人生崖っぷち(物理)

森林鉄道、廃道、廃隧道など

気田森林鉄道7 門桁地区対岸区間 前編

気田森林鉄道 1 https://blog.hatena.ne.jp/msx4/msx4.hatenablog.com/edit?entry=10257846132625394285 ただ今静岡県浜松市春野町の春野歴史民俗資料館で来年の2月25日まで特別企画展 「春野の近代化遺産 気多森林鉄道」をやっております。というわけで…

布川橋 後編

この道はダム湖畔にあることからダム工事用かメンテナンス関係のものなのか?それとも林道なのか?橋のたもとの崩落が道の命運を断ったと思われるが、実際に使用されたのか? まあとりあえず、道があった→進む。と、何も考えずにシンプルに行くことにする。 …

布川橋 中編

これが例の橋か。思った以上に大きかった。そして泥。 木々の隙間から見てみると、どうやらトラス橋のようだ。 名前は”ぬのかわばし”。 竣工は昭和43年12月。両親柱とも頭がガリガリ削られていて年代を感じる。 親柱の横にも転落防止の・・・名前なんで…

布川橋 前編

出典:国土地理院地図(電子国土web) 岐阜の高山市から長野の木曽へと抜ける国道361号線は途中でいくつかのダム湖をかすめていくが、そのうちの一つ高根乗鞍湖の南端(上流部)に林道の物と思しき橋が架かっているのが地理院地図で確認できる。が・・・ …

下仁田森林鉄道 軌道跡 その3

少し分かりにくいが手前の地面と石垣から沢を渡って向こう岸に垂れたレールと正体不明の”?”。そして本流との出合いにも石垣が見える。 沢を渡る。レールの上に生えているように見えるこの木はもともとどこに生えていたのだろう。 石垣の断片に見えたものは…

下仁田森林鉄道 軌道跡 その2

石垣の一部が崩落している。が、通過する分には問題ないレベルだ。 抜けた先は路盤が完全に消滅していたが、傾斜は緩いのでここも普通に通過する。 砂防ダムが出現。しかし復活した軌道跡はぎりぎりその上を越えている。 レールは載っていないが枕木が残って…

下仁田森林鉄道 軌道跡 その1

直近の探索が情報不足と接近困難でくすぶっているので昔の探索を引っ張り出しました。古道もいいがやっぱり(林)鉄分をしっかりとらなければ・・・ ここは群馬県上野村の奥神流湖。2013年なのでもう9年前になる。 神流川上流域の木材の搬出のために敷設…

宣旨帰り 2

下に向かってどんどん降りていったが、石段が無くなると多分こちらが道だろう、というレベルになった。踏み跡と草むらと岩場を踏み越えていく。 視界が開けて川面がだんだん近づいてきた。正面を見ると垂直の岩壁がそそり立つ。 ここか! 草のせいで分かりづ…

宣旨帰り 1

ここは三重県の熊野川、対岸は和歌山県だ。以前、この熊野川の左岸に古道の難所が現存しているとネットの観光案内で見てから一度行ってみたいと思っていた。しかし、いくつかのサイトには平成23年の水害により通行不能とも書かれている。現状はどうなってい…

越中中街道 割石橋付近 3 (完)

このあたりの地面は苔むしているため、いかにも古道という雰囲気がする。 看板がある。 巡視路の標識。形を変えながらこの古街道が現役である証拠だ。 大きな沢に出た。ここには鉄橋が架かっている。 先程の沢と違って水の流れがある。 橋の向こうに街道は続…

越中中街道 割石橋付近 2

蒸し暑い空気の中、カメラとスマホのみを持って歩き始める。 初めて見た下からの割石橋。 目印らしきテープの下には石仏と・・・花!?こんなところにお供えもの? (後で写真を確認したら造花のようだ) 危惧したよりもしっかりと踏み固められ、地面が露出…

越中中街道 割石橋付近 1

ここは岐阜県飛騨市神岡町の割石。廃道サイトの山さ行がねがで紹介されて有名になった割石の髙崖という断崖古道がある場所で、私もその旧道についてのレポート を以前掲載している。写真の風景は割石橋上から北を向いたもので、橋を渡ると割石の集落があり、…

手彫りのトンネル その3 木馬道隧道 丹生谷の吊り橋50選より

最後の1つは以前よりネットでその存在を知っており、他の2つの前に探索済みであるそれは木馬道の隧道だ。写真は長安口貯水池のほとり。 この左手の山の稜線に木馬道の隧道があるわけだが、本来の道筋を下った場所が私有地というか人家があるので別の場所か…

手彫りのトンネル その2-2 丹生谷の吊り橋50選より

石碑、石仏、古隧道。見事な3点セットである。 さて、残念ながら通り抜けられないので山を越えて反対側を見に行くとしよう。 地図には載っていないがトンネルの広場の向こうにも道が延びていた。こちらの方角に尾根越えの車道があるので、この道をたどって…

手彫りのトンネル その2-1 丹生谷の吊り橋50選より

一つ目のトンネルからしばらく西へ車を走らせて木頭出原という場所に移動する。地図によると国道から那賀川をはさんで対岸の川島地区に2つ目のトンネルがあるようだ。 探索の前に街中で小洒落たコーヒースタンドを見つけて一服。 Coffee Stand Tanizaki と…

