


                               お楽しみに

赤谷の林用軌道を探す 1

これまでレポートしてきた飛騨の苧生茂谷の林用軌道。しかし、その隣の谷にも軌道があったという。谷の名は赤谷。具体的な資料はなにもなく、詳細な位置もわからない。取り敢えず行ってみた。

赤谷と高原川の出合い付近に橋はないので、まずは苧生茂橋を渡って林道を進む。橋があるって素晴らしい。(重要)

途中、用途不明の広場の隅で左に分岐する道がある。以前苧生茂谷の探索時にも気になった道だが、場所からしてこれが赤谷へと通じる道と判断した。

その道に足を踏み入れてみる。車道の幅ではない。もっと狭い。

しかし徒歩道にしては広くて傾斜は緩やかだ。荷車、木馬道・・・軌道?いやまさか。

最初の谷には簡易な鉄橋と旧橋である朽ちた木橋、それらを支える石垣の橋台があった。

鉄橋は電気の巡視路につかわれているという事だろう。ここは元々古道なのか?

そして3つ目の谷を越えたあたりで、緩やかだった傾斜が軌道や木馬道だと思えないほど急になった。これは予想が外れたか?

坂を登り詰めると小さな植林地にたどり着いた。まだ赤谷にも入っていないのでここが終点ということはまずないだろう。紅葉を眺めて少し落ち着こう。

植林地を抜けると下り坂に。やっぱり徒歩道だったということだろう。木馬道、軌道ではありえない。

今度は急坂。きつい。

鉄塔が建つ尾根に到着した。ピンクテープで囲ってある鉄塔はともかくとして、道の続きが見当たらない。まさか道はここまでなのかと、この時は少々テンパっていた(笑)

林業おなじみ酒の空き瓶。

上の写真は尾根の山側を向いたところ。左側はすでに赤谷だ。上流に向かう道があるのではと目を皿のようにして見渡しながら尾根を登り始めた。

すると、さほど登らぬうちに平場を発見。これは当たりか?

右(下流側)を見るとパッと見はっきりと路盤が分からなかった。

そして左側(上流側)を見る。こちらははっきり道が残っている。

反対側も気になったが、まずは前進だ。

路盤はやや崩れたり土砂が積もって斜めになっているがしっかりと上流へと向かって伸びて

い?   コンクリートの四角い蓋?

・・・・水路!?

軌道跡じゃないのか!?

すっかり軌道跡だと思い込んでいたが・・・まさかの水路遺構。

所々ふたがあり、本体は土管のようだ。ひと目で使われていないと分かったが、ものすごく古くもなさそうだ。

いや、軌道跡を改修して水路に使うのはおかしくない。はずだ。
だが、目の前に現れた大岩を削った土工を見て愕然とした。

 

    赤谷の林用軌道を探す 2へ続く

 

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 9

大変大変お待たせしました。雪が積もる前にいろいろ突貫。

だいぶ開いてしまったのでその8のLINKを貼っておきます。

苧生茂(おいも)谷の林用軌道 8 - 人生崖っぷち(物理)

二個目の車輪発見の興奮も冷めやらず路盤に上る。

見ての通り細い踏み跡が続いている。初見でこの踏み分け道が軌道跡とは流石に読めないと思う。

しかし遺物の一つでもないと本当にここは軌道跡なのかと疑ってしまう。

埋まっている木片がだんだん枕木に見えてくる・・・

いや、枕木だった。犬釘が顔をのぞかせている。まごうことなき軌道跡でした。

地形に沿って緩やかに左へ曲がっていく。

小さな沢が流れている。

沢の周りはぐちゃぐちゃだが向こう岸に路盤の続きが見える。

このあたりは路盤が不明瞭だが、いつのまにかぐるりと回って少し下で元来た方へと方向転換していた。

築堤がはっきりと残っている。

そしてさっき渡った沢を下流でもう一度渡る。

この左上がさっき通ってきた路盤だ。ぐるりと回って高度を下げてきたことになる。

しかし本流にぶつかって路盤が終わってしまう。いや、

ここで対岸に渡っていたのか。

対岸に渡った。黄色い矢印がさっき通ってきた路盤だが、こちらの平場に立つとかなり下がっているように感じる。気のせいか?