手彫りのトンネル その1 丹生谷の吊り橋50選より 

2020年に四国の徳島を徘徊していた時、よくある観光案内のパンフレットのコーナーの中に” 丹生谷の吊り橋50選 ”という案内絵図を見つけた。地域再生塾丹生谷応援団が平成22年製作とあり、徳島県那賀町を流れる那賀川とその支流の吊り橋が地図と写真…

立合川の木馬道 後編

日当たりのせいか知らないが、なぜかこの辺だけ羊歯が茂っていた。 この渓谷にもようやく朝日が差してきた。 カーブだと石垣がよく見える。 この道の見どころは間違いなくこの石垣たちだと思う。 それと、仮設橋が設置されていなければ奥に進むのは簡単では…

立合川の木馬道 前編

奈良県十津川村と和歌山県十津川村の境を流れる立合川(新宮川の支流の北山川の支流)をまたぐR169の立合川橋。2012年12月には写真のように鉢巻きを巻いたイカした熊が出迎えてくれた。 この立合川沿いに木馬道があるとネットの記事にあったので見…

上北山村の対岸歩道 4(完)

石垣状にした法面工事が施されている。それはいいとしてビニールネットはなんのために張ってあるのだろう?落石や獣用でもあるまいに。枯れ葉除け? だんだんダム湖っぽくなってきた川面。 探索用の杖の素材が大量に!でも残念ながら諦めるしかない。 もはや…

上北山村の対岸歩道 3

足早に先を急ぐ。幸いなことにこの後はヤマビルは少なくなっていった。 しかし歩道とはいえ、このように岩壁を削って道を造るのはかなりの土木工事だと思う。 おおっ!片洞門、というかオーバーハング? 削ってるから片洞門であってるのか? 更に進むと 吊り…

上北山村の対岸歩道 2

道は川岸の斜面と杉の植林帯に挟まれて始まっていた。 入口に表示されていた労務対策道だが、労務とは一般的には企業における労働に付随する関連業務全般、即ち事務処理や管理業務を指すとされており、そのための道・・・書いててなんだがよく分からなくなっ…

上北山村の対岸歩道 1

今回は普通の道の話です。 奈良県の南部を流れる北山川沿いを北上していた時のこと。道の駅や上北山役場がある河合集落の少し手前あたりで国道169号からふと対岸を見ると・・・ 道が見えた。 木々の隙間に所々鉄板を渡した歩道と思しき小道が対岸を走ってい…

尾上郷森林鉄道16 尾上郷貯木場その3

ここは工場だと思われるのだが、平面図があっても今一よく分からない。 つるはしだ。漢字だと鶴嘴。フィンランド語だとHakku。ドイツ語だとSpitzhacke。 いろいろと見えるが現地では一律に建物の跡ぐらいとしか分からないのであまり興奮しなかった。枕木が残…

尾上郷森林鉄道15 尾上郷貯木場その2

今回探索した尾上郷貯木場だが、実は具体的な資料は何一つ持っていなかった。なのでよく分からないがこんなものがあったと紹介していくつもりだったが、その1を公開後、小坂森林鉄道研究会様から数点の写真資料を頂きました。その中に貯木場の平面図があっ…

尾上郷森林鉄道14 尾上郷貯木場その1

第1話リンク 尾上郷森林鉄道 第一話 - 人生崖っぷち(物理) 1年ぶりの尾上郷ネタになります。 2022年3月、岐阜県高山市の御母衣湖畔。この時期は雪解け水の流入に備えてダム湖の水を抜いて水位を下げているため、普段は水に沈んでいる茶色い地肌が姿…

市街地の木橋(岐阜県高山市)その2

#前回の補足# その1で紹介した橋の名は”土橋”という名前のようです。では本文をどうぞ。 高山バイパスを北に向けて走っていると右手にちらりと見える橋がいつも気になっていた。いい雰囲気を醸し出していたが、まぁどうせ外観だけだろうとなかなか実際に…

市街地の木橋(岐阜県高山市) その1

今回は現役の物件を。 自分は木橋が好きである。森林鉄道にのめりこむようになって、林鉄の木橋のその希少さを知ったころから特に興味を持つようになった。しかしふと気づくと木橋というもの自体が暮らしの中からほぼ姿を消しつつある。田んぼの脇の水路に架…

岩国と雲南の木馬道隧道 その4

上流側の坑門から外に出るには土砂の山を登らなければいけなかったが、通り抜けるのに支障はなかった。今のところはだが。さて外はどうなっているのか。 こちら側は隧道ではよく見る深い掘割になっていた。 これが上流側の坑門だ。 だが、少し離れると坑口は…

岩国と雲南の木馬道隧道 その3

ネットで写真を見て知っていたが、実際に見てみると山を穿つというより地面に潜るという感じがした。 坑門の右側もそこそこの急斜面だが谷が深いという感じがしない。枝打ちされてて明るいし、作業道のせいで坑門の手前まで開けているからか。 隧道の前の掘…

岩国と雲南の木馬道隧道 その2

いつかは忘れてしまったが、ネットサーフィンをしていてたどり着いたひとつの記事。そこには谷の片隅に開いた隧道の写真が載っていた。そちらのサイト、元島根県民のお部屋のトリ氏が執念で探し当てたその隧道は後の机上調査によって木馬道の隧道である可能…