そのまま下流へと平場が続いているが・・・。

築堤で盛り上がっている場所以外はあやふやで、正確な軌跡はわからなくなってしまった。

しかし最終的にはもう一度右岸へと渡っていたようだ。

そこは川沿いの一番低い場所にある広場だったが、そこから先はわからなかった。

順当に考えれば川沿いに軌道か索道で続いているはず、だがここでタイムアップ。少なくとも今居る右岸沿いに下流へ延びる路盤がないことを確認して撤収に移った。

まず、150mを登らなければいけない。きつい。

なんとか登り切って林道の端に到着。これから暗くなる前に川に戻り渡河しなければ。

下りの林道をガンガン歩き、暗くなる前に本流を余裕を持って渡河する。渡りきって川端で一休み。疲れた。結局、軌道の全容を解明とはいかなかった。が、資料がまったくない軌道跡をコツコツと調べていくのはとても楽しかった。

紅葉を目に焼き付けて帰路についた。

  

      苧生茂(おいも)谷の林用軌道 完

 

次回予告 

苧生茂(おいも)谷の隣の谷にも軌道があったとか。例によって資料無し。

赤谷の林用軌道。

 

八ヶ岳(湯川)林道 ~八ヶ岳林用軌道~2023 その5

稜線に足を踏み入れて辺りを見渡す。細い踏み跡が左に伸びていたのでふらふらとそちらに行きそうになるが踏みとどまる。路盤はどこだ?よく見て、考えろ。

赤い線の軌跡が通ってきたルートで、これから緑のラインのように斜面を下っていく筈だが・・・稜線への突入角、足元からの傾斜、木の生え具合などから

ここに違いない!多分!一定の広さを持った平場が続いているように見える。

予想していなかったのは、すぐ斜面の方に行くのではなく、稜線の中にある浅い谷間へと入り込んで行ったことだ。

確信はなかったが、ほぼ真っ直ぐに歩きやすい平場が続いている。

谷の中央部。といってもなだらかな平地が広がっている。土場や事務所があってもおかしくないぐらいの場所だ。

谷の中央に差し掛かったところに小さな沢が流れていた。そこに・・・石垣?いや、片方は崩れているが明らかに橋台だ。ここで初めてはっきりとした遺構を確認した。

しかしその先で軌道跡を完全に見失ってしまった。谷底のどこかを走っているはずだがはっきりしない。仕方ないのでとにかく下っている方へ歩いていく。

歩いているうちになんとか軌道跡を見つけることが出来て路盤に復帰する。谷を挟んだ反対側の斜面を進んでいたのだ。

大きな地図では単純に方向転換していたが、そうではなく地形に沿って複雑なラインを描きながら曲がっていく。

路盤を見失うことはないが微妙に茂った熊笹が地面の凹凸や倒木を隠し、スピードを上げることが出来ない。この時は少し気が急いていた。

すでに時間は3時を過ぎ、日が傾いてきている。未だに降りるべき谷底から150m上の稜線をさまよっているというのに。

切通し、というより掘割か?が現れた。

左にカーブしていく。

ようやくこれから降りていく斜面側に出ることができた。

左上からの踏み跡は1枚目の写真で言及した踏み跡の続きと思われる。軌道はぐるりと大回りして高度を下げて方向転換してきた訳だ。

ぐわー。前方に身長より高い熊笹の藪が。

助かったことに中に踏み跡があったが、リアルにトトロの草のトンネルみたいになっていた。

崩落だ。しかしクリティカルというほどではない。さっきと通り過ぎる。

岩を削った岩壁を見るといかにも林鉄という感じがする。まあ、古道とかもそうだけど。

曲がり角を曲がった先は浅い切通しと見えない地面。嫌な予感。

ごっそりと消えた路盤は崩れたか桟橋だったのか。

行けないことはない。だが3時半を過ぎてこのレベルの斜面をたどって降りていくのは一抹の不安があった。暗闇の斜面にトラウマがある。

撤収。

地図を見るとすぐそばに尾根があったのでそこを下ることにした。

幸い途中で崖など現れず30分ほどで下まで降りることが出来た。

そこから更にさまよう。

なぜなら写真のように谷になっているため渡ることが出来ないのだ。白い部分の上が今朝歩いていた林道なのに。

しばらく歩くとなんとか渡河できそうな地形になった。

ちょっぴり浸水したがなんとか渡河できた。

林道まで上がればあっという間に車に到着した。探索終了。だが未踏破の部分は多く、満足できる結果とは言えない。次が必要だ。

野辺山高原蕎麦屋さんでもつ煮定食を食べ帰路に就いた。美味でした。

 

            次回未定